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日本で育った移民として誇りを 【immi labスタッフ紹介シリーズ①:日野かおり】

今回から、私たちimmi labに関わるスタッフやボランティアの方を紹介するシリーズを始めます!第一回は事業コーディネーターの日野(ラリッサ)かおりを紹介します。

プロフィール📌 日野(ラリッサ)かおり

ブラジルで生まれ、6歳から滋賀県で育つ。両親とはポルトガル語で話し、日本の学校に通いながら育ち、幼少期から役所や病院で通訳なども経験する。成人したての頃は日本社会で生きていくことにあまり希望を感じていなかったが、さまざまなきっかけを通して「移民がもっと日本に貢献できる環境をつくりたい!」と思うように。現在は、immi labの事業コーディネーターとしてプロジェクトポンテの現場運営や発信活動を担当。最近ハマっているのは「子供の頃に流行っていた曲を聴きながら日記を書くこと」。


他のコアメンバーに、かおりさんってどんな人ですかと聞いたらこのような言葉が返ってきました。

「本質をつくのがすごく得意。仕事も早くてとても頼りになる。」

「いつもたくさんアイデアを思いついてクリエイティブなのに、絵がすごい苦手。ギャップがかわいい。」

「リモート作業が多い活動なのに、パソコンが苦手らしい。どういうこと?笑」


かおりさんが、クラウドファンディングの告知のために個人のFacebookにポルトガル語で投稿されていた内容が素敵だったので、今回こちらに若干の編集を加えて、日本語版をアップさせていただくことになりました。
主に在日ブラジルコミュニティに向けた内容の投稿となっています。

生い立ちなどの背景ストーリーは他のメディアでも発信しており、今回の内容はimmi labとの出会いに焦点をあてたものとなっています。
(生い立ちなどのストーリーはこちらを参考に)

それではどうぞ!


かおりさんの声❤️‍🔥

こんにちは、かおりです。

私は、たくさんのブラジル人と同じように日本で育ちました。ブラジル人の友達と一緒に過ごすのが好きでしたが、日本の文化も大好きでした。でも、高校を卒業したあたりから、何かが変わりました。日本の社会の仕組みが少しずつ分かるようになってきて、私はもう「外国人の子供」じゃなくて「外国人女性」として見られるようになったんです。その変化は本当にショックで、すぐにでも日本を出たいと思うようになりました。それまでお世話になった先生や友達への感謝の気持ちも、経験したことや差別のせいで忘れてしまいました。

大学1年生の時、コロナ禍でずっと家にこもっていました。その間、日本を出たいという気持ちはどんどん強くなりました。3年生になって対面授業が再開されると、また外国人女性としての生きづらさを感じるようになりました。これまでとは違う街や大都市にも足を運ぶようになり、そのたびに自分が外国人であることを意識させられました。

日本を出たいという思いがピークに達していた頃、外国人の若者を支援する人たちの話を聞く機会がありました。ある大学の授業で、私だけが受講者だったので、先生とマンツーマンで話すようになったのです。その先生が、授業の度に毎回、外国人の若者を支援する団体に関する新聞の切り抜き記事を私に見せてくれたんです。最初は、「どうせ義務でやってるんでしょ」「本当は私たちのことなんて気にしてないんだ」「私たちの苦労なんてわからないんでしょ」なんて思っていました。でも、日が経つにつれて、「なんで彼らは私たち外国人を助けてくれるんだろう?」という疑問がわいてきたんです。

そんな中、卒業論文を書く時期になりました。ポルトガル語で書こうと決めたのですが、同じゼミでブラジル人の若者を支援したいと思っている日本人女性に出会いました。話を聞くうちに、少しずつ彼女の気持ちがわかるようになりました。ある日、彼女が日本に住むブラジル人の若者を支援する団体を紹介してくれて、その代表者と会わないか、と誘われました。正直、その時はまだ「彼らには私たちの経験なんて分からない」と思っていました。でも、「なんで日本人が少数派であるブラジル人の若者を助けようとしているんだろう?」という好奇心もわいていたので、会うことにしました。

