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【サデック】 メコンデルタの花の街に行ってみた

旅行日 2017.01


ベトナム国内の旅行先として人気なのは、なんといってもやはりビーチリゾートですが、ベトナムらしい風景が楽しめる田舎町もまた、魅力的。
今回は、メコンデルタにある花の街・サデック(Sa Dec)へ、ホーチミン市からローカルバスで行ってみました。

行ってみたといいつつ、実際に行ったのは2017年の旅行の記録なので、情報が変更されている可能性もあります。最新情報は、記事各所のリンクなどから確認されることをオススメします。


サデックとは

ベトナム南部のメコンデルタ地方に位置する、ドンタップ(Dong Thap)省の小さな街。メコンデルタの交易をはじめ、生花や米粉の一大生産地として知られています。また、作家マルグリット・デュラスの小説「愛人/ラマン(L'Amant)」の舞台の1つとしても有名。登場人物のモデルとなった華僑青年の家は、観光スポットにもなっています。

華僑青年(Ong Huynh Thuy Le)の家


ちなみに今回「サデックに行きたい」と思ったきっかけは、地上にぽこぽことできたレンガ窯のこの風景が見たかったから。ベトナムスケッチの記事を見て「行こう!」と決めたのでした。

ジブリのような雰囲気を感じるレンガ窯

実際にレンガ工場を見に行ったときのことはこちらの記事にまとめました。


アクセス

ホーチミン市からサデックまでの所要時間は、車でおよそ3時間。
アクセス方法は大きく分けて下の3つがあります。
①チャーターカーで行く
②ツアーに参加
③ローカルバスで行く


は、現地旅行会社などに要相談。
は、たとえば4つ星ホテル「ヴィクトリア カントー リゾート」が運営するクルーズツアーに参加するという方法があります。ツアーの出発地となるこのホテルが、サデックから約1時間半の距離にあるカントー(Can Tho)という街にあるため、ホーチミン市からカントーまではローカルバスもしくはホテルのオプションでの追加手配(別料金)が必要ではありますが、水上マーケットなどメコン川沿いの生活を垣間見ながら、船上泊で朝晩の景色を堪能するというのもありです。詳しくはこちら

ということで、もっとも一般的なのはローカルバス
メコンデルタ方面へバスで行く方法は、基本的に「ミエンタイバスターミナル(Ben Xe Mien Tay)」から目的地に向かいます。

以前、ココナッツで有名なメコンデルタの街・ベンチェー(Ben Tre)に行ったときと基本的に同じなので、よろしければこちらもご参考に。


まずは、ミエンタイ バスターミナル(MAPへ向かい、

オレンジ色の車体が目印の大手バス会社「フンチャン(Phuong Trang)※別名FUTA BUS」のカウンターへ。行き先と人数を伝えてチケットを購入します。

このとき(2017年現在)は、片道1人9万vnd(約510円)。
2023年4月現在は、公式サイトによると片道13万vnd(約740円)になっていますが、それでもやっぱりバスは安いです。

道中で、フオンチャンの道の駅的な休憩所に到着。
大手のバス会社だと休憩場所も比較的整備されているので、トイレなども利用しやすいのがメリット。(以前、聞いたことのないバス会社で旅行したときは、トイレ休憩が空き地で野ションでした笑)

所要時間3時間弱で、サデックのフンチャン オフィスに到着。

事前にバスの車内で乗務員から目的地を聞かれるので、当日泊まるホテル名や住所を伝えておくと、そのホテルまで追加料金不要でバンに乗り換え送ってくれます。サデック到着後のタクシー手配が不要なこのサービス、とっても便利です。

