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「お盆の意味」 現在の日本の「お盆」は原点に遠からず近からず?

幼い頃は墓参りなどを行った記憶はあるのですが、以後あまり墓参りの記憶はありません。

昨年実の母を亡くしたため、今年の盆が初盆となります。
しかし“理由があり”、特別に何かをするわけではありません。但し、別に蔑ろにするというわけではありません。

墓参りに関しても様々な理由からあまり機会がありませんでしたが、母の両親は仏壇で祀っていましたし、そもそも仏教や宗教絡みの話は日常的に交わされる家庭でした。

しかし、今になって「お盆」とは何なのか実際にはよくわかっていないと気づきました。
ご先祖様が戻ってくる、そして戻られるのでお送りするなどという慣習ということはわかっていますが、そもそもの由来を調べてみることにしました。
そうして、自分の中でお盆を解釈しようと思ったわけです。

ネットで調べるとお盆の由来はワンサカと出てきますが、端折っていたり、解釈が様々だったりします。

いろいろと調べたところ以下のサイトが詳細に書かれていて信憑性があると思い参考にまとめてみました。

https://true-buddhism.com/sutra/urabonkyo/

http://kusyami.com/gyozi/obon.html


以下に簡潔にまとめてみました。

◎「お盆」とは、「盂蘭盆経」(うらぼんきょう)というお経が元になっています。
内容はお釈迦様(ブッダ)の十大弟子の一人、目連尊者(もくれんそんじゃ)が、餓鬼道に落ちたお母さんを助ける話です。


盂蘭盆経の内容

修行を積んでいた目連は神通力を使いこなせるようになりました。
そして、自分を生み育ててくれた亡き母がどこにいるか見てみることにしました。
自分を大切に育ててくれた母だから極楽で暮らしているかと思いましたが見つかりません。他にも探しても見つかりません。
ようやく見つけることができましたが、母親は飲食もできず、飢えと渇きに苦しむという餓鬼の世界でした。
ガリガリに瘦せ細った母を哀しんだ目連は母にご飯を持っていきますが、ご飯が燃え上がり炭になり食べることができません。

目連は悲しくなり、お釈迦様に相談します。
お釈迦様は、母の罪悪は深く、目連の力はもちろん、天の神も地の神などでもどうにもならないと言います。
しかしお釈迦様は目連に告げます。
「雨季の終わりの7月15日は90日間の安居(道場や洞窟に籠もって修行を行う)が終わり、たくさんの僧が一堂に集まり、過去の罪を懺悔してさらに仏道の修行に勤しむ日(自恣日(じしにち))。
 この日、僧たちに、飲食物・果実・水・灯明・寝具など美味しいものをお盆に持ってを布施(供養)しなさい。」
この日は、修行僧、悟りを開いた人、僧侶の姿をした菩薩などのすべての聖者がお椀一杯のご飯を受けられる。
これらの懺悔する僧侶たちに布施をすれば、過去7世の父母などの親族は地獄、飢餓、畜生の三悪道の苦しみから出ることができ天上界に生まれることができる。現在の父母など健在の人であれば、末永く幸せに暮らせるだろう。
そうして目連の母は餓鬼の苦しみを脱することができました。
目連はお釈迦様に、後世の人々もまた、同じように供養することで父母や祖先たちを救うべきでしょうか?と質問します。
お釈迦様は、
「もし、僧侶や尼僧、国王、皇太子や公務員、庶民にいたるまで親孝行したいと願うなら、7月15日の仏歓喜日(ぶつかんぎび)といわれる僧侶たちが懺悔する日に、僧侶に施しをしなさい。そして願うべきことは生きている両親については健康長寿、過去七生の父母については餓鬼道の苦しみを離れ天上界に生じ幸せを得られるようにということだ」と言いました・・・


以上が盂蘭盆経の主な内容です。

リンク先にも記載されていますが偽経ということは無さそうでまったくのフィクションではない点は安心できます。
日本では僧侶たちの夏安居(げあんご)などが無いので同じようにはいきませんので、ご先祖様への感謝や思い偲ぶ機会としては良いと思いますが、日本独特の慣習となっているように思います。

こうして原点を調べると慣習の何が大切で、何をこだわらなくて良いか、縛られなくてよいかなどがわかってきて面白いです。

一つ思うことは「救う」という言葉の裏を返せば「救われていない」ということが前提になっているということ。
何かしらの方法でもう救われていることがわかっているのならそこまでこだわりをもつ必要もないのかもしれませんが、普通の人には救われているのかどうかはわかりませんよね。
ただ「故人を偲ぶ」という意味では良い機会だと思います。

あ、僧侶の方がお盆の意味を「布施する日」である。などと考えると?・・・(汗)
お布施するのは個人の自由です。(^^)

(2024.8.13 加筆修正)

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