#17 フェード時代 未経験から目指す船バーバー
みなさん、おはようございます。
ついにマニラ最終日を迎えたケントです。
ワーホリ先のニュージーランドではmateと呼ばれていたのがbroに変わったフィリピン。
Sirよりか親しみやすくカジュアル。
どちらにせよ我々日本人にはあまり馴染みのない総称。
日を追うごとにストリートフードが美味しくなってきたこの頃。
オレンジ色の衣をまとったうずらの卵揚げ、柑橘ピリ辛ソースが美味しい。
ガーリックスパイシーソースでいただくシュウマイ(スペルはSiomai)はおそろしいほどお米とあう。
おねぎをたっぷりかけたもつ汁にガーリックライスの組み合わせも悪くない。
これまではあまりスイーツに手を出してこなかった筆者。
世界にはこんなに美味しい甘いものがあるのか。
こういった出会いがあえうから旅がやめられないのだろう。
あまりにも衝撃的だったバナナ春巻き Turon!!!
なんじゃあああこりゃあああ。
全身に電流が走った。
外はパリパリ、とても薄くクランキー。
中には完熟ながらも芯のあるバナナがとろける。ほんのり香るクリームチーズ。
揚げたてはもちろん、冷めても美味しい。
恐ろしい味、、、毎日でも食べたいではないか。
お店によってけっこう味が違うのもおもしろい。
ソルティーハニーソースをつけて食べるとこもあったり。
味で勝負するのがストリート。大事なのは見た目ではない。
朝から晩まで米米米。
そしてスイーツの存在を知ってしまった今。
無意識の内に揚げ物ばかりのフィリピンライフ。
コーラよりもバブルティーよりも飲むべきはお水。
この罪悪感はジムもしくは断食で消化するしかない。
お米とチキン、マッシュルーム風味のソース、グレイビー。
この3つが奏でるハーモニーの最上級を提供するお店
FIVE STAR CHICKEN !!!
五つ星だなんて謙遜しすぎ。
冗談抜きで100スター!!!
まずお米が抜群に美味しい。
チキンのサイズも味つけも申し分ない。
スパイシーとオリジナルの2つにお米2個つけて130ペソ(360円)。
プチご褒美に最適。
日本に帰っても食べたいチキンとチュロンであった。
11月中旬の乗船が確定。
ほぼ同じタイミングで無事船員トレーニングSTCW全コースが修了。
肩の荷が少し降りほっとした気持ち。
あとは必要書類を忘れず船に持っていこう。(一回メディカル忘れた前科あり)
これで乗船まで一安心かと思いきや…
中国の上海から乗船のためビザ申請が必要に🇨🇳
最後の最後、、、2カ月前にラスボス出現。
世界屈指の最強パスポートにビザ制限をかける国へこれから行くのだ。
申請書に書く個人情報量も桁違い。
オンラインでは完結せず、写真を貼ってビザセンターに直接出向かなくてはいけない。
発給もビザセンターへ。
改めて思う。
船は乗るまでが大変。
船員トレーニング以外でマニラに来たのにはもう一つ理由があった。
クルーズ船で半年間働く我らにとって
散髪は死活問題。
グルーミングにはちょいと厳しい客船において、少なくとも1ヶ月に1回はメンテナンスが必要なメンズヘア。
もちろん外出したタイミングで髪を切ってもいいけれど…言葉の壁もあれば仕上がりのイメージの違いもあるだろう。
実際ヨーロッパコントラクトでのこと。
外出したドイツの港町、Googleマップで調べたらトルコ系バーバーで髪を切ってみたけれど結果はイマイチ。
船で切った方がいいという結論に至った。
①船内のスパでプロに切ってもらう
②副業バーバーのクルーに切ってもらう
①の場合、相当な値段する。
予約も必要。クルーディスカウントを加味してもUSD50以上はかかるだろう。
②の場合、勤務終わりの夜9時〜11時くらいまでクルーエリアにてクルーが副業として髪を切ってくれる。
顔剃込み$5〜$10レンジ。
そのほとんどがなぜかフィリピン人クルー。
本業はウエイターだったり人それぞれ。
その時からバーバー🟰フィリピンという不思議なコネクションが完成。
船内に5人ほどは常時いると思う。
クルー歴の長いベテランバーバー経験者はほぼプロ並の腕。
顧客を持ち予約制をとっていたりする。
そしてチップに比べ安定した副収入。
基本給、ベーシックサラリーを全て貯金にまわせる勢いだ。
毎コントラクト、違う船に乗れば、同僚は入れ替わる。バーパーも同じ。
スキルのあるバーバーを探すのがコントラクトはじめの日課だった過去。
これまではクライアントとして当然の如く髪を切ってもらいお金を払う側だったけれど。
下船してしばらく経ってふと気づいた。
せっかくまた船に戻るチャンスを得たなら…
バーバーになりたいと。
もしかして、、、
未経験の自分でも髪を切れるようになるのでは???
