夜の空港前、生ぬるい風が東南アジアの旅を思い起こす。なんだか懐かしく心地よい。 深夜到着だからと予約した格安のドミトリーのロビーに入った途端汗臭い。ロビーまで染み出しているとは何事だ… 楽しみにしていた台湾の朝ごはん、明日は早起きするのだと言い聞かせ、布団で鼻を塞ぐようにして何とか眠りにつく。 重たい身体を起こしてホテルを後にし、キャッシングやらタクシーがなかなか捕まらないやらでバタバタしながら着いたのは気になっていた鹹豆漿のお店。 朝なのに既に10人以上は並んでいる
三連休を使いベトナムは中国国境近く、サパという町を訪れた。 この春大学院を卒業し、6年間過ごした北海道を離れ、私と友人は共に東京での社会人生活を始めた。 北海道の生活に慣れてしまっていた私たちは、忙しない東京の生活に早くも疲弊し、勢いで安かったベトナム行きのチケットを購入。 ハノイに到着してすぐ、観光することなくサパへ直行。 初めてのベトナムなのにハノイをすっ飛ばすことに抵抗のない友人に感謝しつつ、サパ行きの寝台バスへ。 5時到着のはずが、3時半に到着。 バスで寝かせ
登山を始めて何年か経つけど、同じ山に何度も登ることはそう多くない。 十勝岳。大学3年の時に登って以来、毎年登り今年で4回目だ。 正直、特別好きな山ではなかった。 というのも、初めて来た時は自転車で登山口まで行った挙句、ガスで視界はほぼ無い状態で、寒さに凍えながらなんとか登頂した思い出しかないからだ。 その後の2回の登山でもなぜか他の山よりもやけに疲れた。 それに麓の方からの眺めが抜群だし、この山はきっと登る山じゃなく眺める山なんだ、と3回目の登山が終わってから友人に話して
今年は雪が積もるのが遅い。そんなことをようになったのも、この土地に住むということが自分にとって当たり前になっている証拠なのだと思う。 今日は、札幌では今年はじめての積雪(夜中に積もって朝に溶けた日はあったが)。いちょうの木の枝に積もった雪は風が弱いおかげで昼まで落ちることなく、木はつい先月まで黄色に色づけていた葉っぱに代わるように白い飾りをつけているようだ。 自分の手に落ちてきたらすぐに溶けてなくなっちゃうくらい繊細なのに、木や草や、その上に積もった雪は、互いを拒絶するこ