~仲直りのきっかけ~あの日足がくさくてよかった。
こんなタイトルに、素敵なイラストを使わせていただき申し訳ない気持ちでいっぱいです。@cheap_sensさん、イラストはとても素敵です。ごめんなさい。
20代半ばに先輩から言われた言葉で忘れられない言葉があります。
「結婚するなら、足のつめを切ってくれる人としなさい。」
私はこの言葉を聞いたとき、けっこうな衝撃を受けました。
確かに人生100年時代、俗に言う”下(しも)”のお世話まで頼める人に・・・とよく聞きますよね。
確かにその覚悟はお互いに必要だなと思うのですが、、、
先輩曰く
いつか子供ができた時、お腹がつかえて足の爪を切るのが難しくなることがあるそうで…その時にいやな顔一つせず切ってくれる人を探しなさい。ということでした。
足の爪って、自分だと多少の無理ができますが指のふち部分なんて、人に任せるの勇気がいりますよね。切りすぎるとずっと痛いし…
しかも、足の爪って日頃の疲れ成分←がたんまり蓄積していて…嗅いでみると変なにおいするじゃないですかw
(嗅ぐな…って思った方すみません。)
私はその時今の主人に出会う前で、そんな素敵な人に出会う自信もなく…大袈裟だな~、足の爪ぐらい自分で切りたい…恥ずかしいじゃん。と思ってしまっていたと思います。
それから数年後、ありがたいことに人生をこの人と共にしたいという出会いがあり結婚・そして妊娠することができました。
~タイトル回収、までしばしお待ちください~
我が家ではお互い仕事が忙しいため、コミュニケーションがてら23時ごろから一緒に入浴することが多いのですが、
この日主人が22時過ぎの帰りになるということで先に帰宅し夕食を済ませた私は、早めにお風呂を済ませることにしました。
そしてこの日私は、仕事のトラブルや妊娠による吐き気などもあり体調も悪くすこぶる機嫌の悪い日でした。機嫌の悪い私は”毒吐きモンスター”になる自覚があるため、できるたけ主人との接触を回避しようと一人でお風呂を済ませ、早めにベッドに入ろう・・・と私なりに最善策をとっていました。
しかし、その時期すでに妊娠7か月目を迎えていた私は
お腹も膨らんできており足の指先がうまく洗えなかったのです。
一緒に入浴した際は主人が支えてくれており、ゆびの間などうまく洗えない箇所をサポートしてくれていました。
この日も、泡を立ててさらっとなぜることはできるのですが、ゆびの間までゴシゴシという作業がなんとも辛く…もういいや!と諦めたのでした。
お風呂から上がりもう寝ようと、横になり携帯をいじっていると暫くして主人が帰宅し夕飯を済ませ、お風呂からもあがり寝室にやってきました。(ものの30分程度!いつも思いますが早すぎる)
おつかれ~と私の不機嫌具合を察知した主人は言葉少なめに、でも物腰柔らかく「遅くなってごめんね~」と声をかけてくれました。
一瞬起き上がった私も、「おつかれ~」と最小限の声を掛け、
無の感情でベッドの上で軽くストレッチをはじめました。屈伸のようなものだったかと思います。
その時、ぷ~んといやなにおいが私の足元から漂ったのです。
「・・・・くさっ」
そう、この日は雨が降っておりその日出勤用に履いていたスニーカーは
靴裏が傷んでおり、浸水してきていたため靴下も蒸れ、私のお靴の中はとても悪い環境になっていたんですね。。。
そのうえしっかり足の指まで洗えなかったため、においが取り切れず…(もうこれ以上はいいですかw)
主人は、悲しそうにつぶやいた私を見て、すべてを悟ったかのように
「お風呂いこう」と声をかけてくれました。
そして、自分と私のパジャマのズボンを膝上までまくり上げ、
私を浴槽のふちに座らせ、足の指をきれいに洗い、バスタオルで水気をきれいにふき取ってくれました。
私は不覚にも、じわっと涙をうかべてしまい…あの時の先輩の言葉を思い出していました。
「こういうことだったのか…」
恥ずかしい部分や、さらけ出したくない脆い(もろい)部分に、どれだけ優しく向き合えるかが、”愛しあう”ことなのかもしれないな。
大げさかもしれませんが、あぁ、この人と出会えて本当に良かった。
と心から思いました。
足がにおわなくなった私は(笑)、その日の不機嫌もどこかに飛んでいき、なぜかこの一連の流れがおかしくなってきて、けらけら笑ってしまいました。
主人も、「○○ちゃん(私の呼び名)が必死に葛藤していることも分かっていたよ。無理しないで言ってね。」と笑いながら話してくれました。
ちょっとニヤニヤしていた彼の表情も忘れられません。(笑)
その日は久しぶりにぐっすりと眠れ、とても安心して朝を迎えました。
あぁ、あの日足がくさくてよかった。