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2月第2週〜沖縄〜
はじめに
日本国内なら有名どころはかなりふらふらした1年間。しかし私は人生で1度も沖縄に行ったことがなかった。お出かけ好きならば当たり前にしている47都道府県制覇はしておこうと思い今回は沖縄へ向かった。ちなみにこの沖縄訪問前に数えた結果、大学4年の1年間で40都道府県訪れていたらしい。これだけほっつき歩いて沖縄に行かないのはやはり無しだろう。
1日目
鹿児島▶︎沖縄
初日は移動の日であった。群馬から羽田空港、鹿児島と移動して最終的には船に乗るという旅程。雪雲に負けず降り立った鹿児島では特に観光をすることも無く、駅前のイオンで食料調達を行った。いつも通りイヤホンをしながら歩いていただけにも関わらず、この日は暇そうなお父さんに捕まった。私も時間があったので少しの間相手したが、浮腫の話から奄美大島の歴史に飛ぶエキサイティングな会話であった。最近は馴染みのない土地で話しかけられることが増えてきたので次の機会ではその理由を聞いてみようと思っている。
フェリーあけぼの
無事に食料調達を行い、次に向かったのはフェリーあけぼの。海マジというシステムを使い無料での25時間のふなたびである。詳細の書き方的に何かしら払う可能性を考えたもののそれも無く本当にタダで乗ることが出来た。もちろん2等客室だがマット、枕、毛布があるなら十分のんびり過ごすことができる。大体サンライズのソロ程度の寝具かつ大部屋と考えると分かりやすいだろう。窓際だったことでコンセントも確保できた。
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2日目
船生活
朝起きると揺れで完全に船酔い状態だったのでたまたま持っていた酔い止めを飲み、どうせ吐けないのをいいことに朝ごはんを軽く食べた。そんな時化ではデッキに出ることも出来ないので再度寝て起きるとしっかり元気になっていた。しかし船あるある各所に置かれている袋を手に取ったのはこれが初めてである。使うことにならなくてよかった。
宝塚のチケット戦争に参加して、あとは寝て起きてを繰り返していると同室の人達は離島を出た時点でみんな居なくなっていた。広い空間でのんびりごろごろと転がっていると25時間はあっという間で那覇港はすぐ目の前となる。アナウンスの後の島唄で起き、バタバタと用意をしてすぐに下船。これによって私は沖縄上陸を達成し、47都道府県をやっと制覇したことになった。
夜ご飯
沖縄最初のご飯は宿の近くの居酒屋に行くことにした。この日のチョイスはジーマーミ豆腐ともずくの天ぷら、タコライス。もちろん飲み物はオリオンビールにして沖縄を堪能することに。ジーマーミ豆腐はむちむちで豆腐というよりは餅に近い感覚であった。臭みがなくてとても美味しい。もずくの天ぷらはざくトロでツユでも塩でもいける味。量も結構あって罪悪感が無いのが良い。タコライスは想像通りの美味しさで野菜いっぱいなのも幸せの要素であった。好きなものを独り占めできるから1人飲みは止められない。
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3日目
美ら海水族館
那覇バスターミナルから美ら海水族館へ高速バスで移動。バス移動はあまりしないので結構わくわくする。バスと水族館のチケットはバスターミナルの中で購入することで2000円以上安くなったので、迷ってウロウロした甲斐があった。
そんなこんなで数時間の移動を経て美ら海水族館に到着。思っていたよりも古い、普通の水族館に感じた。美術館っぽさもなければ博物館に振り切っていないのは観光地だからだろうか。多言語対応で展示説明がとても簡潔なのは見やすくてよい。中には沖縄名が書いてあるものもあったので元々博物館寄りの展示なのではないだろうか。
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1番人が多いのはやはりマンタとジンベイザメの展示であった。ゆっくり座って眺めることが出来るようになっていて、人が多くても満足度が高い水族館であった。
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オキちゃん劇場
