選択肢としての「不登校」
どうもどうも。イマンモです。
いやー夏が終わりますねーいよいよ9月ですし夏の終わりですよねーヒグラシもないていますねー(棒)
いや、嘘だッ!
嘘だウソだうそだUSOだーッッ!
まだまだめっさ暑いわーい!今日も35℃あるし予報じや明日もあるやんけーい!!
もう、アレだ。地球滅亡だ。カウントダウン始まっちゃってるわ。グレタトゥーンベリっちゃうか宇宙戦艦見つけてどっかの星探すしかないわ。で、耳尖った緑色した宇宙人にドラゴンボールで何か呼び出してもらおう。で、なんか頼もう。何か涼しくなるやつ頼もう(錯乱中)
はい、ということで、今回もわけわからん愚痴から始まっております。
ただ、季節感はともかくカレンダー上、今日はまごうことなく8月31日。ということは明日からは9月1日。いわゆる新学期が始まっちゃいます。地区によっては、もう始まっちゃってるかもしれません。
我らがヒルネットも明日から秋冬学期。明日は教室お隣にある井の頭文化園にお弁当持って行こうと思っておるんですが、それこそめっちゃ暑いかな〜。
で、この「新学期」が始まる頃。
ご存知のとおり、実は盆休み明けの大人たちより遥かにウンザリとした気分や不安な気持ちに苛まれている子どもがたくさんいます。ここにも。そこにも。あそこにも。
ちょうど一年前。そんな不安な気持ちを抱えているだろう少年少女についての記事を書いてましたので、よろしければ、こちらもどうぞ→(「学校に行かないことが『正解』だった」)
「不登校」はやっぱ心配?
ところで、この時期になると、一方で「学校行かなくて大丈夫」とか「子どものサインに気づいてあげて」といった子どもSOSにどう対処するか的記事が、たくさん世の中の人の目に触れる形で出てきます(まあこの本記事もその類です)。
それは上の記事でも書いてる通り、長期休暇の後が最も不安が増幅しやすい時期だからなんですが、実はこの前、そんな世の流れにある意味逆らうというか警鐘を鳴らす的な文章を見つけました。
おそらく小中学生ぐらいのお子さんを持つお母さんのブログだったかと思うんですが、要約すると(というかテキトーに話をまとめちゃうと)以下の感じ。
「なるほど。てめーらの意見はよくわかった。OK。子どもが学校行かなくても大丈夫。そりゃ、そうさ。アタイだってこないだまではそう思ってた。別にアタイの子の話じゃあ無かったからな。子どものサイン? 言われずとも愛する我が子だぜ? こちとらちょっとした変化にだって敏感すぎるほど敏感だわさ。普段より爪伸びてるってだけでちょいと気になるんだ。
ってことでアタイは休ませることにした。学校を。自分の子に。なんといっても、あんたらの言うサインってやつがめちゃめちゃウチの子から出てたからね。
さて、と。ここからだ。ちょいとあんたらに聞きたいんだけどね。いいか? ちゃんと答えてくれよ? 学校は休ませた。一日。1週間。1ヶ月。おっと、もうこれは休むって感じじゃあないね。ウチの子は、いわゆる『不登校』ってやつになったわけだ。
で、この後、アタイはどうすりゃいいんだい? 子どもの選択を受け入れ見守る? なかなかお上品なこと言ってくれるじゃあないか。でもね。考えてみておくれよ。学校休むようになってからのこの数ヶ月。昼ごろ起きてきて、その後、ずーっとゲームさ。ゲームゲームにyoutube!いやいやわかってる。そりゃ、今だけだって言うんだろ? だけど、こっちはやっぱ心配なわけさ。このままずーっと引きこもっちゃったらどうしようか? まともに学校も行けないで今後うまく他人とやってけるんだろうか? いや、そもそもこの子はまともな人生歩めんのか?ってね。
だから、アタイは教えて欲しいわけさ。学校行かなくて大丈夫。いや、大丈夫ってどう大丈夫なわけさ。いつまでウチの子はゲーム漬けなのさ? ウチの子はこの後マトモに人生送っていけんのかい? さあ答えてもらおうじゃないか!」
ということで、答えます。
