180日後に去る私 31

これまで色々言わせてもらったり、マニュアル作りにも携わらせてもらったり、この会社を変える事に力を注いできた訳ですが…まだ私は平社員。
最近入ってきたOさんやBさんとも役職の上では全く変わらない存在です。

元々、私かHさんのどちらかを主任に上げて現場の管理をしてほしい、と工場長や会社は考えていた事もこの時期には伝えられていました。
正確にいつかは覚えていませんが…私は辞退したい旨を伝えました。

Hさんの方が若くてこれからの人ですし、そもそも私は人の上に立つタイプではないと思っています。Hさんならば、みんなを引っ張ってくれるんじゃないかと思っていたからです。

それに私が上にいってしまうとHさんの立つ瀬がないとも思ったので…私はそういうプライドを全く持っていないので、それが一番丸く収まるのでは?と工場長に伝えました。


でも本当の事を書くと
「出世に興味がない」
というのが1番の理由でした。

誰か(会社や上司)に評価される為に仕事をしているわけではないですし、出世して激務になるくらいなら、家族との時間を取れる今の方がよっぽど良かったからです。
出世するのも正しい働き方だと思いますし、しなくても真面目にせっせと働けば良いのです。
もちろんそれは周りが決める事でもあるので、流れに身を任せて、できるだけ穏やかにやっていこう…

そんな考えでしたので、工場長やHさんのように出世して給料もたくさん貰って、成り上がっていくぞっていう野心のある方に頑張ってもらう方がいいと思っていました。

私は現場で若い人に教えたり、みんなで協力をしながら…
「なんでも知ってるおっちゃん」
というポジションでいいなと。

しかし、どうも現場のみんなは段々とHさんだとダメだという意見になっていったようです。

「できない人の気持ちに寄り添えないから」
「我が強すぎるから」
「Hさんに仕切らせるとみんなやめると思うから」

そんな声がOさんやBさんから上がってくるようになりました。
工場長も
「やっぱりIさん、もう一回考えてくれへん?」
とまた主任の話を持ち出してくるようになりました。

「Hさんはどうするんです?きっとそれ知ったら、ガッカリしますよ。それにHさん今はチームワークに欠けるけど…役職に就いたらいい方向に変わるかもしれないじゃないですか?」

「僕がちゃんと説明するから。というより、納得してもらわないと困る。会社の決定になるように僕も上に話したいんです」

「もうしばらく考えさせてください。少なくとも人事は6月ですし、まだ時間はあるでしょう?それでも良いですか?」

「もちろん。前向きな答えを待ってます」

いやはや…またもや思ってたのと違う方向に進みそうで、半分頭を抱えながら業務をこなす日々が始まりました。


会社を去るまで
あと150日

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