rakugaki_64「美術館へ行こう!【京都編】美術館「えき」KYOTO」
私には「美術鑑賞」という唯一の趣味があります。
その「趣味」にもブームがありまして、第一次ブームが1985年~1987年。第二次ブームが2009年~2018年。
第一次ブームの1987年から第二次ブームがはじまる2009年まで20年以上の月日が経っていますが、その間にも何回かは美術観賞をしています。
ただ「ブーム」の期間は、集中的に「美術館」に出かけているので「ブーム」なんですね。
このブログでは、私の大好きな「美術館」に出かけて、観賞した「美術展」の感想とともに、「美術館」の魅力が一緒に伝えられればなぁと思っています。
「美術館「えき」KYOTO」は百貨店「ジェイアール京都伊勢丹」の7階に隣接する場所で1997年9月に開館しました。
私の現存する記録の中で、現在まで「美術館「えき」KYOTO」の企画展に出かけたのは4回です。
これは今まで鑑賞してきた「美術館「えき」KYOTO」の感想ブログとなります。
1)2001年9/1-10/2「終わりなき記憶の旅 デ・キリコ展」
ジョルジョ・デ・キリコ(1888-1978)変転の生涯の作品約100点による回顧展です。
現実にはありえない不思議な風景を描き、「形而上絵画」の創始者となったジョルジョ・デ・キリコ(1888-1978)は、20世紀イタリア美術のなかでもっともなじみ深い作家の一人で、マグリット、ダリ、デルヴォーなどのシュルレアリスム絵画の成立に大きな影響を与えました。
本展は、形而上絵画の原点とされる1920年代の作品から、様々な形態を模索し、変貌と研鑽をかさねながら原点に回帰した晩年までの作品約100点を7つのテーマに分け、謎に満ちたキリコ芸術の軌跡をたどるものです。
全く記憶には残っておらず、当時のチケットの半券だけが残っていました。
2)2017年6/10-7/23「ゴールドマン コレクション これぞ暁斎! 世界が認めたその画力」
美術鑑賞の前に初めて京都伏見稲荷大社を訪ねてみました。
いや、めちゃくちゃ観光客が多いですね!
ヨーロッパ系からアジア系まで、世界中のあらゆる国の人種がいそう。
さすが有名観光地ですね。
一度はくぐってみたいと思っていた、千本鳥居を体験してきました。
何せ大勢の観光客がぞろぞろと鳥居の中を歩くので、情緒はゼロです(笑)
そしていつまでたっても続く鳥居。
まるで鳥居に取り憑かれたような悪夢に感じはじめます。
いや、めちゃくちゃ疲れました。
はっきり言って苦行のようでした。
「そこに鳥居があるから」と登り続け、最後は山頂に。
これ、山登りじゃない!?
もう当分は鳥居を見たくありません。
兎にも角にも疲れた身体を休めるためランチを挟み、美術館「えき」KYOTOに向かいました。
なんと最終日に滑り込みです。
Bunkamuraザ・ミュージアム、高知県立美術館を経て巡回してきたものです。
河鍋暁斎は、幕末から明治の激動の時代を生きた絵師ということです。
暁斎は7歳で浮世絵師の歌川国芳に入門した後、狩野派に学び19歳の若さで修業を終えました。
周りから「画鬼」と称されるほどに画業に打ち込み、習得した様々な画法で仏画から戯画まで幅広く描いたそうです。
本展では、世界屈指の暁斎コレクションを有するイスラエル・ゴールドマン氏の所蔵作品で、肉筆画から版画、絵日記など、正統な日本画から、思わずくすりと笑えてしまうユーモアあふれる早描きまで、実にバラエティに富む暁斎の画業を振り返るものです。
う~ん、イマイチピンとくる作品がありませんでした。
やはり私には、日本画を鑑賞するセンスがなさそう。
洋画だったらブリューゲルの奇妙な絵とかも好きなのですが・・・。
ピンとこない中でも良かったのは「百鬼夜行図屏風」。
縦長の掛軸サイズの作品が多い中、2つの大きな屏風に、妖怪たちが大胆に描かれています。
あと「地獄太夫と一休」は、色彩が少ない作品の中で、とても華やかな色彩と構図で目をひきました。
と、ちょっとあっさりとした美術鑑賞に終わってしまいましたが、午前中の体育会系のような山登り(千本鳥居)の後の美術鑑賞は、やっぱり無理があったような(笑)
