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気づかない間に

畑の近くにとても古そうな倉庫があるのだけれど、聞いてみたところなんと築百年ほどになるのではないか、とのことである。そりゃあ屋根に隙間もできるわなあという感じだ。なおこの倉庫も現役で使われていたりする。物持ちがいいというレベルではない。

しかし考えてみると、その百年のうち三十年ぐらいはすでに自分も生きているわけで、自分が生まれた頃にはこの倉庫も築七十年ほどだったわけだ。気づかない間に時間はとてつもないスピードで進んでいる。

それと似たようなことが、人との関係でも起きていることにハッとするタイミングがある。

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基本的には日記ですが、たまに深いことを書いたり書かなかったりします。分量で著者の疲労度が測れます。

少し遠くに行ってみよう。人生が変わるかもしれないし、変わらないかもしれない。あるいは変わったとしても、気づかないかもしれない。だから、何か…

昔々、あるところに読書ばかりしている若者がおりました。彼は自分の居場所の無さを嘆き、毎日のように家を出ては図書館に向かいます。そうして1日1日をやり過ごしているのです。 ある日、彼が座って読書している向かいに、一人の老人がやってきました。老人は彼の手にした本をチラッと見て、そのま