5.タダ飯につられて拉致未遂事件 ~藤枝--→浜松(静岡後半)~ 東京--→京都 500km東海道歩き旅の記録 ~歩き旅は経験のギャンブルだ~
今回は、奮発して昼飯に浜松のうな重を食べたら、その晩、タダ飯につられて拉致られそうになる話です。
それ洗濯すんの?
歩き旅の魅力は、他の手段よりも地域に入り込めることだと思うんですね。
電車や車ではわからないその地域らしさがあったりします。
例えば、静岡の金谷宿あたりのコインランドリーで見つけたのがコレ。
「茶袋の洗濯 ご遠慮ください」
かなり地域らしさが出ていますよね。
この地域一帯は本当に茶畑がたくさんあります。
だからこその「茶袋の洗濯 ご遠慮ください」
ものすごく実生活に近い地域らしさを感じられます。
こんなルールもあるんだなと勉強になりました。
地域らしさにふれる機会は旅の中でいくつかありました。小さなことだけど色々な考え方や文化を見ることができましたね。知らないことって拒絶しがちだと思うんですけど、旅を通じて知らないことも減ったし、知らないことは無限にあることを知りました。自然と心が広くなる経験だったかなと思います。
250km踏破
ついに折り返しの250km踏破です。
嬉しさもありつつ、まだ半分もあんのかいって気分でした。
そして写真でもわかるように、雨!
雨が降ってます。
ただの雨じゃないですよ、台風ですよ。
この日の夜から翌朝にかけて台風で大荒れの予報でしたが、ギリギリまで進もうと歩き続けます。
雨宿りもしたいなと思いつつ、250km踏破記念に浜名湖産の高級うなぎを食べようとウナギ屋さんに足を運びます。
Tシャツにジャージの歩き人スタイルには、少々格式高いお店に入店しました。
入った瞬間にウナギの香ばしいにおいが嗅覚を襲います。
奮発して4000円する上うな重を頼みます。
器も美しい。
ウオォォォォォォォ!って感じです。
光り輝くうなぎを美味しくいただきました。
回転寿司のあなごで十分満足していた人には、少々高級すぎましたが、
さすがに美味しかったです。
チーズタッカルビ拉致未遂事件
この旅では21時くらいまで歩いて、ネットカフェに泊まる生活を繰り返していました。
しかし、この日は台風接近中。
今日は浜松駅までにしておこうと決めました。
18時ごろに無事浜松駅に着きましたが、この時間からネットカフェに入ると料金がかさみます。
駅前でスマホをいじって時間をつぶしていると、大学生くらいの男の人に話しかけられました。
ナンパです。(違う)
普段なら軽く受け流すところですが、何でもやってみようの精神で旅しているし、そもそも1人旅で人との会話がなくて寂しかったので、話に応じました。
謎男「なにしてるんですか?」
ワシ「歩き旅してまして、東京から来ました」
謎男「すごい! え、大学生ですか?」
ワシ「あ、そうです。」
謎男「ちなみに、どこ大学ですか?」
ワシ「早稲田です。」
謎男「えー、あそこにいる僕の友達も早稲田ですよ。夏休みでボランティアでこっちに来てるんですよ。おーい!」
謎男2登場
謎男「この人早稲田で、東京から歩いて旅してるんだって。」
謎男2「すごい、俺も早稲田なんですよ。大学院行ってて。」
ワシ「へー。」
謎男「よかったら、今日の夜にボランティアの学生仲間とチーズタッカルビパーティーするんできませんか? タダですよ。」
ワシ「まじですか!チーズタッカルビって噂のあれですか?僕食べたことないんですよ。」
謎男「そうですよ。ここからすぐのところでやるんで、一緒に食べましょう。」
(バリ怪しい。タダチーズタッカルビにうっかりくいついてしまった。)
(とりあえず、もうちょっと相手の事聞いてみよう)
ワシ「そういえば、なんのボランティアなんですか?」
謎男「僕たちキリスト教徒で、キリスト教について地域の学生に教えているんですよ。」
(うん、怪しさました。あと日本語が若干拙いけど、留学生とかかな?)
ワシ「へー、そうなんですね。お兄さんたちって留学生とかですか?」
謎男「そうです、韓国から来ました。」
(だからチーズタッカルビね。)
ワシ「そうなんですね。」
謎男2「そういえば、韓国についてどう思いますか?」
(は? こいつ急に出てきて、いきなりそんなこと聞いてくんなや!)
ワシ「色々問題あるけど、仲良くしたほうがいいですよね。」
謎男2「そうですよね。」
謎男「もう少し待っててくださいね、パーティ会場まで一緒に行きましょう。」
(なんか俺行くことになってね?)
ワシ「え、どこでやるんですか?」
謎男「ここから車で10分くらいの教会です。送っていきますよ。」
ワシ「車で行く感じですか?」
謎男「はい、そうです。」
(ナンパ→宗教→車移動 って怪しさ度120%越えてるよ。なんでもやってみるとはいったけど、拉致はされたくないですよ。)
ワシ「それはありがたいです。」
(うーん、ヤバみ!)
ワシ「すみません、先にお手洗い行ってきますね。」
謎男「わかりました、ここで待ってますね。」
できるでけ自然に駅のトイレに向かいました。
相手の視界から消えた瞬間に、反対の出口に全力で走りました。
もう駅周辺を歩くのも怖かったので、その日は少し割高ですが、早めにネットカフェに籠って次の朝を待ちました。
奮発してウナギを食ったので、タダ飯というワードにつられましたね。
彼らがカトリックやプロテスタントのような一般的なキリスト教徒だったかはわかりませんし、悪い人たちだったかもわからないです。
ただ、圧倒的な胡散臭さを放っていたのは間違いないです。
今回は以上です。次回はついに静岡を抜けて愛知県に入っていきます。
次回:6.浜松--→岡崎 徳川家康と東海オンエアを生んだ地へ。