施設体験2
今日子につれられ再び私は施設に体験をしにやってきた、今日はどうやら幼稚園ぐらいの子どもたち10人くらいの部屋で子供達と触れ合うらしい、施設に到着し部屋に案内されドアを開けた。次の瞬間、私達に気付いた子ども達数人が誰?と言いながら勢いよく走ってきて何のためらいもなく、私達に4、5人の子どもたちが激しく抱きついてきたのだ。私はかつてこの様な経験をした事が無く唖然としてしまったが、まるで餌に群がる池の錦鯉のような体当たりの彼らの歓迎?に少し笑ってしまった。彼らもまた愛情に飢えているようであった。私も調子に乗っておどけて見せると一瞬で人気者に、私の奪い合いだ。順番順番。かつてこんなにも強く人に求められた事などは無く、なんだか不思議な気持ちになってしまった。そんな中、私と遊ぶ事を順番待ちにしていたナジャが突然苦しいと訴え、わざとらしい大きな咳を何度も始めたのだ。どうやら彼なりの自分に気を惹く為のパフォーマンスという事は直ぐに分かった。大丈夫?そう聞くと苦しそうに小さくうなずいた彼は落ち着いた様であった。もう大丈夫、そういって彼はクルクル回りながら嬉しそうに軽快なダンスを始めた。なんとも分かりやすい、彼なりに精一杯愛情を独占する為に自然と身についた手段なのである。彼らは愛情を渇望しあらゆる手段を使ってその愛を手に入れる為の術を知っていると言うのか。親のある子どもは無条件の愛を注がれ優しく包まれ膨らんでいく。ジョンレノンが言っていた。愛は触れ合う事、愛は感じる事、しかしそれは独りでは叶わない。抱き合い、体温と匂いを感じ微笑む。彼らが一体何をしたって言うのだ。彼らの笑顔はこんなにも美しいのに。私は体力の限界まで彼らと遊んだ、無駄なセンチメンタルに犯されないよう無我夢中で。