自分自身でしかいられない
秋の終わりが近づく森の教室で、子どもたちの姿に心を奪われました。
「魚が見えたかも!」
その声をきっかけに、思いがけない出来事が始まりました。寒い川のそばで、一人の子が靴を脱ぎ始めたのです。最初は足だけ。でも、その子の心はもう、川と一つになりたがっているようでした。
ズボンを脱ぎ、上着も脱いで。少しずつ、でも確実に川に近づいていきます。もう魚のことは忘れてしまったみたい。その子の背中から「川に入りたい。でも、入ったら冷たいのかな?」という声が聞こえるようでした。
しばらく立ち止まっていたけれど、そのあとゆーっくり腰をおとし、お尻を水面に「ぴしゃっ」と付けました。「ひゃっ!」という声が森に響きます。きっと冷たかったのでしょうね。でも、その表情にはやってみた面白さの笑顔で満ちていました。
一度試してみたら、もう止まれない!「入ってしまおう」という決心をしたように、次は身体全部、思い切って川に入りました。
冷たさに震えながら、濡れた子犬のように体を震わせています。岸に上がると、夏の思い出を探すように、日向の大きな岩の上に行きました。でも11月の岩は冷たくて、また「ひゃっ」という声。
その一連の動きの中に、子どもの純粋な「やってみたい」の探究心が詰まっていました。
「寒いのによくやるなぁ」と大人の私は思ってしまう。
「のびのびしていいね〜」というよりは、「やりたいと思ったらそうせずにはいられなかったんだね」と。
不自由なまでの「自分自身でしかいられない」かんじ。
自分の中から自然と湧き上がってくる、止めようのない好奇心。
理屈では説明できない、体の奥底から来る衝動。
そうせずにはいられない、純粋な探究心。
自分自身でしかいられない、真っ直ぐに。
小さな背中に見える、大きな漫画の吹き出しのような「やってみたい!」
この姿がたまらなく愛おしい!
冬休み明け、こどもたちとの時間が待ち遠しいです!