その団体の代表は、アメリカに13年間住んでいた経験があって、移民としての苦しみや、見た目や国籍による差別を直接感じたと話してくれました。日本人からの差別を恐れていた私にとって、彼女との話は心が温まるものでしたし、「理解されている」と感じました。

でも、それ以上に感動したのは、支援プログラムに参加している若者たちの姿を目にした時でした。そのプログラムでは、若者たちをサポートするメンターがいて、その全員がボランティアで活動していたんです。
困難な状況にあっても目標を達成しようとする若者たちを見て、私は自分のことが少し恥ずかしくなりました。私は大学に通って自分の目標を達成しようとしていましたが、夢を諦めてしまった若者たちはどれくらいいるんだろう?日本のシステムを知らないせいで、またサポートが受けられないせいで、大きな可能性を持ちながらも夢を諦めてしまった若者たちは、どれくらいいるんだろう?

そんなことを考えているうちに、先生たちが今まで私に丁寧に教えてくれたことや、親と一緒に通訳を介して何度も先生と話をしたことも思い出しました。漢字の覚え方を教えてもらったり、志望大学に行くためのアドバイスをしてもらったりしたことが、頭に浮かんできたんです。
その時から、日本から逃げ出したいという気持ちは少しずつ消えていきました。私は日本社会に恩返しをしなきゃいけない、今度は私が、同じような生きづらさを感じている若者たちを支えなければいけない、そして、彼らが日本で育った外国人として誇りを持てるようになる姿を見たい、そう思うようになったんです。

それで私は、このimmi labの活動に参加することに決めました。日本社会への感謝を込めて、日本に住む外国人の若者たちを支援する一助になりたいと思ったんです。

今回のクラウドファンディングはとても重要です。多くの日本人が寄付をしてくれて、移民ルーツの若者たちに励ましのメッセージを送ってくれています。大学での学びだけが成功の道ではありませんが、クラウドファンディングなどを通して励ましてくださる皆さんからの協力は、すべての若者たちに大きな力を与えてくれます。集まったお金は、在日ブラジルコミュニティの若者たちに多くのチャンスを提供することに繋がります。そして、彼らが一人ではないということに気づいてもらえると、私は信じています。クラウドファンディングには、目標金額を達成すること以上に大切な意味があるんです。これは、ルーツが違う人々が団結して、若者たちが夢を達成できる日本社会を築く、というものだと思います。

いつか、日本に住むブラジル人としてのアイデンティティに誇りを持てる日が来ると信じています。私たちは日本では少数派かもしれませんが、支援してくれる人は日本中で日々増えています。
寄付ももちろん大切ですが、このクラウドファンディングのことを周りに広めることに、もっと大きな意味があります。在日ブラジルコミュニティの一員であることを誇りに思い、是非協力してください!


若者たちに大学案内をするかおりさん

かおりさんに初めて出会った時、代表のみほは正直「活動にあまり興味持ってくれなさそう」と思っていたそうです。でもその後、とにかく時間を一緒にたくさん過ごし、色んな話をすることでお互いの本心を伝え合うことができ、「かおりちゃんとimmi labの運営できたらやばいことになりそう(良い意味で)」と感じるようになったそうです。

最後に、かおりさんに今頑張っていること、今後やってみたいこと、をお聞きしました。

個人的な面で言うと、苦手克服に励みつつ得意を伸ばすということを頑張っています。immi labについては、大きなイベントなどの企画に力を入れています。
また、より多くの活動をするべく事業収益を伸ばしたいという思いがあるので、アイデアを出すのはもちろん、実行のために必要なことを考えたり、準備したり、ということをこれからもっと積極的にやっていきたいです。

immi labの活動について紹介するかおりさん

いかがだったでしょうか?
今後もimmi labに関わる素敵な皆さんの紹介を順番にしていく予定です。

ぜひフォローや拡散よろしくお願いします!



クラウドファンディング終了9/7 23:59まであと少し!
ぜひご協力お願いします!


#移民ルーツ #ブラジルルーツ #誇りを持って生きる #スタッフ紹介 #仕事での気づき #一歩踏み出した先に

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