180日後に去る私 4
面接が終わってから入社するまでの間は、不安と期待が入り混じった毎日でした。
私としては手応えがあったものの…帰り際に言われた
「採用であれば1週間以内に連絡を致します」
という定型文が妙に不安を掻き立てたので、
うーん…どうだろう
他の候補者も沢山いると言っていたし…
年齢も上の方だし、厳しいかも知れないな…
でも面接の手応えは結構あったぞ、と堂々巡り。
待遇面や面接の雰囲気、職場の見学をさせて頂いた限りは、何社か内定が決まっていた所よりも魅力を感じていました。
本当に何となくですが、フィーリングといったところでしょうか。
2次面接を受けた日に、妻には正直な気持ちを伝えました。
「もし今日受けた会社が不採用やったら、他の会社は全部蹴って、またイチから転職活動するわ。俺はこれが最後の転職やと思ってるから…後悔のない選択をしたいねん、ごめんな」
35歳での転職活動に、私は2つのルールを定めていました。
収入を下げない(1年、2年目は下がったとしても長い目で見て横ばいか上昇)
家族との時間を増やす(出張で家を空ける事が多かった為)
自分の市場価値を考えた時に、ギリギリのラインに立っている事は自覚していました。だけど何とか、このチャンスをものにしたい。
落ち着かない日々を3日位過ごした頃でしょうか、仕事を終えて帰宅中に電話が鳴りました。
「〇〇株式会社のTです。先日は面接にお越しくださいまして、ありがとうございました。採用に当たっての意思確認をさせていただきたく、ご連絡を差し上げました」
ヤッター!やったよ!
なんとか平静を装って今後の説明を受けながらも…声のトーンを抑えるのに苦心しました。
でもこういう連絡って、普通は人事部からあるのでは?と思っていると
「Iさんに直接意思確認をしたくて、私から連絡をさせて頂きました。明日にでも正式に本社から連絡が入ると思います。もし何か不安な点や確認したい事があればお答えさせて頂きますので、気兼ねなくどうぞ」
「面接でも少しお尋ねした事なのですが、みなし残業時間について…差し支えなければ直近の明確な数字をお教えいただきたいのと、今後超過する可能性はどれくらいありますか?」
みなし残業について、あまり良い印象がなかった私はこの一点だけが気になっていました。
ここ3ヶ月程の実績が半分ちょっとだった事、今後超過する可能性は人材が充実することで一層低くなるとの事。過去に超えた例はなく、残業の削減には会社として注力していきますという回答でした。
どこの会社に行っても何かしらの不安はあるだろうし…やってみなければ何事もわからない。
これも何かの縁だ、バリバリ働くぞ!
やる気を漲らせて家路を急ぎました。
帰って採用の知らせを伝えたとき
一緒になって喜んでくれた妻の顔が忘れられません。
会社を去るまで
あと177日
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