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もう一つの可能性の分岐点としてのFishmans のGo Go Round This World!

Fishmansの「Go Go Round This World!」は1994年の2月2日にマキシ・シングルとして販売された。その後のFishmans楽曲に大きな影響を与えるZAKが初めてFishmansと共同プロデュースを務めたのが本作であり(エンジニアとしては前作の「Neo Yankees' Holiday」から参加)、その後のFishmans/佐藤伸治の音楽的な充実の兆しを感じさせる意欲作となっている。 Fishmansのディスコグラフィにおいて、この時期の作品発表は

    • 意志と責任を超えて-SETA 1stアルバム「いちじく」を読み解く-

      1先日、ふと思い立って徒歩で東京タワーに向かい、人生で初めて展望台に登りました。自宅から東京タワーまでは20キロほどありましたが、地上の目線で歩いてきた東京の街を展望台の高い位置から改めて俯瞰的に眺めると、また、違った東京の魅力を味わうことができ、とても素敵なひと時でした。 全体を俯瞰的に見ると、新たな意味や解釈を発見することは度々あります。音楽におけるアルバムもそのような俯瞰的な眺めを楽しむことができるメディア形態の一つではないでしょうか。個々の楽曲だけでなく、アルバム全

      • 弱くて強い絆の話 -斉藤和義の「ベリー ベリー ストロング 〜アイネクライネ〜」から読み解く出会い方-

        1ここ10年で音楽との出会い方、聴き方は大きく変化しました。10年前、音楽業界はiPod+iTunesに代表されるダウンロード販売がメインストリームの時代でした。CMソングや街中の有線から聞こえてきた曲を探し当てること自体は10年前もインターネットがあったのでずいぶん楽でしたが(今ほどでは無いですが)、現在のようなサブスク配信時代とは違い、その探し当てた曲のフル尺を聴くには、当然その楽曲を購入する必要がありました。当時高校生だった私はすぐにボタンを押して買えるほど金銭的な余裕

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