怠惰
屋根雪が溶けて、滴る音がする。
夜中も何度か、雪塊が軒から落ちる音で目を覚ました。
春である。
この冬は例年より雪が少なく、雪かきをがっつり働かせたのは三度ほどだ。
当方のいたく繊細な、江戸切子より儚い腰は、命を永らえた。
一昔前は、よく夏場の水不足が騒がれ、湖やダムが干上がって、底の昔の役場跡が見えてきちゃった報道をよく目にした。
最近は、雨不足や雪不足でも、あの映像を見ない気がする。いつのまにか解決策が見つかったのであろうか。
雪国から出たのはほんの10年くらいで、後は雪かきと共に40年を過ごしてきた。
逆に、台風の地域の大変さが未体験である。
雪はどんなに積もっても、夏には溶ける(豪雪地帯ではないから、と言われればそれまでであるが)。
水害にはあまり直面したことがないため、恐怖感が強い。
屋根吹き飛ばされたり、窓ガラスが割れたらどうしたらいいのだろう。
床下浸水・床上浸水。全く対策が浮かばない。
◯◯日間降雨0だったり、逆に河川が氾濫するような集中豪雨だったり。
100年に一度だ、1000年に一度だという言葉が多用されている。
地球、いったいどうなっちゃうのか。
と、心配しながらも、なんの防災対策もしないで生きている大馬鹿者である。
東日本大震災の時は、たまたま買ったばかりの石油ストーブが停電時に活躍してくれたが、それ以後何も設備投資をしていない。
大昔に用意した防災リュックは、数度の引越で、すでに行方不明だ。
ようやく、自転車を引っ張り出したいような陽の当たり方になってきた。
イヤホンが苦手な当方にとって、自転車は音楽を聞かれないのが難点である。
通報されない程度に、推しの曲を口ずさんで疾走する。
年明けから地震が連発している。
大地震が起きたら、自転車も使えない道になるかもしれない。
13年前、ガソリンが手に入らなくて大活躍した自転車に跨って、怠惰な自分を窘めながら、今日ものほほんと生きている。
☆ヘッダー写真、お借りしました。ありがとうございます。
近所に似てたので地元の方かと思ったら北海道なのかな?
早とちり。