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不動の人気を集めるビーフシチュー × フォー「Pho Quynh」
初訪 2018.08 更新 2023.04.26
海外グルメサイト「Taste Atlas(テイストアトラス)」が発表する「世界の煮込み料理ベスト10(2023年)」で4位に選ばれた、ベトナム版ビーフシチュー「ボーコー(Bo Kho)」。※ちなみに日本のカレーは2位。
Bo Kho はそれぞれ、
Bo = 牛肉
Kho = 煮込み
の意味で、Bo Khoは「牛肉の煮込み」の意味。
牛肉とニンジンなどの野菜がごろっと入ったその見た目から、よく「ベトナム版ビーフシチュー」と訳される料理です。
シチューというと、とろみのある濃厚な舌触りを想像しますが、そこはベトナム版。南国の暑い気候に合うさらりとしたスープのような仕上がりで、エシャロットやレモングラスに加え、八角やシナモンなどのアジアンなスパイスで煮込まれているのが特徴的。軽い口当たりで暑い日でも食べやすく、外国人にも人気のベトナム料理の1つになっています。
ビーフシチューはどこから来た?
ボーコー(Bo Kho)の起源は、フランス植民地時代の1950年頃にベトナム南部で生まれ、中国の食文化の影響を受けて変化したといわれています。その詳細は定かではないようですが、世界三大料理といわれる「フランス料理」と「中華料理」、2カ国の影響を受ける料理といえば、おいしくないはずはありません。
シチュー発祥の国といわれるフランスの影響と、五香粉やレモングラスなどアジアのスパイス、そしてベトナム南部の暑い気候。さまざまな要素が影響してできあがった一品のようです。
今回は、そんなベトナム版ビーフシチューに、ベトナムを代表する米麺フォーを合わせた「ビーフシチュー風フォー(Pho Bo Kho)」が味わえるお店。
常に多くの人で賑わう人気店で、味も安定感のあるおいしさなので「ビーフシチュー風フォー?食べてみたい!」という方に安心して紹介できる鉄板の一軒です。
店名は「フォークイン(Pho Quynh)」。
市内に3店舗あるのですが、バックパッカー街に近い今回のファムグーラオ店は、なんと24時間営業。朝から晩まで、気が向いたときにいつでも立ち寄れるのがまた、魅力的です。
アクセス
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お店の場所は、ファムグーラオ(Pham Ngu Lao)通りとトンタットゥン(Ton That Tung)通りの交差点。この黄色い外観が目印です。
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行き交うバイクを眺めながらフォーを食べる1階(地上階)のオープン席も雰囲気ありですが、暑い日は2階でゆっくり食事を楽しむのもあり。窓からは交通量の多い通りが見渡せます。
メニュー
外国人客が多い立地もあって、メニューは写真付きで英語併記あり。
指差しで注文できるので安心です。
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上の写真は、看板メニューの「ビーフシチュー風フォー(Pho Bo Kho)」と
「ビーフシチュー&バインミー(Banh Mi Bo Kho)」各7万9000vnd(約450円)。※バインミーはパンのみで、シチューにつけて食べます。
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メニューには、王道の牛肉フォーも。
半生肉(Tai)や火の通った肉(Chin)、牛肉団子(Bo Vien)など、上にのる具材によっていくつかの種類があり、こちらも8万vnd(約460円)程度で味わえます。
料理
とりあえず、看板メニューの「ビーフシチュー風フォー(Pho Bo Kho)」7万9000vnd(約450円)を注文してみました。
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牛骨スープをベースにしたシチューには肉や野菜がごろっと入り、食べ応えあり。シチューとはいってもスープのような軽い質感で、見た目よりもさっぱりとした軽い口当たり。年中暑い南部ホーチミン市でも、さらりと食べられます。
じっくり煮込まれた牛肉は、繊維はしっかりとしながらほろほろとほぐれる柔らかさ。小皿に取り分けた塩胡椒にライムを絞り、牛肉をつけて食べる現地で定番の食べ方に挑戦してみるのもありです。
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麺は、一般的なフォーよりも細めで弾力がある印象。
市販のインスタント麺でも、ボーコーにフーティウを合わせた「Hu Tieu Bo Kho」を目にするように、少し弾力があるくらいがボーコーには相性がいいのかもしれません。
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そして、ボーコーに欠かせないのが卓上のハーブ。
オリエンタルバジルやノコギリコリアンダー、リモノフィラなどのハーブがモヤシやチリと一緒に出てくるのですが、特にボーコーによく合うのが "オリエンタルバジル"。
生春巻きにもよく使われるこのハーブを加えると、シチューが一気に爽やかなアジアンフレーバーに変身。さらに味の変化を楽しみたい人は、ハーブ以外の卓上調味料(黒味噌、チリソース、ヌクマム、サテ)でカスタムも可能です。
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別の日にオーダーした「ベトナム版ビーフシチュー&バインミー(Banh Mi Bo Kho)」7万9000vnd(約450円)。
外はサクッ、中はふわふわの軽いバゲットが、さらりとしたシチューをたっぷり含んで軽食感覚で食べられる組み合わせ。
ベトナム風に変化したシチュー「ボーコー」に、仏領時代の置き土産であるバゲット「バインミー」を浸して食べながら、フランス人がベトナムに持ち込んだビールを傾ける…。植民地時代の名残を舌で感じながら思いを馳せるのも、なんだか大人な愉しみ方で素敵です。
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ちなみに、こちらは「牛半生肉のせフォー(Pho Bo Tai)」。
ほんのり甘味のある牛骨スープと柔らかな牛肉は、朝ごはんにもぴったりなやさしさでした。
Pho Quynh/フォークイン
住 323 Pham Ngu Lao, Q.1, HCMC
営 24時間営業
電 028・3836・8515
休 なし(祝日は休みの場合有)
参考:Taste Atlas
Thanh Nien
Vianco
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