「なめらかな世界と、その敵」一言感想。
こんにちは。先日読んだSF短編集の「なめらかな世界と、その敵」ですが、全ての作品が面白かったので一言づつ感想をつぶやきます。ネタバレしてますので、作品を読んでから見て頂いた方がよいと思います。
「なめらかな世界と、その敵」
この作品のアイデアを成り立たせる表現、すごいですよね。私が書いたら世界の重ね合わせがすぐに破れて、すぐ乗覚障害が発生しちゃう。別の note で「なめらかな世界」と「乗覚障害」について考察しています。最後にリンクを張りますのでよろしければどうぞ。
「ゼロ年代の臨界点」
最後の注11がいい。注が。
「美亜羽へ贈る拳銃」
好き。
「ホーリーアイアンメイデン」
すごい。ホーリーなアイアンメイデンだ。
「シンギュラリティ・ソヴィエト」
「あなたにとって、悪い報せと、悪い報せと、悪い報せがありますわ」
最高。
「ひかりより速く、ゆるやかに」
竜が新幹線ておしゃれ!そしてまんまと物語の構造を読み違えてやられました。
表題作の「なめらかな世界」と「乗覚障害」や「K056」については以下の note で考察しています。良かったらお読みください。
明治、ソヴィエト、現在、近未来の話をそれぞれを読んで、それぞれ異なった世界の雰囲気が味わえるの、すごいですね。なんと言うか、読んでいて、各記述、言葉で私の感情が作者の思惑通りに自在に操作されている気がしました。そういえば、作品テーマとして、自由意志、自我、が取り上げられていますね。新しい読書体験でした。ありがとうございます。
多数の先行作品を意識して書かれているらしいので、これからそれらを探して読んでみるのも楽しみ。