2025年になりました
あけましておめでとうございます。今年も引き続き、様々なトピックスについて免疫学的な視点からコメント・紹介などをしていきたいと思います。
昨年は核酸ワクチンの自己免疫疾患リスクを示したコホート研究が複数出てきた一年になった。その危険性が確実に証明されている中、今年特に注目されるのは自己増殖性RNAワクチンの臨床使用に伴う臨床報告がどの程度出てくるかという点になるだろうか。実際に使用された件数がどの程度かもまだ分からないが、まずは実態や副反応についての情報を待ちたいと思う。
さて、今年の医療については下記の様なコラム集を見掛けた。
まあ内容としては大したものではないのだが、暇潰しに読んでみるくらいはしてもいいだろう。特に(4)新型コロナ以外の国内治験も進みmRNAワクチンが発展するという記事では、新型コロナウイルス以外の感染症に対する核酸ワクチンの治験が進んでいる事が紹介されている。記事では季節性インフルエンザを新型コロナと抱き合わせて、1回の注射で済むようにしたものが、治験の第Ⅲ相まで進んでいることや、他にもノロウイルス、サイトメガロウイルス、RSウイルスをターゲットとしたmRNAワクチンの治験が行われていることが(いずれも第Ⅲ相)紹介されている。また海外ではHIVに対するワクチンの開発も進められているらしい。コラムの筆者は核酸ワクチンに否定的ではない様だが、言うまでもなくこれはとんでもない事である。
何でもかんでも核酸ワクチンを濫用する様になれば、ますます自己免疫疾患のリスクが増大していくことになる。この様な状況は免疫学者からすれば看過できる訳がない。私としては引き続き、核酸ワクチンというモダリティがどの様な免疫学的特殊性を持ち、どの程度の免疫学的リスクを持っているのか、正確に発信していくことを続ける一年になるだろう。