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武士の矛盾

司馬遼太郎の「峠」を再び読んでいる。

主人公の継之助は、百姓が武士に無礼を働いたときに潔く首をはねることが武士のモラルであると思っている。
一方で人間本来の憐れみという惻隠の情という人間倫理の原理に従うべきか、その矛盾の中で判断が容易にはできないという。

人間万事、この種の“矛盾”が前後左右にとりかこんでくるが、その矛盾に、即刻対処できるのが、彼(継之助)の学問の道らしい。

この武士の考えは現代にはあてはまらないが、学問でこれらの問題を解決しようと考えている。

今ほど情報は明らかに少ない時代。
しかし、東洋思想や宗教などからしか学ぶことはできなかったかもしれない。生きていくうえでの難しい問題を学問で解決しようとする姿は格好よく思える。

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