クエストなるもの
300年以上前。元禄の頃であったか。
当方は相方芋と知り合い、そのうちアパートに足繁く通うようになった。
ヤツのアパートには、ファミコンがあったのである。
ゲームは要りません、という家庭で育ち、人の家に行くより誰かが遊びに来る方が多い子供時代を過ごしたので、ファミコンがほぼ初見であった。
これが噂のドラクエというモノか……!
そう。
若き当方は、相方に夢中♡のフリをして、冒険の旅に夢中だった。
相方を早朝のバイトに送り出すと、洗濯機を回しながらコントローラーを握る。
ヤツのアパートはたしか6部屋ほどで、外の通路に2台のコイン洗濯機が設置してあった。
他の住人の合間を見て使うため、相方は洗濯を溜めがちである。
洗っといてあげるよ!
いってらっしゃーい!
\(^o^)/
洗濯と乾燥機が回る間、
当方は魔物を征伐しなければならない。
この手で世界に平和を取り戻すのだ……!
相方の愛読書かもしれないエロ本を座布団代わりに尻に敷き、時間の許す限り、レベルを上げまくっていた。
ドラクエを4までクリアした頃、当方は台所が広くて安いアパートを見つけて引っ越しをし、今度は相方が芋家に入り浸るようになった。
そして300年余りが過ぎ、平和になった世界で、何故か当方と相方は今も一緒にいる。
洗濯は、同居の婆芋が引き受けているのだが、何故か当方に、再び冒険に出るほどの時間がない。
平和過ぎるのかもしれない。
スライム、かかってこいや!
щ(゚д゚щ)カモーン
推しの根本凪は、たまにゲーム配信なるものをする。
近頃全くゲームに触れなくなった当方は、コメントに参加が難しく、指を咥えて見ているだけだ。
やってみたいかも………と思うのだが、また引きこもってゲーム三昧をしてしまいそうで(己に信用がない)手が出せない。
老後にやろうと思っているが、積読も溜まっている。
あれもこれも忙しくて、まずは分身の術を習いにいかなければならないのだ。
☆ヘッダー、お借りしました。ありがとうございます。