180日後に去る私 21
人員の補充で言えば、ひとつ笑い話がありました。募集をかけて、何名かの応募者の中から一次面接を工場長が行い、気に入った人に会えたら二次面接を行うという形でした(工場長から見て現場のみんなの輪の中に入れそうな人。人柄重視)
二次も、本来は本社のU課長や営業からの役職者で行うと思うのですが…工場長の考えは、結局一緒に働くのは私達現場の作業員なので、現場から誰かひとり二次面接に入ってほしいというのです。工場長の言葉を借りれば
「とりあえず僕が、この人ええんちゃうかな?みんなとうまくやっていけるんちゃうかな?と感じた人に会ってみてほしい。
現場のみんなにお願いしたいのは、実務内容や厳しさを僕よりも知ってる分、説明や質問で核心の部分をついてほしいんですよ。みんなが面接に関わる事で、ミスマッチも防げると思うから」
私達はその提案を受け入れて、ひとりずつ交代で二次面接に入るようにしました。
何人か迷った人が居たんですが…最終的には人柄が1番良さそうで真面目そうな人に決まりました。
その方の面接には私も入ったのですが…確かに工場長が推してる人だけあって、朗らかでハキハキしていました。
受け答えもしっかりして、年齢もそこそこなので、よくやってくれそうな印象でした。
私も勿論そうでしたが、会社などというものは実際入ってみないと絶対にわからないです。
雇う側にしろ、お互いにそうだと思います。
企業も従業員も、基本は良くなりたいと思って雇用契約を結ぶはずでしょう?
最初からミスマッチなんて望んでいないのだから…もっとありのままで会社の恥部や個人の欠点だってさらけ出したって良いんじゃないか?と今になって思います。
あの数十分で、会社の事も個性も分かる訳はないし、大きな企業ならやっているんでしょうが…事細かな適正テスト(便宜上テストと言ってますが、得点ではなく性格や能力を含んだ相性の擦り合わせを図るためのもの)を行って、しっかり研修を受けてから入社したら、お互い不要な苦労は減るのになー、と思っています。
日本式の取り繕いはやめて、win-winの関係を築けるような面接になれば良いですね。
私が会社と合わなかったからそう思うのではなく
「自分が会社に合うかどうか数年(私は4年)勤めないと分からない」
というのが非合理的だと思うからです。
人生は有限ですし、石の上にも3年など現代では通用しないというのが、あくまで私の体験です。
笑い話のオチを簡潔に記せば
入社当日の朝になって
「卒業証明書が用意できないです。学歴詐称してすみませんでした、辞退します」
と本社に連絡があったそうで…
全員で声を揃えて
「(9時始業なので)なんで8時半に言うねん!」
と呆れたのは、もう良い思い出です。
会社を去るまで
あと160日
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