カラオケ行こ!を観てきた(ネタバレ少しあり)
「カラオケ行こ!」の映画が良かった、と友人がポストしていたので観に行った。
SNSには、「この人が言うことなら間違いない」と確信しているフォロワーが何人かいる。友人でもあり、フォロワーでもある彼女はその中の一人だった。
ポストを見た一時間後には、私は映画館に来ていた。
感想を一言で言うと、とても良かった。
ご存知の方も多いと思うが、原作は一冊の漫画本で、「映画一本分の長さなんてあったかな?」という分量である。しかし心配は無用だ。
原作者である和山やま先生が描いてもおかしくないかもな……と思えるオリジナル展開が私を大いに楽しませてくれた。
特に中学生である聡実の「男性特有」の繊細な悩みは丁寧に描かれており、見ているこちらまで苦しい気持ちになった。
私は女なので、声変わりをする聡実の気持ちがわからない。それでも、自分の持っていた才能が失われていく瞬間と言うのは辛いだろうな、と思った。
そんな悩める聡実がヤクザの狂児と出会った。普通の真面目そうな中学生がヤクザと知り合うなんて最悪の展開である。しかも受験前の3年生の時期に。
綾野剛が演じる狂児は、危ない魅力に溢れていた。色気と言ってもいいと思う。
狂児がいつも薄らと笑みを浮かべる姿は、怖さ以上に、「この人と仲良くなった時の特別感」を想像してしまう。
自分が中学生でもあんな出会い方をしたら逃げきれないし、懐くんじゃないかと思う。
いけない、と思いながらも踏み込みたくなる雰囲気があの狂児にはあった。
私の周りに狂児がいなくて良かったです。
聡実くんのことを考えたら、一刻も早く縁を切った方がいいと思うけど、一緒にいて欲しいとも思ってしまう。
聡実くんには真っ当な道を歩んで欲しいですけどね。(続編のファミレス行こ、を読むと無理な気がしてくる)
大いに笑わせてくれる映画だったが、聡実が紅を歌った時、私は思わず泣いてしまった。
苦しそうに歌う、あの演出が最高に好きだった。
映画館を出た私は、すぐにSpotifyで紅を検索して、狂児ばりにキショい裏声で歌いながら帰った。
撮影時期だったであろう2023年は、Toshlより綾野剛の方が紅歌ってたかもしれん。
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