重篤状態から抜け出す
骨と皮の場合
気管の誤嚥や、食道消化器官の疾患だと、飲食に制限がかかったり、治療薬による吐き気や下痢や痛みで、食事が満足に取れなくなると、脂肪や筋肉をエネルギーに変えて耐え凌ぎますが、やがて脂肪も筋肉も失い、骨と皮の状態になります。
筋肉を失い外部からエネルギー源が入ってこないと、自力歩行が出来なくなります。自力歩行できなくなったら、些細なことで臓器が停止してしまう可能性が高くなります。
このような重篤状態では、栄養の点滴(高カロリー輸液製剤=TPN製剤)などを受けています。
TPN製剤(割合も細かくある)
⑴ 電解質+糖質
⑵ 電解質+糖質+アミノ酸
⑶ 電解質+糖質+アミノ酸+脂肪
⑷ 電解質+糖質+アミノ酸+ビタミン剤+微量元素
など、様々なTPN製剤セットが用意されているが、やはり経口に勝るものはないようです。成分の割合(希釈度合い)がどのくらいのものか分かりませんが、健康状態の時より低いのは確かなようです。血管に注入するから必然的に慎重になり、控えめな割合になるのは致し方がないことです。
2種類の静脈栄養
末梢静脈栄養 PPN 1週間~10日まで 腕などの末梢静脈から投与
中心静脈栄養 TPN 長期間 心臓に近い太い血管である中心静脈から投与
しかし、せっかくの輸液製剤も身にならないことが多いです。なぜでしょう?
必要なのは栄養ではなく、エネルギーだからです
体力は活力、 活力はエネルギーです
当然、一般的な様々な栄養も不足していますが、必要な順位は1にも2にも「糖質」です。ヒトの場合エネルギーさえあれば、その他の必要な栄養素は体内で作れます。逆に糖質以外の栄養素はあっても体力は少ししか戻りません。脂肪もタンパク質も非常用エネルギーだから少量しか産生しません。
栄養素は資材です。建物で言えば、基礎資材、外壁資材、内装資材なので、現場に資材が100%揃っていても建物が完成するわけではありません。働く人がいて組立て構築していかないと建物は完成しません。働く人がいれば物事は進みます。
資材の中で最もミトコンドリアのエネルギー源として効果が高いのが糖質です。しかし、その糖質は「摂り過ぎはよくない」から「低糖質食品」に変わり、更に「糖質制限」という風に変わり、存在自体が “悪” のような扱いに進化しました。
一般的に摂取する栄養素のうち60%の炭水化物が必要です。TPN製剤の成分内容も、通常必要な内容に合わせていると思うけど、炭水化物は悪だという固定観念が強過ぎて足りていないと思われます。せいぜい可能なのは現状維持だと思われます。そして最大の難関は薬の存在です。
>>> 投薬中だと輸液製剤で得たエネルギーを失う <<<
せっかく得たエネルギーも、薬による副作用を補うために使い切ってしまいます。投薬中の場合は徐々に悪化を辿るだけです。痛みの軽減は、できるだけ薬以外の、体を温める行為で抑えて、薬は最小限でなければいけません。
細胞を動かす力が必要です
糖分は回復する際のスピードアップに繋がります。
エネルギー効率が良いから重症者に効果があります。
「水と塩とブドウ糖」があれば体は回復します。
その他の栄養点滴は微量で十分です。
その他の栄養素は回復した体が作ります。
危機的状況におけるブドウ糖は重要です。
口から摂れないから点滴による輸液製剤ですが、看護しながらの口からの摂取が可能であれば、経口摂取を行うべきです。手間と時間をかけて行うべきです。食べたものを舌で味わうことは大切です。「美味しい」という感触は副交感神経が働き免疫細胞を優位に調整してくれます。
経口摂取なら輸液製剤よりも濃度の高い糖分を摂取することが可能です。看護しながら経口摂取は、十分に慎重に行う必要がありますが、奇跡を行うには他に手がありません。量の目安は患者本人の顔から見える心地よさです。あげ過ぎないように留意してベストを尽くしましょう。
奇跡を起こすのは糖質です❗️
飴玉、ハチミツ、チョコレート、カスタードクリーム、消化器官を使わない糖質摂取で、ミトコンドリアを復活させる。口が糖分で粘つくので緩めの白湯も必要です。自分の力がないので完全サポートが必要です。力がついてきたら消化器官を使うお粥を食べましょう。痛みの軽減は、薬ではなく温熱かマッサージでしのぎましょう。薬物使用は0か最小限に抑える。
以上、「重篤状態から抜け出す」方法を考えてみました。
余談
この考えは、細胞の基礎であるミトコンドリア最優先方式です。
骨と皮と言えば、修行僧レベルのヨガがありますが、あれは論外です。日々の生活を無視した特殊な例です。
呼吸困難の重篤状態から抜け出す方法は、またいずれ考えたい。