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トリプトファンとヨーグルトきのこ
ヤンデルさん
先日は秋の終わりの一大イベント、サンクスギビングデーでした。
多くのアメリカ人が家族とターキー(七面鳥)を頬張るために、実家に帰る日です。
Twitterでは『ターキーはトリプトファンが沢山含まれてるから眠くなるって聞いたことがあるかもしれないけど、都市伝説だからね。サンクスギビングのパーティーで食べて飲んで喋って疲れてるだけだからね』という記事をニューヨークタイムズがリツイートしていました。
記事によると『サンクスギビングの眠気はターキーのトリプトファン説』はアメリカでは割とよく語られる逸話らしく、国が変わると色々変わるものだなぁと興味を惹かれました。
さて、先日のヤンデルさんからのお返事、これまた様々な角度から味わいがあり、心に突き刺さりました。
この『悩むな、脳め』を通しては、毎回ヤンデルさんから新しいキーワードや思考のヒントを頂き、次のお返事までにその新しい概念について考えたり、追加の関連情報を集めて、キーワードを脳にインストールするという日々を送っています。
前回のキーワードは、フロー型サービスとストック型サービス。
思ったよりもごちゃごちゃに考えていたことを認識出来ました。
Twitterはもとより、Noteはあくまでフロー型、ブログも基本的にはフロー型。
Noteのマガジン機能やいくつかのブログはストック型のように考えていましたが、確かに揺るぎない盤石なストック型とは言えないですね。
特に、新聞もフロー型サービス、という点は完全に盲点でした。
インターネットの外と中のサービスが別々のカテゴリーに入っていて、両者の類似点に目を向けていなかったようです。
川の中に杭を打ってそこに情報を置いておくのは無理
これには気を付けなくてはいけないと思いました。
川の中に杭、豆腐にかすがい、糠に釘。
それに注意しながらの今回のお題は前回同様、
「新聞社からの依頼です。投書欄にPETって何?と質問が来ました。これに400字で答えてください。あなたの実名が署名されます。全国紙の健康面に載ります。」
そして今回は、フロー型サービスに情報を流す場合、ストック型サービスに誘導するのがいいという示唆を頂きました。
なるほど、フロー型サービスでアプローチするときには、ストック型につなげるという使い方があるのですね。
それを踏まえて取り組んでみます。
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PET検査とは
PET検査とは、放射線を出す薬を体の中に投与し、体の外で薬から出る放射線を受け止めて、体内での薬の巡りを測定する検査です。
近年件数が増えている検査で、質問を頂いた方も、もしかしたらご本人や身近な人が突然放射性同位体なんぞを使う良くわからない検査を受けることになり、戸惑っていらっしゃるかもしれません。
そんな方に是非ご紹介したい小冊子があります。日本核医学会、日本アイソトープ協会という放射性同位体を扱う学会が刊行している、『PET検査Q&A』というものです。(http://jsnm.sakura.ne.jp/wp_jsnm/wp-content/uploads/2019/07/petkensa_q_and_a_2019.pdf)
2000年の初版から2019年の改訂4版2刷まで、脈々と加筆編集が加えられてきました。
PET検査が初めて健康保険制度でカバーされるようになったのが2003年のことですから、PET検査が今のように広く行われるようになる前から続く冊子であることが分かります。
検査の原理から被ばくの影響まで、現在の医療現場を反映しながら広く端的に網羅されており、おすすめです。
検査窓口や病院受付に置かれていることも多いと思いますので、宜しければお手に取ってみてください。
そしてこの冊子を読む読まないに関わらず、PET検査に疑問や不安があれば、是非納得がいくまで担当の医療者にご質問下さい。
適切にPET検査を行うためには、検査を受けられる方のご理解とご協力が不可欠なのです。
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タイトルとリンクを除いても500文字を超えてしまいました。
また、フロー型とストック型の違いを認知することはできたのですが、フロー型が果たすべき役割を果たしているのかどうか少し不安です。
是非ご意見をお聞かせください。
ところで、少し話題が変わるのですが、ヤンデルさんとよう先輩が毎週火曜日に配信されている、ポッドキャスト『いんよう!』の第67回を聞いていて、「民間、専門職、民族という三セクター」というキーワードにハッとしました。
更新情報
— いんよう! (@inntoyoh) November 26, 2019
第67回【情報とコミュニティーとナラティブ】
ここ数年ヤンデル先生が考えている医療情報の共有について改めて話してもらいました。
正しい情報の共有は医療に限らず難しいですが、とりあえず今回のキーワードはコミュニティーとナラティブです。
iTuneshttps://t.co/GBz2Zwjbnh#いんよう
私の周りでは民族セクターの文脈を汲む会話が良くなされていると思ったからです。
個人個人の闘病生活や通院経験を語るのが民間セクターの文脈、科学的なエビデンスを元に語るのが専門職セクターの文脈とすると、民族セクターの文脈は、例えば、「高野豆腐を食べると血圧が下がる」とか、「ヨーグルトきのこは健康にいい」とか、「玉ねぎを生で食べると血液がサラサラになる」といったものが当てはまるのではないかと思いました。
先日目にした「ターキーにトリプトファンが沢山含まれてるから眠くなるんだ」という話も、民族セクターの論調になるのではないでしょうか。
正直なところ、身近な家族を含め、私の周りにはこういう話を真剣に受け止める人が沢山います。
その人たちを「そんなの非科学的だ」と頭ごなしにエビデンスでぶん殴るということは、もちろんできませんし、これまでもしてきませんでしたが、ハッとして少し頭を抱えたのは、「もしかしたら民族セクターの方に親和性が高い人たちには、科学的な論調ばかりではなく、別の語り口があるのかもしれない」と思ったからでした。
何度かやり取りされた、「PETとは何?」というお題に立ち返ると、私はこれまで民間セクターと専門職セクターの対話ばかりを意識して取り組んできたように思います。
ヤンデルさんは如何でしたか?
三セクター全てに届くようなイメージで語られていたのでしょうか。
それとも、どこかのセクターに特に重きをおかれていたのでしょうか。
もし、これまでのお題を民族セクターに一番届くように照準を合わせようとした場合、口調や内容は変えますか?
とても興味があります。
(2019.12.1 タク→ヤンデルさん)