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はじめての男友達

人生で、ほぼ初めて、男友達ができた。

というのも、私は小学校から女子校並みの割合の共学校、中高では女子校に行ったせいで、男の子がいる生活をほとんど無しにして青春時代を過ごしてきた。

大学は晴れて夢の共学に進んだものの、飲み会の禁じられる大学1,2年を過ごしたせいで、ろくに男子と深く関わることはなかった。

あっても週1で強制的に会わなければならなかったゼミの男子たちで、○○さんと呼び合うような距離感満載の絡みしかできないまま、2年間が終わってしまった。

一方お笑いのサークルには、「残金200円だから、奢ってくんない?」と言ってくるような生活だけは芸人みたいな男とか、「**のM1の3回戦のネタ予想なんだけど」と独自の考察を一方的に2時間超語り続ける男とか、そんなのばっかり(それはそれで楽しかったんだけど)で。心地よくお互いのことを語り合ったり、励ましあったりできるような、そういう異性の友達を持つことができなかった。

そんな私に、最近、男友達ができた。

イタリア現地に住んでいる知人の紹介で知り合った、留学中の同い年の男子二人。

二人はそれぞれのキャラクターがあって、サッカー好きなこと以外、趣味も性格も考え方も、かなり違っている。

そんな二人の中に入っている私も、またそれはそれで違っていて。ばらばらでありながらも、お互いをリスペクトしたり、励まし合える三人の関係がすばらしく心地よい。

美味しいと噂の店に行ってパスタを分け合って美味しい美味しい言い合ったり、車道の境界ブロックを歩き続けたら道がなくなって轢かれそうになりながら国道を渡ったり、ディスコテカに行ってナンパしたりされたりして朝3時まで踊りくるったり、ヴェッキオ橋の近くで路上ライブするシニョーラを見つめながらそれぞれの夢のことについて語り合ったり。

女の友情か、恋愛か、の二択しかなかった私にとって、こんな心地いい世界があったんだ、と嬉しくなってる。と、同時に、自分にとって、唯一無二の大事なものができたせいで、彼らに固執してしまいそうな自分がいて、なんだか怖くもなる。(男友達に限らず、大切にしたいという人たちに対して、私はすぐそういうことを考えてしまう。)

ただ、異性の友人であるというだけのことなはずなのだけど、そこにはたしかに、これまで感じたことのないような、穏やかで、しずかな興奮があることを認めなければならない。

男友達
ヴェッキオ橋
たまたま見つけた花火

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