8月第2週〜新潟県立歴史博物館〜
はじめに
本当は8月の第2、3週に四国へ行く予定で私も数ヶ月単位で楽しみにしていた。しかし残念ながらその数日前に大きめの地震が起き南海トラフ地震の危険性が示唆された。結論から言うと私は四国行きを断念したのだが、1番大きな理由はこの四国旅行の計画が私の性格にしては有り得ないほど詰めの甘さだったからだ。宿の取り忘れに始まり船、バス尽く予約出来ていなかったり支払いを忘れて取り消されていた。というわけでトラブルの予感しかしなかった私はキャンセル料を理由に軍資金を父に強請り新潟、東北旅行に行くことにしたのだ。
1日目
なぜか出発時刻を電車発車時刻の8時だと勘違いしていて慌てるところからこの旅行は始まった。幸いにも早めに起きていたのと家から駅まで距離があったことで無事に予定通りの電車に乗れた。
新潟県立歴史博物館
長岡駅でおりて腹ごしらえをしたらバスに乗って約40分ほど揺られると新潟県立歴史博物館に着いた。この時間と距離にしては運賃が安いので有難い。その分本数は少ないがここを中心に行動計画をたてるなら問題ない程度には走っている。
今回も常設展と特別展両方のチケットを購入してまずは常設展から見ることにした。こちらは新しいとは言えないが歴史は展示物の古さが影響しにくいので施設に不気味さが無いだけで十分だと言えよう。内容は新潟の歴史が先史から奈良時代くらいまで一気に飛んでいて笑うしかなかった。この施設の特徴としては主要人物の紹介と周辺情報、特定の時代における地域の習わしの紹介が丁寧なことがあげられる。単純にそのような資料が豊富にあるだけかもしれないがとても面白かった。写真が残っているような時代になると世の中の流れとその時新潟ではどんな人が動いていたかという年表があり、よく知っている情報と全く知らない情報を同時に見れるということも相まって興味をひかれた。特に人物に関しては新潟県に歴史があると伝わる内容で県の素晴らしさが伝わるとても好みな展示であった。
ここ新潟は豪雪地帯ということもあり雪に関しては別枠としての展示となっている。当時のセットが組まれているのだがこれがとても豪華で1階部分はお店、2階部分は雪下ろしの様子が見られる。そしてこのお店、よくある駄菓子屋のセットだけでないところが嬉しいポイントだ。このセットを作るうえで参考にした当時の写真や構造模型はセットを回った後に見れる仕組みになっており興味をもって展示を見ることができた。
雪関係では王道の道具展示も行われていた。ここはこれまで豪雪地帯の博物館(主に北海道)が私に教育してくれたおかげで道具の違いが分かって面白かった。知らない人にもわかりやすい説明があるので初めての情報を得るのによいだろう。
雪の展示の最後には雪とこれまでどう関わってきたかがあった。昭和の大雪の映像は当時のゴリ押し解決法が非日常的な映像となっているので是非見てほしい。他にもここは貴重な情報の宝庫でしれっと書かれている情報にこそ注目してほしい。私は冬季分校の話を見てそう感じたのだが、この冬季分校を現在でも行っている学校はなく映像も出てこない失われた文化であった。その土地に根ざした知らない情報を知れた時ほどワクワクすることはない。
縄文時代についても雪と同じように別で展示が組まれていた。この博物館はセットに力を入れているようでこちらも見応えのあった。内容自体はよくあるものだが基礎情報が余すことなく網羅されており、説明文にほとんどふりがなが無いところから対象年齢が他に比べて高い気がした。ここの展示で特に良かったのは文様の一覧である。しっかり量があるのでこの展示の写真は既に他の博物館でも見比べる際に活用させてもらっている。
私が訪れたタイミングでの企画展は佐渡についてであった。世界遺産のことを考えると妥当であり、せっかく来たから行くという感じであまり期待はしていなかったのだがこの企画展がとても良かった。人類がいつ頃から住み始めているか分からないという話から入り文献を用いて統治の話をし、流された人について各個人を深堀することで佐渡という土地の歴史を他の土地と繋げて紹介する流れにはとても見応えがあった。日蓮、世阿弥等知っている名前が出てくるのはもちろん本物を目にすることができるのでその土地の豊かさに納得がいった。展示の最後に現代の文化を持ってきているのも落としどころとしてとても綺麗である。実際私はこの展示を見たことで佐渡に行きたいと思った。
全ての展示を見たあとはお楽しみの物販タイムである。実は常設展のクロスワードに参加してポストカードを貰っていたのだがまた購入してしまった。博物館が出しているものが30円のたたき売り状態だったので全種類、佐渡のお土産品らしきハガキも色鮮やかだったので購入。そして珍しく古書コーナーにも昔のハガキがあったので2枚購入した。あまりにも古い絵葉書が置いてあったことが嬉しくてレジでその旨を伝えると古書店の方のおかげなことを教えてくださった。もちろんいいお値段したが手が届く値段だったのでこれも記念だろう。
おわりに
新潟という土地は私が想像していたよりもとても面白い場所であった。都道府県立博物館は小さいものから大きいものまでそれぞれどこに力を入れているかが分かりやすく異なるがこの新潟県立歴史博物館がとても良い博物館だったのは確かだろう。新潟に縁がない人こそ訪れてほしい。