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SteamNEXTフェス気になった体験版28作(10月)

※ほぼ自分用

アクション 5作

◆AI LIMIT 無限機兵◆

Sci-fiソウルライク。Sci-fiかつアニメ調キャラデザのソウルライクといえばコードヴェインが存在しているが、今作はその先輩よりもさらにソウル寄り。システム ルールは手堅くまとめて、本家を匂わす鬱々としたノリを踏襲している。

独自システムのシンクロ率は「攻撃するほど火力が上がり食らうほど火力が下がる」といった感じ。またシンクロ率は特殊技(ダクソでいう戦技や魔術)を使うリソースでもある。むやみに特殊技を乱用するとシンクロ率が下がり殴りの火力が下がる。興味深い調整方法だ。

◆Silly Polly Beast◆

ホラーアクションアドベンチャー。リアリスティックな雰囲気とアニメ調のスタイリッシュな演出を同居させている。

メニュー画面のUIが凝っている。タブレットに主人公の女の子の顔がうっすら反射し、タブレットを持つ手指のネイルも見える。こういう形で主人公の姿を常に意識させてくるのは面白い。他のゲームでもやってくれないかな。

グレーの画面をよおく見てみてください

アクション面では主人公が機敏すぎて戦闘の緊張感が薄い。のちのち調整されそうな部分ではある。とはいえ「ちょっとアクションに慣れていると無法して楽できる」ゆるいバランスも好き。

◆Angeline Era◆

アノダインシリーズを作ったクリエイターたちの新作。見下ろし型アクションアドベンチャーで、あえて例えるなら「アンニュイなゼルダの伝説」だろうか。

とはいえアノダインシリーズの例にもれず、ゲームジャンルや遊び心地は定まっておらずどこか曖昧で、世界観も日向と日陰を行ったり来たり、これもまたメタな構造をストーリーの仕組みに忍ばせているのだろうかと期待をくすぐる内容になっている。

◆Glitch Dungeon Crystal: Babushka Quest◆

バグっているかのようなビジュアルの中、バグっているかのような挙動でステージを攻略していくメトロイドヴァニア。のんきな主人公のおばあさんとのんきなBGMとは裏腹に、ゲーム画面はサイケデリックで気味が悪い。

これはサムネのおばあさんで判断してはいけないゲームだった。遊んでみると異様な雰囲気にすぐに圧倒されるし、ジャンプアクションとしてのひねりっぷりに気づくと恐ろしくなってくる。落下しなくなるスキルとか無条件で壁を登れるスキルとか、そんなチートじみたものを駆使していくのだとしたら、製品版はどれだけ難しくて面白くなるのだろうか?

◆SomnaBuster◆

横スクのプラットフォームアクション。恐らくメガドラ時代のソニックをリスペクトしていると思われる操作性とFM音源的なBGMに、何より目を引くのはキャラや背景など全編が手書きで構成されていること。端正な絵ではないが形はきちんとしている。またヨッシーアイランドみたいな牧歌的でファンシーな雰囲気作りにも一役買っている。

うちのPC環境だとコントローラー操作が効かなくてあまり遊ぶことができなかった。

RPG / シナリオ重視 3作

◆Keep Driving◆

2Dドライブシミュという一風変わったコンセプト。実際にはリソース管理ゲームであり、各種イベントをスキルやアイテムで解決して体力やガソリンを管理していく。ありがちなシステムとルールであるところ、そうとは見せない工夫が随所に光る。BGMで流れる音楽は強烈に爽やかで眩しい。

幼い頃、家族の車に乗せられて旅行にいった、帰りの高速道路ではカーオーディオからジャミロクワイがよく流れていた。それが当時の家族のお気に入りだった。そんな記憶をくすぐりにくるゲームだった。

◆ドキモンクエスト◆

ポケモンフォロワーで金銀世代あたりをイメージしていると思われる。雰囲気をほぼトレースしながらも、主人公が複数用意されていたりUI周りが本家より親切だったり、ここらへんの設計思想は改造ポケモンからの遺伝子も感じる。体験版は遊べる範囲が狭いので、これ以上の具体的な違いはよく分からなかった。

◆Navicula Meatus◆

謎の一人称視点アドベンチャー。主人公はよくわからない不気味な肉の塊で、周りにいるNPCも気味が悪い。彼らは会話しているらしいが字幕が意味不明で画質も異様に悪いため判別できない。いちおう人間らしき存在はちらっと確認できる。

パズルアドベンチャーらしいけれど体験版の時点だと物々交換を繰り返すだけでパズル感はない。とにかくビジュアル UI ゲーム体験すべてが霧に包まれた見通しの悪さで「自分はいったい何をしているんだ……?」と首をかしげ続けることになる。これは褒めている。