オフィス前でバンに乗り換えて、各乗客の目的地を巡ります。

帰りは事前にホテルから連絡してもらうことで、ホテルでピックアップしてもらい、オフィスでチケットを購入することも可能です。

ちなみにサデックのPhuong Trangオフィスは、
サデックバスターミナル(Ben Xe Sa Dec)のすぐそばでした



まずは、ホテルにチェックインしてひと休み。
とりあえずホテルから近かった、フラワーヴィレッジ(花の村)に行くことにしました。


フラワーヴィレッジを散策

花の生産地として100年以上の歴史を持つ、サデック。
ここで栽培された花は、ホーチミン市やハノイなどの国内各地だけでなく、カンボジアや台湾などにも輸出されているそうで、特に最盛期を迎える旧正月前の1〜2月頃には多くの花であふれます。

郊外にある「サデック フラワーヴィレッジ(Lang Hoa Sa Dec)」は、多くの花農家が集まるエリア。畑の中を歩きながら写真を撮ったり、お外カフェでお茶したりしながら、のんびり田舎時間を楽しみます。

フラワーヴィレッジ入口にあるゲート

ここという観光施設があるわけではなく、ゲートの先に点在する花農家の中でよさそうな花畑を見つけたら立ち寄って散策してみるというスタイル。
※ ちなみに、私が見学した畑はこのあたり→MAP 休憩したカフェはこのあたり→MAP の「Ca Phe Lang Hoa」というカフェです。

季節によって育てられる花もさまざま
棚に並ぶ花が水面に映ってきれいです
水面をボートで行き交いながら世話をする農家もあるよう

このときは、まだ旧正月まで期間があったのでお花は控えめでしたが、最盛期を迎える旧正月前は、特に南部の旧正月の花である黄色い梅の花(Hoa Mai ※)が華やか。ちなみに、北部ではピンク色の桃の花(Hoa Dao)が飾られます。


名物フーティウを食べる

米粉の特産地でもあるサデックの名物料理といえば、コシのある米麺のフーティウ(Hu Tieu)。
米粉生地を蒸した後に半乾燥してから裁断しているため、麺に独特のコシが出るのが特徴で、基本的に汁なし(Kho)と、汁あり(Nuoc)から好きな方を選択できます。

サデック風フーティウ(Hu Tieu Sa Dec)は、麺が通常より太めでエッジの立った四角い形をしているのが特徴。ほかのフーティウとも少し違う、もちっとした食感が楽しめます。

汁なし(Kho)のフーティウ

汁なしは、ベトナム醤油をベースにしたタレを絡めていただきます。
※上の写真は、サデックの街なかにあるローカル店のもの(MAP)。

ちょうど居合わせたお客さんは、涼しい顔して小脇に鶏。
というのも、さすがです。

また別の日に、タクシーの運転手さんオススメのおいしいフーティウのお店に連れて行ってもらいました。

有名店のようで、店内はお客さんが途絶えず満席でした。

汁あり(Nuoc)のフーティウ

「サデック風フーティウ(Hu Tieu Sa Dec)」5万5000vnd(約310円)

透き通った豚骨ベースのスープに米麺フーティウを合わせ、海老や豚レバーなどをトッピング。好みで春菊やセロリの葉などの香味野菜をちぎり入れていただく、汁ありフーティウにしました。

フーティウは元々、カンボジアの米麺「クイティウ」が、メコンデルタに伝わった麺料理といわれていて、現在のカンボジアを示す“南蛮=Nam Vang”風フーティウ(Hu tieu Nam Vang)が有名。このお店も南蛮スタイルのフーティウを出すお店なので、厳密にいうと通常のサデック風フーティウとは異なるそうですが、メニューは南蛮風とサデック風の2種類があり、現地の人から支持されるその味は、やっぱりフーティウの本場ならではのおいしさでした。

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Hu Tieu My Ngoc
住 
150 D, Hung Vuong, Sa Dec, Dong Thap
 6:00〜21:00
MAP

ホーチミン市内でも、サデック風フーティウを食べられるお店はいくつかあり、個人的にはここがオススメです。



映画 愛人ラマンの舞台

フランス領インドシナのサデックを舞台にした、小説「愛人/ラマン(L'Amant)」。当時貧しいフランス人少女だった作家マルグリット・デュラスと、裕福な華人青年フイン・トゥイ・レとの出会いを元にした自伝的小説は43ヶ国語に翻訳され、フランスで権威のあるゴンクール賞を受賞。その後映画化された本編に登場したフイン・トゥイ・レの家(Nha co Huynh thuy le)は一躍有名になり、2007年から一般に公開されています。

