180日後に去る私 12

KさんとEさんが辞めて、結局私たちの職場は

工場長のTさん
事務のYさん
製造管理に関わるNさんとHさん
製品出荷に関わるJさんと私

基本は、この6名で工場を運営していくことになりました。
現場の私達は各々持ち場がありましたが、ヘルプに入ったり、優先度を譲り合って臨機応変に仕事を回していました。

これから向こう数ヶ月ほどは大きなトラブルもなく順調に仕事が回せるようになりました(繁忙期だったので残業がそこそこ多く、なかなか体力的にはキツかったです)

研修期間が終わりに差し掛かった頃、工場長から「どうですか、困っている事はありませんか?」
と軽い面談のような時間を取ってもらえたことがありました。

ちょうど良い機会なので、包み隠さずに話そうと思い、

「工場内の整理整頓」
「製品マニュアルの整備」
「必要資格の取得」

について、どう考えていらっしゃるのか尋ねてみました。

整理整頓については入社初日から感じていて、一言で言えば「作業場が汚い」と思いました。
工具は出しっぱなしの事が多く、置き場すら決められていない。
製品毎にきちんと保管場所を確保しなければならないのに、養生なしでパレットを段積みしている。これでは製品の破損率が上がりますし、バランスも悪いので安全性が低いです。何百キロ何トンという重さなのに人が歩いている時に崩れてきたらどうするのか?という疑問でした。

マニュアルについては「何を根拠に仕事をしているのか?」という事に繋がります。
仕事の輪郭だけではなく、作業手順や重要性、注意点などがひと通り決められていないと人によって仕事の仕上がり具合に差が出てくる。
それではいけないのでは?という疑問。

資格の取得については、最重要です。最速で動いてもらわなければ自信を持って仕事ができません。
法律を遵守し、堂々と働きたいですし本当に最低限の事なのでこの議題自体が会社として恥ずかしいものです、と。

随分言いたい事を言わせてもらいましたが、
工場長の答えは

「言ってる事は凄くわかります。僕も同じ気持ちですし、そういう事に気づいてくれる人が入ってきてくれて本当に良かった。これからより一層会社へも働きかけていくつもりです。一緒に変えていきましょう」

本当に初期の頃は、この言葉を信じた私ですが
「言うは易く行うは難し」という言葉を身を以て知る事になるとは…
この会社に入って得ることができた今後の人生の教訓はいくつかありますが、これに尽きるかもしれません。

「言葉に出すなら責任を持て」

という事です。

会社を去るまで
あと169日

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?