ローグライク / ヴァンサバ系 9作

◆To The Grave: The Wildlands of Faenora◆

PS1世代のPRGを彷彿とさせる雰囲気でローグライクに挑戦している。描きこまれたドット絵やSDサイズのキャラはいかにもって感じ。

スクショだけ見ると本当にPS1世代のよう

パーティを組んで戦闘やイベントを通過していくのだが、そのパーティが毎回ランダムに選出にされるのが独特だ。隊列調整 買い物 クラスチェンジといったRPG定番の流れを高速で繰り返していくのは、あの頃のゲームをインスタントに凝縮している体験を生み出しており、よい着眼点だと思う。

また、何度もやり直す中で職業ごとの熟練度みたいなものと主人公だけは、恒久的に成長し続けていく。ローグライクでありながらこつこつ成長させる流れは、やはりRPGの血統を忍ばせる。

◆Guidus Zero◆

ローグライクのアクションRPG。アクションでありながら移動や攻撃は不思議のダンジョンのようにグリッドに従っている。自由に動き回ることはできないため攻撃と移動(回避)のタイミングを見極めたい。全体的にそつのない作り。

◆Moon Watch◆

ヴァンサバ系ながら攻撃はデッキ構築しだいのランダム頼り、加えて移動中は時間が進み停止中は止まるSUPERHOTなルールまで盛り込まれている。なのでプレイ感覚は他のヴァンサバ系とやや異なる。

デッキ構築によるランダム性はよいスパイスだ。環境を作ってもなお適切なカードを回せるまでは避けが基本となり、全体に受動的なプレイが求められる印象を受けた。時間停止も合わせて落ち着いたプレイを求められる。

◆Slay the Alice◆

ふしぎの国のアリスをモデルにStS系にこしらえたゲーム。戦闘なしストーリー主導ではあるが、体力 どんぐり 花 の3種リソースを御していくことでEDが分岐していくゲーム性は備えている。

かわいらしい雰囲気の裏にダークな要素が見え隠れ。ありがちなやつ、けどこういうゲームに期待する要素って、だいたいそういう腹黒さでもある。

◆Golden Warden◆

すごろくローグライク。横1列のマスを敵を倒しながら進んでいく。何マス進んでどのマスに止まるかが重要になってくる。敵を倒すにおいても単に攻撃するだけに留まらず、攻撃した上でマス移動したりするので、移動も考慮して攻撃手順を練っていくことになる。BGMが好み。

◆魔女の庭◆

開発のTeam Tapasは『勇者の飯』というスマホゲームを出しているスタジオで、知っている人は知っている。勇者の飯とおなじく愛くるしいもちもちしたイラストとアニメーションは健在。

オーソドックスなローグライクで、ランダム入手のパッシブスキルに一喜一憂しながら、集めたお金は拠点で自分をじっくり鍛え上げるのに使う。

敵の攻撃パターンはかっちり組まれており、特にボス戦はその傾向が強く、攻撃回避のタイミングが重要な触り心地、ゴリ押しではなく立ち回りの戦いを求められる。そういえば勇者の飯も放置ゲーに見えてガシガシ動かすタイプのゲームだった。

◆Abyssal Blood◆

横スクロールのヴァンサバ系。悪魔退治をする会社の社員という設定がマンガっぽくて面白い。武器も鎌 刀 ギターといったラインナップで厨二病心をくすぐる。ただヴァンバサ系でありながらアクションゲームであるためボタン連打で忙しい。あまりにも忙しい。何日もやっていると腱鞘炎になるかもしれない。やりこむなら連打機能やマクロが必須だと思われる。

◆Risk the Dark◆

ローグライクアクション。銃と近接攻撃を使い分けるだけでなく各種の投擲アイテムもあり、どれも無理できるバランスではないため使い分けが肝心。ローグライクでありながら地に足ついた操作と攻略を求められる印象だ。またビジュアルおよびコンセプトの関係で画面が薄暗い 息苦しい。これは人を選ぶポイントか。

体験版の時点だと翻訳文と原文(恐らく韓国語)が入り乱れており分かりづらい。

◆Dicealot◆

ダイスを軸に据えたローグライクは何作か出ているが、今作は役を揃えることに焦点が当てられている。とにかく役が揃わないと攻撃ができないし、できたとしても火力が出ない。そして目当ての役を揃えられるように、ダイスの種類を装備として更新していく。ダイスの種類は様々で、5の目だけで組まれたダイスや、1-3に偏ったダイスなどが確認できる。デザインもそれぞれに優美で目が楽しい。

あと単純にゲームの雰囲気がよい。わざと音質をこもらせたBGMを背に、古代ヨーロッパの装飾写本のようなビジュアルを眺めながら、淡々とダイスロールに勤しむ。休日にやるにはいい趣味だと思う。

ところでDicelot(ダイスロット)はランスロットのもじりだろうか?