それでも最終日に観られて良かったです。
この美術展は7月29日より、石川県立美術館に巡回予定です。
帰る頃には京都は物凄いスコール。
伏見稲荷でこの豪雨にあわなくて良かったと思いつつ帰路につきました。
3)2018年2/8-3/4「生誕60周年記念 くまのパディントン展」
絵本展は今まで、「藤城清治展」「ミッフィ展」「リサ&ガスパール展」「グリ&グラ展」「イタリア・ボローニャ国際絵本原画展」「レオ・レオニ展」「ビネッテ・シュレッダー展」「ムーミン展」「ピーターラビット展」などを鑑賞してきました。
今回は児童小説『パディントン』シリーズです。
私は読んだ事がありませんでしたが、40以上の言語で翻訳・出版され世界中で愛され続けている作品だそうです。
パディントン生誕60周年記念、また91歳で逝去されたボンド氏への追悼の意を込めた本展では、児童書の挿絵でおなじみのペギー・フォートナムをはじめ各作家による絵本などの原画と、世界中で出版された書籍、生みの親であるボンド氏の仕事道具や貴重なインタビュー映像などによって、世代や性別、国を越えて親しまれるパディントンの世界を紹介するものだそうです。
美術館「えき」KYOTOに、昨日行ってきました。。
今まで原作者と画家が同一なのが当たり前でしたが、今回は挿絵の方は何人もいるみたいです。
原作者はマイケル・ボンド。
絵の方は・・・
児童書「パディントン」シリーズの女性挿絵画家、ペギー・フォートナム。
「パディントン」絵本シリーズのフレッド・バンベリー、デイビッド・マッキー、ジョン・ロバン、R.W.アリー。
新聞に掲載された4コマ漫画のアイバー・ウッド。
テレビ番組で放送された「パディントン」ストーリーを編集出版した書籍のイラストを手がけたバリー・メイシー。
・・・と多くの方が、マイケル・ボンドの「パディントン」の絵に関われてきたんですね。
私はペギー・フォートナムのペンとインクで描いたイラストが、繊細で哀愁があって一番好みでした。
なかなか可愛らしく図録やクリアファイル、ポストカードなどのグッズも購入してしまいました。
この美術展は終了後、福岡アジア美術館、Bunkamuraザ・ミュージアムに巡回予定です。
4)2018年7/5-8/1「新版画展 美しき日本の風景」
「新版画」という木版画をご存知でしょうか?
私は知りませんでした。
日本では江戸時代に浮世絵が誕生したことで大量印刷が可能となり、庶民の間でも絵画が楽しまれるようになりました。
浮世絵の技術は次の時代へと受け継がれ、大正から昭和初期にかけて新版画として発展しました。
本展では風景というテーマに注目し、葛飾北斎や歌川広重などによって大成された風景画を、新しい形で表現した新版画の魅力に迫るものだそうです。
日本各地の四季折々の情景を豊かな色彩で捉えた作品約100点で、新版画ならではの写実的な風景とのこと。
風景画の苦手な私も、ちょっと楽しみになるじゃないですか。
普段なら版画なんてと、興味も湧かないところですが、やけにリアルで美しい風景が載っているハンドビラを手にして、これは観に行くしかないと台風12号が近づく昨日、土曜日に行ってきました。
美術館「えき」KYOTOです。
全く知らなかったジャンル。
いや~、新版画ってこんなにリアルで美しいものなんですね。
大正時代なのに、画風がめちゃくちゃ今風!
絵画というよりイラスト?
ポップな感じですらあります。
とっても芸が細かくて、見惚れました。
初めて知りましたが、特に吉田博さんの絵のファンになってしまいました。
あと川瀬巴水さんのつつじ庭シリーズも、とても美しかったです。
台風が近づいているので外出はどうかとも思いましたがこの美術展、8月1日には終わるので休日の最後のチャンスでした。
見応えがあって訪れて良かったです。
図録とクリアファイルを購入して美術館を後にしました。
以上、伊勢丹でのショッピングを楽しみつつ、食事と共に美術鑑賞をするのに最適な美術館です。
駅にある美術館ということもあり、京都観光というより何かのついでに美術館を活用されても良いのかも知れません。