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小説やそれっぽいものを書きます。気分次第で。

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マガジン

  • 阿波しらさぎ文学賞応募作

    徳島文学協会と徳島新聞社が主催する「阿波しらさぎ文学賞」の応募作です。 すべて一次選考落ちですが、感想、ダメ出しなどいただけると嬉しいです。

最近の記事

ブンゲイファイトクラブ5 1回戦全感想

はじめに  この記事を目にする人はBFCを知っている人たちばかりだろうとは思うけど、念のために言っておこう。BFCとは6枚の作品を複数のジャッジが評価して勝敗を決するトーナメント方式のイベントだ。  特に個性的なのはジャッジもファイターにジャッジされて、トーナメントが進むにつれて減っていき、決勝では2人のファイターと1人のジャッジが衆目の監視下で対戦と判定を行うという、胃粘膜と血圧に優しくない危険なものなのである。  くわしくは公式HPをご覧ください。  このお祭り騒ぎ

    • ブンゲイファイトクラブ4 決勝感想

      草野理恵子さん『言ったり思ったり詰まったり』 よう分からんけどなんかいいなと思いつつ、キャベツ人間の顔を想像しながら読み進める。足の裏に感じる青虫の感触、潰れて溢れる体液がリアル。 「まあいいかと思うために」「やりすぎないといけない」という言葉にひっかかる。何をそんなに、まあいいと思わねばならないのか。 キャベツの脚はキャベツなのだろうか。脚がキャベツでできてるのだろうか。腐るのも私の勝手、雨に濡れるのも勝手。穏やかな景色と不穏な感情が共存する世界。 耳を切り落とし、耳

      • ブンゲイファイトクラブ4 準決勝感想

        草野理恵子さん『雰囲気しりとり』 草野さんの詩は以前から好きだが、理解できるかというとさっぱり理解できない。 理解という前頭葉を飛び越えて大脳辺縁系に染み込んでくる、なんかええ感が好きの根拠だ。 さてこの作品はどうだろう。 【→窓&落ちる→】 最初の【→窓&落ちる→】が最後にもあることから、これは無限ループで繰り返すのだろうというのは理解できる。地球最後の日と知っているのは私だけということは私がタイムリーパーで何度も最後の日を経験しているのだろう。 「今日はなぜかみんな仲

        • ブンゲイファイトクラブ4 Cグループ感想

          奈良原生織さん「校歌」 時間経過について整理する。 作中の時間が新学期とすれば先生が逮捕されたという2ヵ月後は6月か7月。 浪人や留年をしていないとすれば18歳で大学入学。22歳で卒業、就職。翌年異動なので現在23歳か、誕生日を迎えていたら24歳。 逮捕時点で3年間の無免許ということなので本来更新すべき年は20または21歳となるが、自動車免許を取得できるのは満18歳(高3または大学1年)からで、初回更新は取得から3回目の誕生日の1ヵ月後なので21歳の誕生日(大学3年)の1ヵ

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        • 阿波しらさぎ文学賞応募作
          3本

        記事

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          慕念島 ─ 島アンソロジー『貝楼諸島より』参加作品 ─

          ¥100

          慕念島 ─ 島アンソロジー『貝楼諸島より』参加作品 ─

          ¥100
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          第10回六枚道場感想

          Aグループ 1.「身につけるもの」草野理恵子 1頁目から強烈なビジュアルが頭に刻みつけられる。前半はハイヒール、ピンヒールで立つことの不安定さを、後半は相同と相違を書いているのか。  なんでもつい意味を解釈、理解しようとするのがわたしの癖だが、これは浮かぶ場面を眺めて自然に浮かぶ感情を楽しむ作品かなと思った。  ただ、ヒール、お面、ひばり(籠鳥の象徴か)、ロープ、タイツなどといったキーワードから、束縛される女性の閉塞感が感じられて良かった。 2.「王水」田中目八 いなつるび

