ツワモノ、武器を選ばず。されど好みはありけり【武器の好み】 #4
前回からのつづき。
ここまで、好きな武器のことを好きなように話してきたこのシリーズ。
今回は予告通り、中〜遠距離武器についてお話していきたいと思う。
突然だが、私はフレンドとAPEXをやると少し悲しい気持ちになることがある。
「え、3スコ(3倍スコープ)?いらんいらんwww」
そう、中距離スコープの要不要を鼻で笑われてしまう瞬間である。あんなにも使いやすく見やすいスコープなのに、なぜ採用されないのだろうかといつも首をかしげる。
調べてみると理由は簡単で、PADでは「エイムアシストが有効な最長のスコープ」が中距離スコープであり、6倍以上のSR用スコープにはアシストが付かない。キーマウではどのスコープにもエイムアシストがかからないため、中途半端な距離しか見られない中距離スコープは敬遠される、ということらしかった。
とはいえ、スコープはそもそも好みの問題が強い話なので、そこまで過敏になる必要はないのかもしれない。
今回は「G7スカウト」と「ロングボウ」にフィーチャーしていきたいと思う。
1. 《元・ダメージ稼ぎ頭》G7スカウト
FPSとしてのAPEXの特徴のひとつに、「一撃で敵をダウンさせる方法はクレーバーのヘッドショットしかない」というものがある。
これには、いわゆる「凸砂」を防ぐ効果があり、武器それぞれに設けられた得意な交戦距離を保つために設定されていると考えられる。
凸砂……スナイパーを持って前線に突撃すること。
タイトルによってはSRは胴撃ち1発で致命傷となるため、前線で取り回した方が強い場合がある。戦術的にもゲームバランス的にも賛否両論。APEXでは原則御法度だが、初動は除く。
前シリーズでも少し触れたが、APEXは敵の体力が高いゲームであり、誰もが平等に回復手段を持つため、敵をダウンさせた距離が遠すぎると容易に復活されてしまう。
それどころか、射撃音によって自分たちの居場所が露見するため、漁夫を呼び寄せる原因にすらなり得る。
APEXは遠距離からSRを撃ち続けて勝てるゲーム性にはなっていないため、中〜近距離にかけての「全員で敵3人を倒し切る力」が非常に重要となる。しかし、何の策もなしに距離を詰めていくわけにはいかない。
そこで有効なのが中距離での交戦だ。
敵と付かず離れずの距離で撃ち合うことになるこの距離で、非常に強力な性能を持つのが、最初のテーマである「G7スカウト」だ。
私がこの武器に初めて触れたのは、シーズン3の後半だったように記憶している。その頃はまだスナイパー枠であったため、4〜8倍スコープを装着できたりした。
やはりというか、推しの配信者に影響されて練習することにしたのだが、その扱いにくさは、かのウィングマンに匹敵するものがあった。
単発式でありながら発射レートが速いため単純にエイムが難しく、ライトアモは弾が落ちやすいことから、敵との距離を考慮して偏差を入れなければならないのである。
この「偏差撃ち」が本当に私を悩ませた。弾丸がどう落ちるのかわからず、全く弾が当たらなかったのである。
というのもこの武器、最速の発射レートで射撃し続けると、制御不能レベルの横反動が発生するため、4〜5発ずつ撃つことが基本となる。
しかし、当時初心者だった私にそんな知識などあるはずもなく、ひたすら最速連射してひたすら弾を浪費していた。
私は基本的に、取扱説明書を読まないタイプである。そして後日目を通し、1ページ目に書いてあるようなお役立ち情報をまるっとスルーするタイプである。そしてそのお役立ち情報が、その商品のウリだったりする。
なので当初、G7には等倍サイトを付けていたし、R-301の交戦距離でも遠慮なく体を出して撃ち合っていたし、そもそも一方的に撃ち下ろせるような好立地を確保するような能がなかった。
そして「この武器、実は弱いのでは……?」と最低の言い訳をし始めた頃、私の推しが突然こんなことを口にした。
「スコープのレティクルに書いてある数字で、どのくらい弾が落ちるのかわかりますよね~」
「なん……だと…!?」
完全にアホである。
そんなわけで偏差撃ちを知識と経験で覚えていった私は、徐々にG7という武器を理解し始め、前項でも述べた通り、その後初の2000ハンマー獲得に大いに貢献してくれたのであった。
その後はトリプルテイクの台頭などもあり、しばらく手にする機会を失っていたものの、あの時撃った数千発の記憶はしっかり残っており、困った時はお世話になる駆け込み寺的存在になっているのだった。
2. 《本当は中距離武器だと思う》ロングボウ
キッカケはカジュアルでの一戦。まだ初心者だったその頃、初動ファイトが始まる直前、目の前の武器がロングボウだったことがあった。
初動ではよくあることだと思う。辺りを見渡すが周囲にスコープはない。SRを撃ち下ろせるような高台でもない。サブ武器はなし。
「もうこれで戦うしかない!」
腹を括った私は素早くロングボウを手に持ち、目の前の扉が開いた瞬間、射撃した。
『パリィン!!(118)』
「は?」
敵は武器を持っていなかったのか、そのまま自分に突っ込んでくる。そこをすかさずパンチ!
