シュレーディンガーの猫の気持ち

こんにちは

シュレディンガーの猫ってご存じですか?

猫を箱に閉じ込めて、その中に1時間に50%の確率で放射能を発するラジウムを入れ、放射能を検知した場合に、青酸カリの瓶が割れて猫が死んでしまうという実験です。

実際に実験が行われたわけではなく、シュレーディンガーという物理学者が考えた頭の中のみで考えた実験である。

詳しくはこちらを確認いただければと思います。

wikipedia:シュレーディンガーの猫

シュレーディンガーの猫はどんな気持ちだったのか、猫の視点で書いてみました。

シュレーディンガーの猫の自己紹介

僕の名前はキュー。
生まれたときにキューと鳴いて、お母さんがキューって名づけてくれた。
僕は夏に生まれて、今年で3回目の夏だ。
弟もいるが弟は体が弱くて一緒に遊ぶことができなくてつまらないんだ。
最近は寝てばかりいて、あまり体調がよくないみたい。

あるとき一人で近所を散歩していたらシュレーディンガーというおじさんに声かけられた。
実験を手伝ってくれと言われた。

「箱の中に入ってくれないか?」
箱にはいるのは好きだよ。狭いところは得意だからね
「本当かい?でも実は命の危険があるんだ。」
死んじゃうの?
「50%の確率で死んでしまうんだよ」
それはだめだよ。僕は病気の弟の面倒を見ないといけないから
「じゃあ、こうしよう、もし実験に参加してくれたら、僕が必ず最高の病院を用意して弟くんのことを看病するし、治療してもらう。そして君と弟君の一生分のご飯を用意するよ。」
えっ、本当?弟の病気を一生抱えて生きないといけないと思ってたから、これでヤングケアラーから卒業できる!
「最後にもう一度確認するけど、50%の確率で死んでしまうことがあるんだけどいい?」
うん、そのときは覚悟を決めるよ。でも弟のこと必ず治療してね。
「約束するよ。じゃあ、来週。ここで。」

実験当日

なんで僕は実験に協力することにしたのかとこの1週間考えたりもした。でも弟の看病をして一生、生きていくことにも不安があった。
万が一のために弟のために手紙も書いたし、覚悟決めたし、すぐ終わる。きっと。

「やぁ、早めに来てくれたんだ」
ちょっと緊張してね。おじさん、さっとやってはやく終わりたいよ
「うん。わかった」
あっ、開始する前にこの手紙、おじさん持ってて、もし何かあったら、弟にこの手紙を渡してほしい
「わかった。約束は守る。じゃあ早速だけど、この箱に入ってくれ」
いいよ。この箱の中に入っているのは何?瓶?
「その瓶は青酸カリだ。そしてこっちの機械は1時間で50%の確率で放射能が出る仕組みになっていて、微量でも放射能が出ると検知されて、瓶が割れるようになっている。」
・・・そっか。僕は青酸カリで死ぬかもしれないんだね。苦しくないのかな?
「青酸カリは呼吸ができなくなるんだ」
・・・えっ。苦しいの?青酸カリ以外はないの?
「手に入るのがそれしかなくて」
・・・わかった。それ以外に助かる確率を上げる方法はあるの?
「いや、それはもう神様しかわからない。50%の確率ということだけが確かなんだよね。」
そっかぁ。神様にお願いすることしかできないのか。
神様、僕を生かしてください、そして弟と一緒に遊びたいです・・・

「じゃあ早速、蓋をするね、これから1時間後に僕が箱を見に来る。僕の研究だと僕が蓋を開けるまでは君は『生きている状態』と『死んでいる状態』が重なっているんだ。蓋を開けるとどちらかに決定することになる」

生きている状態と死んでいる状態が重なっている?死んでるかもしれないってこと?でも蓋を開けたら確定されるということは蓋を開けるまでは生きている状態でもあるってこと?・・・まっ、いいや。
とにかく1時間待つしかないもんな。
おじさん始めてよ。

「わかった。じゃあ蓋を閉じるね」

ガチャリッ

箱の中は静かだな。外の音も聞こえない。この瓶が割れるかもしれない。
割れないように祈ろう。
でも、こうして待ってるのも怖いし瓶が割れるの見るもの怖いしなぁ。
目をつむっとくかなぁ。
弟と早く一緒に遊びたいな。
楽しみだな。
昨日は緊張でなかなか眠れなくて、最近は弟の看病でも疲れてるからなぁ、なんか眠くなってきた。
1時間後おじさん来てくれるし、あとは神様次第だ。
・・・

・・・・・・・1時間後・・・・・・・・

ガチャっ!

「おっ、生きてたね。」
えっ、おじさん、僕大丈夫だったの?
「うん。そうみたいだね。手足も動くし、何も変わらないだろ?瓶だって割れてないし」
あっ、本当だ。
「箱の中はどうだった?」
えっと、寝ててあまり覚えていないんだ。
「そうなのかぁ、それを知りたかったんだけどなぁ」
でも、こうやっておじさんに会えたんだから、いつも通り寝ていただけだし、瓶の割れた音も聞こえたわけじゃないよ。
「まぁ、そうだよね」
うん。でもうれしいなぁ。これで弟も治療してもらえて、一生分のご飯もあるなんて。
「おじさんは赤字になってしまうなぁ」

夢の中の話

無事、終わって弟にもうれしい報告ができる。50%で死ぬなんて無茶なことして、「カイジ」みたいなことしてしまったけど、僕も残りの人生、fireしたようなもんだから楽しみだ。

でも、夢の中はちょっと奇妙だったなぁ。
おじさんが蓋を閉める前に言っていた『生きている状態』と『死んでいる状態』が重なっているっていたけど、
確かに夢の中では瓶が割れたような気がして、苦しい思いもした気もするんだ。あれはいったい何だったんだろう。
神様にお願いしたから生かしてくれたのかな。

生きているのか死んでいるのか

シュレーディンガーの猫の思考実験は改めて考えると、怖い話である。
キューちゃんが見た夢の中のできごとは本当に夢だけなのか。

  • 強い思いによって生きていることを引き寄せたのか

  • 夢で見たことは、アナザーストーリになっているのか

私たちには生きている猫の話しか知らない。ハッピーエンドでうれしいが、全知全能の神様は我々の知らない何かを知っているかもしれない。

(コメントなどありましたら、いただけると嬉しいです。)


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miya999999999
次を担う世代のために、リモート稽古のために空手着や道具作成やリアルな稽古出張のために使います。