その他ジャンル 4作

◆VOIN◆

近接戦闘メインのダークファンタジーFPS。被弾回数の上限がきっちり決まっているのできちんと立ち回らないと何度もリトライする羽目になる。ドロップ品の性能はたぶんランダム?グラフィックがやや荒っぽいというか一昔前のゲーム感あるけれどそれこそ今作の魅力だと思う。

◆First Break◆

2Dパズル。鍵を取ってゴールを目指すだけだが、鍵を邪魔するブロック 敵 地雷をいかにさばいていくか。1発限りで放つことのできるボールはブロックをずらしたり敵を足止めしたりする。しかし一番のポイントは、ビジュアルが妙に毒々しいこと、悪夢のような世界観であること。

◆ランダマックス◆

ローグライク要素のある弾幕STG。メイン武装は適時交換していきサブの武装はアップデートしていく。システム ルールとしては今風を取り入れている一方、古き同人ゲームの空気を力強く放っている。

ところで、タイトル画面を含めて一部BGMの音色がおかしい。MIDI変換的な設定をミスっているのでは?と感じる。

◆Chimera Capsule◆

オートバトル放置系。ホムンクルスを召喚して素材収集と戦闘にいかせる傍ら、素材でレベルを上げたり融合したりなどの強化も行っていくのが主な流れ。ダークでポップな雰囲気に可愛らしい三つ目女の子メイドと、小粒ながら人を刺激する要素を備えている。放置系なので他のゲームや作業時間と競合しないのもありがたい。


惜しかったやつ 7作

◆V.A Proxy◆

たぶんソウルライク。けど疾走感や演出面ではメタルギアライジングの匂いがする。ライジングみたいなゲームスピードでSEKIRO的な弾きアクションをやることになる。

ビジュアルはかなり荒々しく破壊的だ。わざと粗野なテクスチャを用意してエフェクトで壊しているのだろうか。世界観も異質でロボットたちの文明……なのか?

好みなのだけれど何から何まで荒々しすぎる。現時点では遊ぶのが辛いのでもっとブラッシュアップされてほしい。こういう粗研ぎ仕上げも嫌いではないけれど。

◆ビビッドワールド◆

ローグライク系。ビジュアルが可愛らしい。ボイスが豊富でわちゃわちゃ楽しい。ただローグライクとしてはそこまで突き出たものは感じられなかった。

◆Yawnoc◆

ローグライクのツインスティックシューター。牧歌的でかわいらしい一方なにやら不穏な裏世界も見え隠れしている。こちらも突き出たものは感じられなかった。雰囲気が好みならという感じ。

◆ルビナイト◆

2D見下ろしメトロイドヴァニア。主人公の赤ずきんはアニメ系で可愛らしいが敵は生々しいリアル系で、そうした作風の混濁は独特だ。 日本語対応しているが自動翻訳っぽい。

アクションはSEKIRO亜種。弾きの代わりにジャスト回避を軸にして戦う。敵に集中orジャスト回避でゲージを溜めていき、溜めたゲージの分だけ致命攻撃の威力が上がる。SEKIROにおける弾き→体幹溜め→致命の流れを高速 簡略化したからくりは面白い。だけど、これジャスト回避だけやっておけばいいのでは?という感触がしてやや不安を覚える。

◆メタルブリンガー◆

サムライブリンガーの続編。アセンブルしたロボットでランダムダンジョンを攻略していくSci-fiローグライク。ロボットといいつつパーツの関係で人間の姿にもできる。個人的には操作の感覚が合わなかったので見送るけれど、クオリティは高い。

◆Yee-Haw!!◆

ATARI風のゲームはけっこう多いのだが、ついにヴァンサバにもやってきた。ただATARI風というのを考慮してなお淡々としすぎている印象は受ける。ちなみにATARIというのはファミコン以前に存在していたゲーム機のこと。

◆Pipkin◆

ツクール製RPGでポケモン風の戦闘をする。あくまでポケモン風であり、主人公は戦闘に参加するしクリーチャー集めはパーティ作りの代わりといった感じ。雰囲気はかなり良い。マザー2っぽいビジュアルにさらにおとぎ話っぽさを足してふわふわの世界観にしている。

一方、ツクール製というのもあり戦闘のテンポはやや悪い。そも体験版の時点では調整が甘いようで1戦1戦が冗長に感じる。今後のブラッシュアップに期待したい。


締め
ローグライクとデッキ構築は増殖し続けているので、どうしても買うタイトルを選別せざるを得ない。

ところでローグライク・ローグライトという言葉を使うときはいつもその定義に迷う。範囲が広すぎる上に原義のローグライクとかけ離れていることも多いためだ。ただし、それも悪くないかなと感じている。

ジャンル名というのは定着しすぎると役割が変わり、もう一段階上のより抽象的・包括的な存在に変化してしまうものだ。その段階に達した言葉において、もはや”定義”は重要ではなくなっていく。例えば、音楽のロックやジャズにおいて、その定義を緻密に議論することは現代ではほとんど試みられないと思われる。もちろん、熱心なクリエイターや研究者にとっては今なお議論するべき対象ではあるのだろうけれど。

ローグライクも今ではそれらのような、ジャンルよりも一段階上の存在に立っていると思われる。なので定義に苦しむ必要はあまりないのかもしれない。要素が含まれていれば、さらにいえば空気感や文脈さえ汲んでいれば、それはローグライクなのだろう。

この現象はソウルライクやメトロイドヴァニアあたりにも当てはまる。

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