『変わり者たちの旅人宿』 ~岡崎--→関~ 500km東海道歩き旅の記録7
今回は旅人があつまるゲストハウスに泊まります。ネカフェ難民脱出です。
目次
1.たどりつけない名古屋メシ
2.田舎のおきて
3.旅する人があつまる宿
たどりつけない名古屋メシ
岡崎市をスタートし、いよいよ名古屋を目指します。
せっかくなので、おいしい名古屋メシにありつきたい。
何を食べようかと思案しながら、工場がならぶ退屈な道をひたすら進んでいきます。
歩きながらふと顔をあげると、こんな標識が!
前後駅前
オセロのルールが適用されるなら「前前前前」ですよ。
前前前世より前が多くなってしまう。
こうしたちょっとしたローカルさを楽しみつつ、いよいよ名古屋市に入っていきます。
名古屋についたのは20時ごろで、ちょうど夕食の時間。
みそかつが食いてえ
そして
ここで行く店はゼッタイにハズせねえ。
この旅では気になった店にふらっと入ることをポリシーとしていた私が、グーグル大先生に頼りました。
近くに評判もよさげで、定休日でもない店を発見。
すぐにその店に向かいます。
グーグル先生に教えられた場所は、大通りから少し入った閑静な住宅地。
こじんまりとしたいいお店があるのだろうと思いつつも、嫌な予感を感じます。
そしてマップ上に示された地点に到着しました。
しかし、圧倒的に普通の家。圧倒的に暗い。
いや、これは場所が間違っているのだろうとそのあたりをうろちょろしました。
あたりを歩いて、またこの地点に戻ってくると調べていたお店の看板をやっと発見。
臨時休業
は?
言葉を失いました。
しかし、どうしようもない。
このやりきれない思いを抱えて歩きました。しかし、どこのお店も閉まっていく時間です。
いつのときも変わらずに光る看板にひかれて、店内に吸い込まれていきました。
「はま寿司」です。
寿司うめえ
ノルウェー産サーモンうめえよ。
この日はギリギリ満足できましたが、
みそかつへの気持ちを忘れられなかったので、
翌日の通り道にあった「和食さと」というチェーン店でみそかつを食べました。
味はふつうでした。
田舎のおきて
名古屋に未練たらたらですが、三重県に入りました。
むかしの東海道では「七里の渡し」といって、愛知県名古屋から三重県桑名まで舟で海をわたるルートでした。
川や海がある東海道は当時はかなり難所だったらしいですね。
なにも考えずに道路を歩いていたら、三重県に入れた現代に感謝です。
三重県内を東海道にそって進んでいくと、だんだんと田舎に入っていきます。
桑名、四日市、鈴鹿と田舎道を進んでいきました。
石薬師宿、現在の三重県鈴鹿市で田舎らしいものを見つけました。
ゴミ袋に氏名か電話番号をかけという看板です。
プライバシーの問題や犯罪のリスク的にも都市ではありえないですよね。
いろいろと余計な問題が生まれそう。
群馬県の田舎生まれの私でも、この看板にはおどろきました。
ただ、この地域ではそれが普通で、当たり前のこととして成り立っているんでしょうね。
田舎のおきてって感じですね。
旅する人があつまる宿
そのまま亀山市に入っていき、「関宿」に到着しました。
東海道47番目の宿場町で、むかしの古い町並みがそのまま残されています。
雰囲気はまさに江戸時代の宿場町で、その世界観がいたるところに反映されています。
写真のように、銀行もかなり古風なデザインです。
この町ではATMも「現金自動取扱所」と表記されます。
町の雰囲気を楽しみながら歩いていると、目的地に到着しました。
旅人のあいだでは有名なゲストハウスです。
日本を旅する人がココに集まってきます。
バイクで日本一周をしている人、自転車でふらふらと旅をしている人、この宿に泊まりたくて普通に電車できた人、とにかく色々な方がいて、旅人たちの間で交流ができます。
今回は到着が遅くてできませんでしたが、夕食も一緒に作って食べているそうです。
ほぼほぼ毎日宴会が開かれているらしく、私は宴会から参加しました。
この日は7人で、自分含めて2人が大学生で、残りの5人は社会人でした。
会社勤めしながら日本一周なんてできないですからね、皆さん仕事を辞めて旅をしているそうです。
「脱サラして旅人」というフレーズに最初はロマンを感じました。
ギャンブルだな、かっこいいなって。
でも、話をくわしく聞くと仕事がつらかったり、職場になじめなかったりと仕事を辞めた理由はけっこうネガティブなんですよね。それで何かを変えたくて、一歩を踏み出して旅をしている方もいました。
自信満々に勢いだけで「東海道歩いてやるぜ!!」という旅人ではなくて
迷いながら、もがきながら旅をしている人がいました。
本当の意味で、自分探しの旅を見たような気がして、
こんな旅のかたちもステキだなと思いました。
が、
しかし
宴会も盛り上がってきて
このステキな旅人たち
いや
酒に酔ったおっさんどもは
「AVは固定カメラ以外ゆるせねえ。男優目線みたいなAVはいらねえよ」
「盗撮のシチュエーションが一番抜ける」
と独自のAV論に花を咲かせていました。
こいつらこんなに考えてみてんのか・・・とやや引き気味におどろいていました。
長年みていると目が肥えるのか、議論があまりにハイレベルでついていけなかったので
夜が更けすぎる前におとなしく寝かせてもらいました。
このゲストハウスでは
こんなにも人間らしい人たちと交流できて、めちゃくちゃ満足でした。
ばいばい、旅人たち!
次回:8. 関--→三条大橋(京都) 現代の人でも500km歩いて、東京から京都に行けます。