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ツワモノ、武器を選ばず。されど好みはありけり【武器の好み】 #3

前回からのつづき。

今回は前回お話した通り、現在私のメイン武器となっているフラットラインと、元祖玄人向け武器・ウィングマンについてお話していきたいと思う。

どちらも昔から根強い人気を持っている武器であるが、特にウィングマンについてはその性能と引き換えにした扱いにくさと、トップ選手が華麗に扱う様からロマン武器としての側面も強い。

また、謎の強化が入ったのち即ナーフを食らったスピットファイアに代わり、ヘビーアモ使用武器最強格としていよいよ表舞台に躍り出たフラットラインは、私もシーズン9になってやっとその強さに目が覚めた形だ。

まずはウィングマンから話していこう。私はPS4からPCへの移行勢のため常にPADでプレイしているが、「PADでウィングマンはPADの強みが出ない」とよく聞く。

しかし、それは私がウィングマンを握らない理由にはならないのである。


1. 《弾を当てる喜び》ウィングマン

結論から述べよう。

「ウィングマンは楽しいから使う」

正直、この一言に尽きると思う。

APEXを始めた当初、何の要素がここまでこのゲームを楽しく感じさせていたのか振り返ってみると、「銃を撃つ楽しさ・弾が当たることの快感」が強かったことに思い当たる。

なぜゲームをプレイするのか。人によって様々な動機があると思うが、私はその中の一つに「非日常を体験できるから」というものがある。

話は少し飛ぶが、一昔前、今でいう「コンカフェ」の中に、お皿を自由に割ってストレスを発散できる店舗があったことをご存じだろうか。
(調べたら10年前のネット記事に行き当たった。だいぶ昔に閉店しているようだ……)

大声で叫びながら、思い切りお皿を床に叩きつけて割ることができるこのカフェには、ストレスを抱えた社会人が来店し、日々の鬱憤をお皿に託して叩き割っていたのである。

誤解を恐れず大胆に端折ってしまえば「破壊はストレス発散になる」

「FPSゲームで銃を撃つ」という操作は、このリアルでは実現し得ない破壊の代替となってストレスを発散させ、快感を与えてくれているのはほぼ間違いないと思う。

そして、この銃を撃つという非日常を強く感じさせてくれる武器。
それこそがウィングマンという存在なのである。

単発式で高威力のマグナム。こう聞いて魅了されないFPSプレイヤーがいるだろうか。
ウィングマン独特の射撃音、ヘッドショットの一撃でアーマーが割れた瞬間、連続ヒットで理論値を叩き出したノックダウン。

ウィングマンを構成するその要素全てが、「FPSゲームをプレイする楽しさ」のほとんどを実現してくれているのだ。正直、惚れないわけがない。

性能的な側面から言えば、お世辞にも強いとは言えない。
装弾数は最大でも9発と最少レベル。1発45ダメージと破格の数値ながら、単発式かつハンドガンであるため扱いが難しく、スピットファイアを腰撃ちしている方が断然強いと言い切れる。

ウィングマンを構えているときのあの独特の緊張感は、プレイから1年以上が経った今でも消えることはない。

一方「装弾数が少ない=弾保ちがいい」とも捉えることができ、弾薬でバッグが圧迫されないため多くの回復やグレネードを携行することができる、という大きなメリットも存在する。

それ故、上級者であればあるほど採用するプレイヤーが多く、中でも有名なのは、日本のプロゲーミングチーム「CRAZY RACCOON」に所属する、APEX部門のSelly選手であろう。

引用 https://www.youtube.com/watch?v=tU7BZxUJ10Y

さすがに公式世界大会ALGSでは、安定性を重視してフルオート武器を採用していたが、同チームが主催するコミュニティカップ「CRAZY RACCOON CUP」においては、彼の操るウィングマンが猛威を振るった。

彼のウィングマンに憧れ、使用後あらためてこの武器の難しさを体感したことで、より尊敬の念を強めたリスナーも多いだろう。
Selly選手を日本で有名たらしめたのは間違いなく、ウィングマンの存在あってこそのものだ。

