180日後に去る私 35

Oさんの一件は、工場長もきちんと面談をして話を聞いたようです。
どういったアドバイスや対応をしたのか、Oさんからある程度教えてくれました。 
「もうちょっと、一旦は頑張ってみてもう限界だと思ったら、また相談して。Hさんには指導のやり方を変えてもらうよう言うから」
ザックリと、そんな内容でした。
もう一度、一旦は頑張ってみるというのは、まあわからなくはないですし…私も含め周りも目を光らせて、やっていこうという感じで落ち着きました。
しばらくはHさんもおとなしくしてくれていました。

Bさんはというと、Hさんとは部署も違うので傍観していましたが、自分の役割はきっちりこなしてくれました。
さすがに大人なので仕事の概要を説明したら放っておいてもある程度、いい塩梅でこなしてくれたので、いつも助けてもらっていた記憶があります。
要点やルール以外に、あまり私からBさんに何かを教えた記憶はありません。
とにかく機転が利く人でしたし、気も効かせてくれました。
ついでに言うなら愚痴も聞かせてくれました。

自分と違う視点を持っている人は、一緒に仕事をするだけで幅を広げてくれますし、考え方を変えるキッカケにもなるので、良い刺激を与え合いながら仕事ができていたように思います。

色々と問題や課題はあるものの…なんとかかんとか日々の仕事を回している内に、ついにもう1人良い人が入ってきそうだという予定を工場長から聞かされました。
初めは私の下について、後々は私の代わりが務まるように育ててほしいとの事でした。

33歳くらいで年齢もちょうど良かったですし、前の会社では管理職を経験していた事、スポーツをやっていて体力には自信ありという情報だったので…私はちょっと期待をしていました。あとは本当に人間性だけ、そこに尽きます。

とりあえずこれで良い職場にできる人員は揃いそうです…あとはHさんのように周りを潰そうとして自分中心に振る舞う人をなんとかせねばならない。これには、かなり頭を悩ませましたが、絶対に解決する方法を見つけなきゃいけないと考え続けました。

マニュアルの方も私とHさんで、それぞれの部署の分がもうすぐ完成しそうでした。
ここまできたら当初工場長と話し合っていました
「能力より人間性」
という部分が、本当に全てでした。

決して綺麗事ではなく
「どんなに仕事ができたとしても、凄い能力を持っていたとしても、人に合わせる気がない人は要らない」
今でもそれは変わりません。この会社で飽きるほど見てきたし、考えてきました。
1番大事なのは本当に「人間性」です。
それ以外のことは本当に些細な、オマケみたいなものです。


会社を去るまで
あと146日

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