          第10回六枚道場感想

          ブンゲイファイトクラブ2 1回戦作品感想

          今回はちょっとしか感想書けそうにありません。 まとまるのを待つとアップできないので、随時更新します。 https://note.com/p_and_w_books Bグループ 「今すぐ食べられたい」仲原佳 はじめ牛の独白がくどいなあと思った。内容に目新しいものはなく、単に牛肉好きな人間の語りと変わりないのではと。そう思って再読すると、確かに牛の心情が描かれているが、独白ではなくて第三者視点の文章だった。それを独白であるかのように感じたということは、知らないうちに描かれて

          ブンゲイファイトクラブ2 1回戦作品感想

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          来世巡り

          来世巡り

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          小僧の勝手

          小僧の勝手

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          からくり

          からくり

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          たずね人

          たずね人

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          第4回六枚道場感想

          ・感想というより分析のようになってしまうこともありますが、そういう読み方をしたというのも含めて感想のつもりです。 ・途中から簡潔になってしまいましたが、単純に時間的余裕の問題で、好みの問題ではありません。 ・Cグループに自作解説を載せました。長文&ネタバレですので、とばしたい人は目次から「自作解説をとばす人はこちら」をクリックしてください。 Aグループ1.「ピンキーリリーの指の先」原里実  穏やかな口調で有無を言わせず妻の人格を否定する夫の描き方は、背筋を凍らせる。 私は

          第4回六枚道場感想

          「ふれる」(作:紀野しずく)感想(ネタバレ注意)

           付箋が意味を失った。  好きな表現に付箋を貼りながら何度も読んだらどんどん増えて、付箋部分を読み返すのと全文再読するのと大差なくなった。気が付くと読者のわたしはそれほどまで、主人公の私に寄り添いたくなってしまっていたのだった。  状況設定はありきたりではないが斬新とまでいえるものでもない。しかし私の苦悩は真に迫り、いつしか引きずり込まれてしまう。聞くところによると、ノンフィクションではないが作者の実体験をベースにしたものらしい。だからこそのリアリティーだろうが、一方でこれ

          「ふれる」(作:紀野しずく)感想(ネタバレ注意)

          ブンゲイファイトクラブ タイセンE 感想(一部・随時更新)

           私は本戦の1回戦から決勝まで一応全作品の感想文を書いたのだけど、振り返ってみていろいろと反省すべきところや気付いたこと、学んだとことがあり、そういう意味でこの企画そのものや主催者、ファイター、観客に感謝している。  そして本戦開催期間中にもタイセンEという面白そうなものがあるのは知っていたが、とても読む時間がないので捕まらないように距離を置いていたら、いつの間にか消えてしまった。  別に失われたからという訳ではないのだが今さら気になって、親切にもtwitterで読めるよ

          ブンゲイファイトクラブ タイセンE 感想(一部・随時更新)

          ブンゲイファイトクラブ決勝感想

          最後に、追記という名の補足とこのイベントの感想を書き加えました。 「【ほぼ百字小説】(1783)」北野 勇作 唖然……。こう来たか。ただでさえ字数制限のきつい掌編対決で、これだけの字数を残して終えるとは。独特の間をとるスリムクラブがM-1グランプリで、「時間もったいなないんか」とツッコまれていたのを彷彿とさせる。  もちろん作者はこの作品そのものに勝負する力があると信じて出したのだろうし、わたしも同意する。しかしそれと同時に、ジャッジはもちろんこれまで1回戦からの戦いを見て

          ブンゲイファイトクラブ決勝感想

          ブンゲイファイトクラブ準決勝感想

          時間がなくて読めていなかった。スマホのブラウザーに作品ページを表示させながら、いつか読める時をと狙い、電車の中で読みかけては寝落ちし、風呂につかりながら読みかけては水没させ(防水で良かった)、やっと昨日から読んだ。 どうやら結果発表もあったらしいけど、それを目にしないように読み終えて、簡単だが感想も書いた。 今回の二つの対戦は、主観だが割と簡単にどちらが好きかと選べた。 全部読んで痛感したのは、四名ともこれまで本当にたくさん書いてきたのだろうなということ。基礎体力を感じ

          ブンゲイファイトクラブ準決勝感想