がきんちょ
小学生の男の子2、3人が私の部屋の前でどうやらプロレスをしているみたいだ。
体感的には目の前で、でも向こうは私のことは見えていなくて、大きな声で遊ぶがきんちょ。
ちょっとうるさかった。
だって私は寝たかったし、起きているなら論文を読まなきゃだし、レポートを書かなきゃだし、
長いこと男の子たちはプロレスごっこをしていた。
私もあきらめて半分くらいは彼らの会話を聞いていた。
「空手でてっぺんになりたいんだろ?」
おや?
「毎日300回家で練習しろよ、蹴りは150」
おやおや?
どうやら空手少年のようだった。
よく聞いてみると、ちゃんと空手と向き合っていてストイックに練習をしていて、しかも友達を鼓舞していて、シンプルに感動した。
「そんなんじゃてっぺんとれないだろ」
久しぶりに何かに燃えている人を見た気がした。
まだ小学生ながらに立派なことを言っていて感銘を受けた気もしたかもしれない。
ただ、共用部スペースで大きすぎる声は出さないでね、人の家の前で組まないでね、と少し思いながら、
またうるさくされるならこの子たちがいいかも、と思った。
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