かくいう私も、そんなウィングマンの魅力に憧れ、積極的に手にしているプレイヤーのひとりだ。
そのマッチの戦績は察していただくとしても、弾を当てられることへの喜びを常に抱かせてくれるこの武器は、たとえ下手でも持ちたくさせてしまう魔力を持っていると思う。


2. 《個人的・現行最強AR》フラットライン

話の前に、この武器の略称をどう呼ぶかについて、明言しておかなければならない。

私はかつて「フラライ」と呼んでいた。
現在では「フラトラ」と略している。

……両陣営から白い目で見られる経歴だが、お許しいただきたい。
(正直「どっちでもいいだろ」と思っているのは内緒だ)

初心者だった頃の私にとって、フラットラインは「THE扱いにくい武器」の代名詞的存在であり、まさか未来の自分が積極的に採用することになるとは思ってもみなかった。

皆さんもご存じだろうが、この武器は水平方向へのリコイルが強いためコントロールが難しく、フルオート武器の中では敵に弾を当て続けるのが難しい部類に属する。

ウィングマン同様、そのクセの強さゆえ1発のダメージが19と重く、DPSは194と全武器中トップ10に入る速さだが、カービンの193とほぼ変わらないため、安定感を重視するべきバトルロイヤルにおいては採用率は低くならざるを得ない。

DPS数値引用 https://gamewith.jp/apexlegends/article/show/255086

しかも、SMGのボルトに至ってはADS時の歩行速度・DPS・リコイルコントロールの難易度など、あらゆる側面でフラットラインを上回っており、わざわざフラットラインを積極的に採用する要素は少ないように見える。

だが、それでも私は「近距離戦闘における破壊力と安定感」において、この武器の右に出る者はいないと考えている。

私がシーズン9現在、個人的最強構成として行き着いたのは、「ボルト&フラットライン」の組み合わせだ。

「そろえるアタッチメントが多く最良の状態にする難易度が高い!」
「どちらも弾消費が激しくバッグを圧迫している!」

おっしゃる通りだ。ぐうの音も出ない。
しかし、私がこの構成にたどり着いた最たる理由は、「フラットラインの近距離性能」にある。

ボルトはADS時の歩行速度も速く、中距離から近距離まで幅広くカバーできる万能武器だが、一方でその射撃速度の速さから、一度攻撃を外してしまうとその後全く弾が当たらないという事態が発生し得る。

その点フラットラインは、ボルトやカービン、ハボックなどと比較しても連射速度が遅く、(リコイルさえ制御できれば)たとえ近距離でも安定してダメージを出すことができる。ADS時の歩行の遅さも、落ち着いてエイムを合わせる点で優れている。

特に私が好んでいるのは、フラットラインに1倍HCOGクラシック(いわゆる等倍クワガタ)を付ける装備だ。なんならアイアンサイトでも構わない。

なぜなら、等倍スコープで十分に弾を当てられる距離とはそれ即ち、フラットラインの理論値を出しやすい距離だと考えているためだ。

ボルトでアーマーをなるべく削り、フラットラインに持ち替えて残りのダメージを落ち着いて処理する。近距離戦闘が苦手で、さらにショットガンが苦手なプレイヤーにはぜひ試してみてほしい。

もしボルトに自信がなければ、G7やロングボウ、30-30リピーターの採用をおすすめしたい。中でも理想はトリプルテイクを拾うことだが、運要素が強く絡むため、囚われすぎない方がよいだろう。


今回はここまで。今まで以上に好みの話に振れてしまったが、ご容赦いただきたい。少しでも参考になれば幸いだ。

次回は中~遠距離武器についてお話していきたい。
私は最近、ロングボウに3倍か2~4倍のスコープを付けて、中距離運用することにハマっている。

PADならではの楽しみ方にはなるのだが、その点の好みをお話しできたらと思っている。


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