180日後に去る私 54

いよいよボーナスの支給日が来ました。
Hさんと違って表立って騒がなかったですが、私ももちろん金額は気になる所です。

以前にも書きましたが、転職する時に自分で定めたルールがありました。
「年収を下げない」という事です。
1年目はボーナスがないので、もちろん下がりました。しかし覚悟の上で入社したのは私ですから、全く異論は無いです。問題があるとすれば、これから先の3年5年と続けていった場合なのです。

年数と評価を重ねていけば、昇給はかなり期待できる
夢のある会社です
という説明を、U課長や工場長から受けていました。
ある意味、その人柄や将来に賭けた部分も大きかったです。


Hさんと並んで明細書を受け取り、詰所に戻ってから2人で開けてみました。恐る恐るといった言葉がぴったりでした。

「っしゃー!」
Hさんの声が上がりました。
と言っても、大きな金額ではありません。
しかし、Hさんが希望する水準の額は、ちょっとだけ超えていました。


私の方もあまり差をつけられていなく、2人とも平等に支給されたと言った感じでした。
まあ…とりあえず、とりあえずこれで来年からの年収は、前職に追いつくかどうか近い所までは来るのがわかりました。


ホッとした事も覚えていますが、大きな不安要素がひとつありました。

前職はボーナスと昇給はそこそこの額でしたが、月給が残業代に寄る所が大きかったので、年収は平均程度でした。
転職して月給は増えましたがボーナスは減ったので…結果的に年収が横ばいよりちょっと下くらいになりました。
あとは昇進や昇給、将来的に見て支給額がどれくらい増えるかでした。


平社員のままでは昇給は殆ど望めないので、
昇進できたら年収は前より上がり、できなければ横ばいもしくは低下です。

やるべき事はシンプルでした。続けるためには何年かけてでも結果を出して、昇進しなければならない。
分かりやすくて良かったのですが…不安要素とはその制度でした。

昇進やボーナスの評価基準が「決まっていなかった」んです。

全ては社長の気分、
上司の気分、
逆らうか逆らわないか、
残業をよくしているかしていないか
いつも飲み会には参加しているかしていないか

他にもたくさんありますが、どれも時代に合っていない理由ばかりです。少なくとも私にはそうとしか思えませんでした。
こんなに大切な事が不透明な会社は終わっています。
結果として、どんどん人が辞めていき、良い方向に変わる事は決してありませんでした。



会社を去るまで
あと127日

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