映画ではほとんどの場面をここサデックで撮影しているそうで、サデック市場の近くにある前述の家にも寄り道してみました。
(映画には、ホーチミン市の華人街チョロンなども登場しています。)

ティエン川のほとりに佇む家屋

フイン・トゥイ・レ氏の父親が1895年に建てた築100年超のこの建物。外観やポーチはフランス風の印象を受けますが、陰陽瓦に覆われた屋根や内部の装飾は、中国式が色濃く反映されています。

裕福さを象徴する豪華な祭壇
ステンドグラスもフランスから取り寄せたもの

中国の風水を取り入れた構造に、フランスから輸入したレンガや床のセメントタイルなど、フランスと中国が融合した豪華な装飾が興味深いです。
参考:Kenh 14

ちなみに余談ですが、映画の「愛人/ラマン」は友人曰く「ただのエロ映画」らしく(笑)デュラス本人も映画の仕上がりに大きな不満を持っていたそう…。小説の方がレビューの評価もいいので、もしかしたらそちらの方がいいかもしれません。

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Nha Co Huynh Thuy Le

 255A Nguyen Hue、Sa Dec, Dong Thap
 7:00〜18:00
 2万vnd(約110円)
MAP



レトロな手描き看板

サデックの街を巡ってみて印象的だったのは、レトロなフォントの古い看板を時折見かけること。

特にフイン・トゥイ・レ氏の家があるグエンフエ(Nguyen Hue)通り周辺に多い印象で、いくつかの書体を組み合わせた手描き看板はなかなかいい味を出しています。

安価で鮮やかなプリント看板に取って代わる時代ですが、経年変化がお店の歴史を感じさせる、風合いある手描き看板も細々残ってほしいなと思ってしまいます。
こちらの記事でも、サデックのレトロ看板が取り上げられていました。

フレンチコロニアル風の古い建物が並ぶ一角も。
大胆な色もとってもきれいです。



サデック市場

サデック市場(Cho Sa Dec)は、フイン・トゥイ・レの家から徒歩4分ほどの場所にあり場外市場がメイン。肉や魚などの生鮮品から服や雑貨などの日用品、お花まであらゆるものが並びます。MAP

市場の建物2階にはベトナムの大手スーパー「ヴィンマート」が入居していました。


文字の落ち加減に哀愁漂ってます

ナイトマーケットもあるということで、行ってみました。
「サデック ナイトマーケット(Cho Dem Sa Dec)」MAP

おばさんが捨ててるところ笑

こちらは路上鍋屋とぬいぐるみなどの出店が数軒並ぶ程度の小規模なもの。現在Googlemap上では臨時休業になっているので、事前に要確認です。

この日は、川沿いの店で鍋を突きながら晩酌。お店のおばさんが残りものを隣でばっしゃんばっしゃん川に捨てているのが印象的でした笑


ホテルについて

このとき泊まったのは、こちらのローカルホテル。なんと1室1500円ほど。
2017年頃はまだホテルの選択肢も少なく、オシャレなところなど皆無だったのですが、現在はホーチミン市内のお花屋さんが運営するホームステイ「𝗡𝗲𝘃𝗲𝗿𝗹𝗮𝗻𝗱.𝗱𝗲.𝗽𝗮𝗽𝗶𝗹𝗹𝗼𝗻𝘀」など、オシャレできれいなステイ先もあります。

詳しくはこちら☟
𝗡𝗲𝘃𝗲𝗿𝗹𝗮𝗻𝗱.𝗱𝗲.𝗽𝗮𝗽𝗶𝗹𝗹𝗼𝗻𝘀
 To 18 ap Tan Lap, Tan Quy Tay, Sa Dec
FB
Poste(紹介記事)

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以上、たのしいサデック旅行でした。
旅のハイライトだったレンガ工場の見学は、次回投稿します。

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