敵はいとも簡単にノックダウンしていった。
……完全にビギナーズラックなのだが、初動でSRを拾ってしまった際の立ち回りについて勉強しようと思わせてくれた出来事として、今でも自分の中に刻まれている。
本当にごく最近(S9スプリット2開始時)の話なのだが、ロングボウにものすごくハマっている。
トリプルテイクが物資武器に格納されたうえ、スピットファイアの中距離運用が強力な現環境において、私はG7の発射レートに物足りなさを感じていた。
多くの弾を当てなければならない性能ながら、単発式のため体を長く敵に晒さなければならないため、スピットファイアとのダメージレースになかなか勝てなくなってしまっているのだ。
現環境では、中距離スピットファイアとまともに殴り合える武器はあまり選択肢がないように思える中で、私が目を付けたのが「ロングボウ×中距離スコープ」の組み合わせだった。
胴撃ち55ダメージという高威力&落ち着いた発射レートから、G7のように体を晒し続けることなく的確にダメージを与えることができるため、あの暴力的弾幕に対抗できるのではないかと考えたのである。また弾速も速いため、敵の隙を見逃しにくいこともメリットだと感じた。
なぜ中距離スコープをつけるのかと言えば、単純に好みの問題が大きいものの、「スピットファイアと正面から撃ち合う」ことを念頭に置いているので、同じ距離感で戦うことにこだわった結果である。
また、ロングボウというチョイスについても、G7とほぼ同じ距離感で戦えるため、運用感覚がそこまで変わらないことが大きく影響している。
今のところ、この目論見は上手くいっている(と思っている)。
自分が使っていてもそうなのだが、スピットファイアはその弾幕を有効活用しようと、ついつい甘えた顔出しをしてしまうことがある。1マガジンを打ち切ってしまおうとするためだ。
中距離ロングボウを使い始めてから他のプレイヤーにもその傾向があることに気が付き、こちらが遮蔽を意識しさえすれば、きちんとダメージレースに勝つことができる。体感勝率はかなり高いように感じており、ランクマッチでの採用も視野に入るレベルだ。
もちろんデメリットも複数ある。アタッチメントは専用のものを集めなければならないし、スピットファイアと違って近距離腰撃ちで戦えるような武器ではない。万が一、SGの距離に持ち込まれるようなことがあれば絶体絶命である。敵が得意な交戦距離に入る前に倒し切ってしまうのが理想だ。
そもそも論、現在ランクマッチの舞台となっているオリンパスは遮蔽が少なく、1度スピットファイアを撃ち下ろされるようなポジションを取られてしまうとまともに撃ち合うことができないため、武器よりもポジション選択に意識を置いた方がよいのは言うまでもないだろう。
今回はここまで。お読みいただきありがとうございました。
次回は武器シリーズの最終回。
超至近距離戦闘を支えるショットガンについてお話しできればと思う。
S9現在、ショットガン環境は混迷を極めている。
マスティフの弱体化、ピースキーパーの復帰、EVA-8の相対的強化、SMGでの代替案など、特定の武器に環境が偏っていないため、様々な意見が混在しているからだ。
私は最近、近距離はSMG主体での戦い方にシフトしてきているが、かつてはマスティフ1本で1パーティを潰すような戦いをしていたものだ。今やマスティフにかつての面影はない。実用とロマンを兼ね備えた勇姿をもう1度拝みたいものだ。
前シリーズはこちらから!
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