巡礼22日目 in サリア(0km)サマーホリデイ、時間の不思議
🏠sarria
ああ、しあわせ。
サンチャゴデコンポステラへの残り約100キロを前に、はじめて移動無しの完全な休憩をとった。昨日宿泊したアルベルゲをチェックアウトしてから、この日宿泊予定のアルベルゲのチェックインまでだいぶ時間があったので、近くのカフェで時間を潰すことにする。
カフェはあさから地元の老若男女で混んでいた。カウンターの中では女の人がひとり、テキパキと忙しそう。私はカフェコンレチェを注文して、窓際の小さい席でぼんやり外を眺めたり書き物をしたりして過ごす。
こういうの久々だなあ。昔から喫茶店の窓際で道行く人を眺めるのが好きで、よくやってたんだけどな。ここのところできてなかったな・・・じんわりと、しあわせを噛みしめる。
日記を書こうと思って持参したノートも、毎日クタクタになってしまって、ここまで一度も開きもしなかった。「どういう街をたどってきたのかな?」初日から振り返ってみると、「あれ、これってそんなに前だったっけ??」時間の経過が自分の意識しているものと全然違っていて、夏休みとか遠足みたい。
歩き始めてからだいぶ後のことだと思っていたら、はじめの数日中の出来事だったり、随分前のことと思っていたらまだ1週間たっていなかったり。わあ、この感じも超久しぶり・・・ふわっと気分がやわらぐのを感じる。「もう少しこの時間を味わいたいな!」ということで、ドロンドロンのチョコラータを追加注文して、「はあー、しあわせ〜!」
ボンヤリ時間が心地よすぎて、まだまだ名残惜しかったけど、アルベルゲのオープンにあわせて店を出た。坂を登り続けて、サリアの街を一望できる高台まで、馬がいたりヤギがいたり、どんどんひと気なく静かになっていく。
途中、車がカモメ?のフンでドット柄みたいになってて、なんか面白くて笑った。日本でここまでフンだらけの見たことないし、とにかく一撃がデカい。道なりに何台か連なってたから、ここ停めてるとくらうんじゃ?ってエリアなのかも。ちなみに、カミーノではシトロエンとかワーゲンとかに混じって時々トヨタやマツダを見かけた。車に興味のない私も、異国の地で知り合いに遭遇したような気分になって、ナゾの親しみを感じる。
アルベルゲは雰囲気のよい修道院の建物で、中庭もきれいだし静かでとても好きな感じだった。ぐるっとひとまわりしてから、お昼早々シャワー&ランチ。キッチンは広々していて、コンロ2つ使いの勝手の良さにひとり盛り上がる。「ご自由にどうぞ」のニンニクを使ったら、オイルサーディンのトマトパスタがグッとおいしいなー!「やっぱニンニクだよ!」って、こころが大きく頷く。
夕方、街を散策中にアンティークショップを発見して、「サリアって都会なんだなあ。」とか思いながら、ショウウィンドウをまじまじ。本当は中を覗きたかったけど、何か見つけてしまったら買いたくなっちゃいそうで、スルーしてスーパーへ。あしたのフルーツ、ミネラルウォーター、ついでにドーナツを買った。念願の爪切りも購入(爪が伸びてきちゃって気になっていた)。
夜はこの日サリアに着くケイシーとごはんを食べる約束をしていたので、バーが立ち並ぶエリアで待ち合わせ。少し肌寒かったけれど、外の空気に触れていたくて迷わずテラス席に座った。知った人に会ったり、お祭り?で仮装した人たちのパレードがあったり、思いがけず賑やかな1日だったな。ようやく念願のプルポ(タコ)を食べられてうれしい。
いつもならまだまだ明るさのある22時。ケイシーと別れて、空一面に拡がった雲のせいで薄暗いサリアの街をほろ酔いで歩いていると、なんだか無性にワクワクしてきた。
「あしたから6日間歩いたら、いよいよサンチャゴかあ!」
緊張なのか、意気込みなのか?胸のあたりがグッとなって深呼吸しなおす、あの感じがする・・・
この日、不思議な夢をみた。修道院に泊まっているから?と思うような。
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