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渇き
瑞々しい果物が山盛りのパフェを、お代わりしたところで目が覚めた。
からからに、喉が渇いている。
昨夜の鼻炎薬がきちんと仕事をしてくれたおかげで、鼻水は止まり、鼻詰まりもない。
代わりに、口の中がしっかり干からびている。
35くらいの時、年明けにひどい風邪をひいた。
鼻水と咳が止まらない。
長年愛用している風邪薬が3日飲んでも効かず、やむなく耳鼻科に駆け込んだ。
「風邪じゃないですね」と、アレルギーの薬を頂戴すると、ピタッと症状は治まった。
あれから15年(きみまろ風)。
知恵もついたので、アレルギー薬を2種類使い分けて、暮らしている。
仕事や外出の日は、弱めだけど乾かず眠くなりにくいモノ。
夜や予定のない日は、強くて干からびて眠くなるモノ。体内の全ての水の元栓を止めるそうだ。
朝晩2回の薬のおかげで、通常営業の毎日を送れている。
それでも、よりによって何故、パフェだったのだろう。
辛党だが、甘い物も食べる。しかし、夢に出たパフェの山盛りのマンゴーは、どちらかと言えば苦手である。
こってりと甘いマンゴーよりも、シャビシャビした梨や林檎、酸っぱい柑橘やベリー類が好きだ。
そういえば、一緒に職場の若者たちが食べていたような気がする。
2連休からの出張で、都合3日、職場を空けた。
仕事の溜まり具合が気になるのと同時に、ちょっと自分の縄張りが恋しかったのかもしれない。
出先で起きたあれこれを、戻ったら誰にどう話そうか。昨日からずっと考えていた。
出張の楽しみは普段と違う昼飯だけなんだと、猫好き上司を笑わせながら出発したのだが、やはり自分の職場が一番居心地がいい。
この10年、あちこち渡り歩いてみて、最近ようやくそう思えるようになった。
気持ちが、乾いていたのだろう。
あぁ、自分は。
「おかえり」と言われたくて、これからいそいそと出勤するのだ。
☆ヘッダー写真、お借りしました。ありがとうございます。