「人の時間を奪って平気な奴が素敵な空間など提供できる訳がない」
飲食店を営んでいた頃バイトとして雇った子(以下Sくん)が「企業向けセミナー」をするから手伝ってやれと、当時の株主から依頼を受け、名古屋へ。
僕が25か6の時、Sくんは高校一年。自分より丁度10歳若い。
彼は通信制高校を卒業後、全国チェーンのリサイクル店に就職し、
去年の春頃から数店舗の主任を任されている。
しかし今月で退職し、不用品回収業者として独立する。
「自由な時間を作り、原付で全国を旅行しながらご当地ハンバーガー屋巡りをし、海や川で釣りをしたい!」と、
彼は近い将来にしたいことを熱弁する。
そんなSくんは、6年半勤めた会社を辞める直前にセミナーを主催することになったのだが、要はどうやら、定期的に社員へ向けて行われている会合を開く当番が回ってきたということらしい。
それでも彼にとっては最後なので、
普段通り身内の社員だけで型通りのことを行うのではなく、
仕事を通じて自分を成長させてくれた人たちへ感謝を伝えられる良い内容にしたいと張り切っていた。
いつもは直営数店舗の従業員のみが参加するところ、
今回彼はフランチャイズや下請け企業、会社と接点のある複数の会社にも根回しをし、幅広く招集をかけてもらったという。
そして、色んな分野・立場で活躍している5名の登壇者も揃えることができた。
ただ、セミナー参加者全員が会場に集まり、
大人数になるからこそ会場設営や音響に多くの人手を要すると聞いていたものの、コロナが流行っているので、結局現地入りしたのは登壇者の他、
Sくんの店と同じエリア管轄の社員さんが30名もいないくらいで、
それ以外の人はZOOMでの参加となった。
僕がこの手の講演会の運営に慣れているだろうからフォローしてくれと頼まれたのだが、会場の様子をオンライン中継するなんて初めての経験だったので、向こうの期待通り役に立てたかは分からない。
会が始まってからの司会進行は彼を中心に動いてくれたので、後はうしろの目立たない所に大人しく座っていてOK。
他所の会社の職場研修を、こんな形でオブザーブさせてもらえる機会など滅多にないので新鮮だった。
登壇者一人一人のプロフィールや事業内容、理念はそれぞれ興味深く、聞き応えがあった。
最初に彼の元上司だか先輩で現在は不用品買取兼マンション経営者が話をした後、リフォーム業者の下請け(?)、古美術の鑑定士、中古CD/DVD・ゲームの某チェーン店オーナーの順で、確か進行していったが、
最後に取りを飾られた唯一の女性スピーカーの話が、
明らかに別格で何というか、趣が異っていた。
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