福永祐一騎手　

福永騎手、来年２月の引退が報じられた。

９６年、中京競馬場でデビュー戦を勝利したかと思いきや、
あの時、つづく２戦目も１着した。いきなりの２連勝だった。
まだ、関東では８レースまでの関西のレースは
競馬場のビジョンでも見ることができなかった時代。
それでも府中の大型ビジョンで、その日のうちに
「新人の福永騎手がデビュー戦初勝利、
そして続く２戦目も勝利しました」と
報じられたのを見ていた記憶がある。仲間の騎手達のおちゃらけた祝福に、
花束を手に爆笑していた新人・福永騎手が印象的だった。

デビュー後の快進撃に、
週刊誌Gallopではすぐに北橋修二さんの連載が始まった。
北橋さんは誌面を通じて「祐一…」とメッセージを送りながら
福永騎手のレース後の表情、きゅう舎での様子も綴っておられ、
毎週その成績と合わせて読み漁った。

福永騎手の騎乗はスマートというのが印象だった。
デビューの頃から慌てた様子を感じさせず、
新人なのにゴールデンジャックと堂々重賞レースで渡り合っていたから
予想をする上で「福永は新人だから・・」という思いが春先には消えた。

キングヘイロー、プリモディーネ、フサイチパンドラ、
すぐに名コンビも続々生まれた。
エイシンプレストンのメンコと、騎乗服でのお揃いコーデ、
今の時代なら萌える・エモいっていう人もいるだろうな。
ディヴァインライトとも数は乗ってないけど、名コンビだ。
重賞勝たせてあげて欲しかったけど、
いつも２着だったのもディヴァインライトらしい、と今でも思う。
ビハインドザマシクとはいっつも後ろからどこまで差してくるか？
楽しみだったし、
マルカコマチとは、デビュー戦からコツコツ条件戦勝って、
２人でやっと牝馬重賞まで届いた時は嬉しかった。
ファンだったインディーズバンドがメジャーで売れるまでを
追いかけた気分だった。

いつからだろうか、全く持って勝手な妄想だけれど
僕らが前日に馬柱を見て勝ち馬を予想するように、
福永騎手は、前日に馬柱を見ながら勝てるポジションを
予想しているんじゃないだろうか？と感じるようになった。
「気が付いたら、いいところいる」っていうのが道中の印象。
たまに変なところにいるなぁと思ったら、
それはルメール騎手に外から蓋されてたからだったり、
いい所には先に川田騎手が収まっていたり。
常にすべての駒が動く将棋みたい？な陣録り合戦のような道中や、
４コーナーを抜けてくるところが刺激的にも見られ、
結局やっぱりスマートだった。

エピアファネイア、リアルスティールでクラシック戦線ワクワクしたし
ケイティレイヴとのダート戦線、
インディチャンプの連勝からＧⅠ制覇と時代は進み
ワグネリアンでのダービー制覇は、
僕らも福永家に幸せのお裾分けを頂いた。
コロナの影響で、コントレイルとの姿を生で見れなかったことは
競馬ファンとして生涯悔やむことになるが、それも思い出。

そして今年、なんか乗鞍減らしてるのかな・・
と思っていたら調教師試験の話題。次のステップへの１歩。

どうも文章もうまくまとまらない。２月までにまとめよう。
何が言いたいかっていうと、
デビューからずっとしっかり見てきた騎手のラストはやっぱり寂しい。
２月までに府中でも中山でも数多く乗って欲しい。
わがままを言えるなら土曜にも乗りに来てほしい。

土曜のゆっくりした空気の中で、人の少ないパドックで
福永祐一騎手のジョッキー姿を眺め切りたい。