水族館を出て、次はイルカショーへ向かった。こちらは大きさと集客数の割にモニターがないので音楽に委ねられているショー。ちゃんと沖縄仕様になっていて、ここまで地域性に振っているショーは実は少ないのでは無いかと感じた。ジャンプもダイナミックで大きく、なによりカチャーシーをイルカに踊らせているのが可愛くて微笑ましかった。
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海洋文化館
190円で博物館に入れるならと課金。ちょうどガイドツアーの時間だったので参加させてもらうとタイミング良く1対1で相手してもらえた。カヌー中心で分かりやすく要点だけ説明してくれるので簡単にポイントが分かる。特に展示物を作った際のエピソードは書いていないのでこのときに聞くことをオススメする。展示物自体も沖縄国際海洋博覧会のときの資料ということで丁寧。異文化の博物館の良さがあり北海道で感じたものと同じわくわくが得られた。映像が新しめで貴重な点はリトルワールドにある博物館に似ている。本当にとても良くてあまりにも時間が足りず泣く泣く半分くらいは横目に見ただけになってしまった。次ここに来る機会があったら水族館ではなくこの博物館にずっといるだろう。なんなら解説員のお姉さんに教えていただいた、実際に生きて泳いでいる姿や生えている姿をここの後に見に行くという楽しみ方をしたい。
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夜ご飯
この日の夜も居酒屋へ向かう。ラフテーとゴーヤチャンプルーを頼んだ。ラフテーらぷるぷるの皮が美味しく、ゴーヤチャンプルーは苦味があることでお酒が進む味であった。自分の意思でゴーヤチャンプルーを頼むと何だか大人になった気がして嬉しかった。
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4日目
朝ごはん
この日は起床時間を遅らせてA&Wでの朝食からスタートさせた。オモコロチャンネルというYouTubeで見て食べてみたかったベーコンチーズマッシュサンドとオレンジジュースのセットを選択。ソースとチーズの感じがハンバーガーよりは軽く食べやすかった。オレンジジュースもさっぱりで良い。
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沖縄県立博物館・美術館
歩いて向かった先は沖縄県立博物館・美術館。チケットを買うまでは博物館だけの予定だったが30円で見れるとのことだったので課金。
博物館は広くて綺麗。展示内容は知らないけれど知っている歴史ということもあり浅い部分を拾っても楽しめた。メインとなる歴史の展示室の周りに他の展示室を置いているので誰にでもまわりやすい。何より休日は20時まで開いていて、他の予定を全てかなぐり捨てて私はここに拘束されてしまった。特によかったのは民俗学の展示室。祈りを捧げる歌が流れていて、メインは白なのにこちらは黒基調で展示されているので厳かな雰囲気があった。
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特別展は地層と化石について。常設展に比べ小さいのであんまり期待していなかったのだが、流れている映像があまりにもよかった。内容はシカマイアという化石についてで、発見から全体像が分かるまでの流れをドラマ仕立てにしてある。福井県立恐竜博物館が作ったとのことだが民放のお金のかかっているドキュメントのよう。あまりにも映像とBGM、ナレーションが綺麗で編集や話の組み立てが良く惚れ惚れしてしまった。実際に追っていないドキュメントは流れの組み立てが難しいにも関わらず、舞台で再現ドラマを完全に作るのはとても良い。笑いのポイントも分かりやすく、ゆっくり実況のようなシーンを入れることで緩急をつけるのもさすがだ。資料検索したところ論文という軸を上手に組み合わせているらしい。とても素晴らしい映像であった。
美術館側はあまり自分が興味を持てないことを自覚しているので気楽に見て回った。展示にはオリオンビールや久米島フェリーのロゴデザインをした方のラフがあって身近な分楽しめた。しかもこのスケッチ展示は定期的に変わるらしい。他の絵も、この1年で絵の楽しみ方は共感と感情であると知ったので想像よりは興味が持てた。ただお金を特別出すのは私にとってはまだ難しいかもしれない。
おわりに
知らない文化が多いことで博物館にとにかく時間を奪われ続けた旅行となっている。分からない場所も文化もとても楽しく、観光がしやすいので多くの人が沖縄の虜になる理由が分かった気がする。