まず、「不登校」と言われる状態にあるお子さんがめっちゃゲームとかyoutubeとかに没頭する。これはいわゆる逃避行動であり、「本当は学校に行かなくてはいけないのではないか?」という現実の不安から心理的に自己を守ろうとする防衛機制が働いている状態です。
簡単に言えば、ゲームが楽しくいからやってるわけではなくて、現実の不安を忘れるためにやっている。
もちろん、それ以前に禁止されていたりした場合、ある種、抑圧から解放された状態になってやっているという側面もあるでしょうし、全てのケースを一つの理由だけで説明できるわけではありません。ただ、こうした側面が多くのケースで見られるということです。
「不登校」の種々の段階
次に「いつまで見守ってればええねん」問題。
これはめっちゃ難しい。というか個人差ありすぎです。
ただ、多くの場合、段階があります。
まず、「不登校」なりたて、の時期。この時期が本人も家族も一番きつい。
「明日になれば学校行けるかも」などと本人が思っていたり、また家族がそれを「応援」なんかしちゃってるとますます辛い。悩む時間が長引けば長引く分、その後の精神的ダメージも大きくなります。
次に、本人も家族も「不登校」という現実を受け入れざるを得なくなった時期。
ただ、実際は心理的葛藤が続いていたり現状にストレスを抱えているため、それを発散する形で怒りっぽくなったり暴力的になったりと感情や行動のコントロールが難しい状態が続きます。
さらには自分の殻の中に閉じこもって、家族含め他者との交わりを断とうとするようなケースも多く見られます。人によっては一日中寝ていたり夜だけ起きているというようなこともあります
繰り返すと、ここまでは本人も、また見守っている家族にとっても一番きつい時期です。特に社会的自我が形成されつつある中学生以上の場合、こういう段階を踏むことが多いように思います。
また先ほどの「一日中ゲームばかりやっている」という時期と、この時期が重なっている場合もあります。ただ、本当に深刻な場合は「ゲームすらしない」ということがあります。
こうした時期は本人も周りも辛いのですが、一方で、それまでのストレスで枯れ果てていた「エネルギー」を少しずつ貯め始める時期でもあります。
それゆえ、次第に次の段階として、「自分の好きなことだけやる」ような状態が子どもに見られるようになってきます。
良くないのは、この時期に親御さんの方で、慌てて色々なことを再び子どもにやらせようと働きかけることです。「好きなこと」ができるようになったからと言って、「エネルギー」が十分に溜まったわけではありません。まだ充電中だと思っておいた方がいい。
もし、もともとそんなにゲームが好きでない子であれば、この時期、別のことにも興味を持っていくかもしれません。
しかし、ゲームばかりしていたとしても責める必要はありません。
というのも、逃避的傾向からゲームをしているのでなければ(つまり、そういう段階を過ぎているのであれば)、やがて「暇だなあ」「退屈だ」といったことを子どもが口にするようになってくるからです。
こうした言葉を子どもが言うようになって初めて、「再活動」に向けて色々なことを考えられるようになると言えるでしょう(でも、その場合も、あくまで本人の意思が最優先です)
まあ、以上もある種の一般論。こういうパターンじゃ無かった! という例もたくさんあるでしょうし、どこかの段階が非常に長いというような場合もあるでしょう。
逆に「懊悩」する時期など全然なく、いきなり「学校」とは違う選択肢を見つけていく子だっていると思います。
だから、あくまで参考例の一つ程度に考えてもらえれば幸いです。
「不登校」とライフコース
さてさて、最後。
「不登校」の子の人生どんな感じやねーん問題。
上に半ばふざけてまとめた女性の文章にもありましたが、「うちの子、不登校になっちゃったけど、この後、どんな人生送るの?」ということに、意外なほど不安を感じている人が多い。