そんな血迷ったアイデアを実現するため。
トレーニングが出来そうなバーバーショップを探した。
#バーバー 、#マニラで絞った結果フォロワーが多くセンスの良さそうなバーバーを発見!
JZ BARBER SHOP
DMを送ったら意外にもすんなりアポ獲得。
英語が通じる国はこういう時ありがたい。
そうして8月初旬、希望を胸にやってきたマニラにタッチダウン。
船員トレーニングSTCWの前後、オーナーのYESでトレーニングを受けれることに。
店舗の場所はメトロマニラ郊外のQuezon city
マラテエリアのOLA HOSTELからはバスで約1時間半のプチ旅行である。
選ばなければ100〜150くらいが相場のローカルマニラ。
JZはカットが250ペソ(700円)。
4席の店内は多い日で1日30人以上来る日も。
そして多くのお客さんがカット終わり50〜100ペソのチップを渡し退店していく。
Good job, Broといったところ。
フィリピンポップミュージックが大音量でテレビから流れる店内で彼らは終始笑顔。
お店のフレンドリーな雰囲気もTHEフィリピン。
Fade Style
今回習うのはフェードカットというクリッパーの基本形。
0mmからガードの長さを調整し美しいグラデーションで仕上げるメンズのベリーショートヘアスタイル。
J-popの影響もあるのか人気沸騰中。
ちょっといかつい印象に仕上がりがち。
覚えなければいけない名前も多い。
クリッパーとはバリカンのこと、他にライナー、トリマー、シェーバーなどなどを駆使し紙の毛の長さをブレンド。
クリッパーの教科書 Faded Culture
役に立つのはまたしてもYoutube。
チュートリアルをたくさん観ておおまかな流れを理解。
AからZまで分かりやすく解説してくれる有料級ビデオ。
船で自分がバーバーになっている姿を妄想。
新しい会社、船なので全く想像出来ない。
Amazonでバーバーセット一式購入しいざ!!!
インプットからアウトプットに。
同僚バーバーのメンテナンス刈り上げを手伝うのでやってみなよと
クリッパーを手渡された筆者。
いざ人の頭を前にしたらパニック寸前。
クリッパーを持つ手が震える…これはまずい。
みんな初めはそうだから、集中して学べば出来るようになるよ。
2年後にはプロバーバーだ。hahah
現在2店舗のオーナーを務めるMartosは優しくそう言ってくれた。
彼は同い年にして2児の父。
マニラの高級バーバー(日本のトップサロンと同じ価格帯)で腕を上げ、ドバイのバーバーでも働いていたプロ中のプロ。
イタリア製クリッパーGammaのアドバイザーでもある。
そんな経歴の持ち主のマンツーマンレッスン。
頑張らないと逆にもったいない。
まずはクリッパーの握り方、正しい動かし方から徹底
動きを真似る努力。
クリッパーの刃が髪を削る時の音、スキバサミのリズム。
当たり前のように髪を切る理容師、美容師さんのスキルは努力の賜物。
仕上げはボスに手伝ってもらいつつも3日で10人の髪を切ることが出来た。
ゼロから1へのステップと言えるだろう。
クリッパーからハサミ、一連の流れを掴めたのは大きな成果。
自分の腕、スキルでお金を稼ぐのは簡単ではない。
ただ夢がある仕事でもあるのは間違いない。
技術は一定の時間をかけてこそ身につくもの。
ここ数年、お世話になっている新大久保の韓国バーバー、セムさんへのリスペクトを再確認。
ただ今はスキンフェード、、これまでのような韓国風パーマロン毛までまた長い道のりだ。
せっかく学んだフェードスタイル。
腕を上げるため知り合いや友人、誰でも構わないので今後髪を切らせてくださいと頼むことになるだろう。
というわけでカットモデル募集中です。
乗船まで残りされた2ヶ月は名古屋港にあるアミューズメントパークホテルで働くことに。
またお世話になるリゾバ…配属はいつも通りレストラン。
どんな風に働けるのかちょっと楽しみ。
船での生業はバーウエイター、そして裏の顔はバーバー。
どうしても実現させたい船での二刀流。
おもしろいことになってきた。
バリスタ、そしてバーテンダーとゲストをつなぐバーウエイター。
ラグジュアリークラスに恥じぬF&Bサービスを提供するためこちらも日々勉強。
どちらにも共通する大事なことは接客、コミュニケーション。ゲストとのトーク!!!
楽しい時間の共有、それが満足し感謝されたらこちらも嬉しい。
そんな流れを自分の手で作れるように。
旅は続く。
最後まで読んでいただきありがとうございました!