いや、意外ちゃうやろ、というツッコミが入りそうですが、教育に関係する仕事を長くやっていると、上で書いた「再活動期」になりさえすれば幾らでも選択肢はあるやん、と思ってしまうのですよね。
まず、一つ目の選択肢が、フリースクールやオルタナティブスクール。
学校にはもういけない、行かせられない。しかし、やはり他者と関わる場所は必要だ。
もし本人あるいは保護者にそうした考えがあるのなら、やはりこれらのスクールが選択肢となります。
もちろん、まだまだ数は少ないですし、通わせるにはお金もかかる。
ただ、少なくとも「学校」というシステム以外にも、さまざまな「学び」を得られる場所があるということを理解しておくことは、今、学校が辛いと感じている子どもたち、またそんな子どもたちを心配している親御さんたちにとっては、一つの安心を与えるものとなりうるのではないでしょうか。
また、実際ヒルネットを運営してきた僕のこれまでの体験からいうと、今後はいっそう、そんな種々の場所で「学ぶ」人間が増えていくだろうと、つまりそれが「ふつう」になるだろうとの予感もあります。
おっと待て。だけど、フリースクールに通っていたって、高校卒業なんかの免状は取れないんだろう?
その通り。残念ながら、いわゆる「一条校」と呼ばれる学校法人に通っていなければ、高校卒業の免状は取れません。
しかし、心配することは全くない。
高校以上の年齢の子にとっての選択肢は、それこそ無数にあります。
例えば、通信制高校。N高なんかが一時期話題になりましたが、そこじゃなくとも通信制の高校はたくさんあります。
通信制と聞くと、自宅で学習課題だけやるようなイメージがあるかもしれませんが、今時はそうじゃありません。週三日実際に教室へと通ったり色々選択できるようになっておるんですな。
同じ意味で、昔と全然違うのが定時制高校。
僕が昔一瞬だけ通った頃(30年以上前)は、夜間でガラの悪い連中がタムロしている感じでしたが (え、違う?)、今は全然違います。定時制といっても日中から通うコースが存在したり無学年制を取り入れ自主的な時間割を作成させるような個性的な高校もあります。
また、そもそも高校のような「学校システム」の枠内にあるものは嫌だという場合は、高卒認定試験があります。
こちらは一年に2回ある試験を受けて全部で8〜9教科の単位を取れば、高校卒業と同じ資格を得られます。
合格の目安はだいたい各教科40点〜50点。50点取れば、ほぼ間違いないと言われています。また一度合格した教科は、そのまま次回試験に資格を持ち越せ免除となります。
実際、僕が関わってきた子どもたちで、この高卒認定試験を取得した子は、皆、1年〜2年で取得できました。
最後に大学への進学ですが、これはもう本人の意思と努力次第としか言えません。
そもそも大学という場所で本当に「学び」を続けたいか。そのために狭義の「学習」に限らず知的関心を幅広く持ち、また学ぶ意欲・努力を維持し続けられるか。
これは「不登校」云々ということとは別に、「再活動期」以後に、そうした知的意欲を持てるか否かにかかっているでしょう。
ただ、個人的な体験として言わせてもらえば、大昔に元「不登校」児だった僕は意味不明に修士・博士含めて10年以上大学に通っています。
また、僕が関わった子どもたちで大学に進学した元「不登校」児もたくさんいます。今年、イギリスの大学への進学を決めた子だっています。
本人にその気持ちがあれば、決して難しいことではないと言えるでしょう。
さてさて。
本日は短くまとめるつもりが、またしても長々と文章を書く羽目になってしまった。。。
今回の記事は、どちらかというと、「学校をつらく感じている」お子さんを持つ保護者の方々に向けて書いたつもりです。
どうかご自分のお子さんが、明日から始まる学校に対して何らかの「サイン」を出していたら。
お子さんの話を聞いて、場合によっては「登校」を「拒否」させるという選択をさせてあげてください。
それでは、それでは。