構成作家・今浪祐介

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最近の記事

仕事の合間に独り言つ

QOLについて考えることがある最近。 クオリティ・オブ・ライフ、生活の質である。 もともとは、病などを機に「普通」とされる生活が送れない状況にある方の日々の暮らしを、どこまで「これまでのように」「かつてのように」戻すことができるか?といった概念から生まれた言葉のように記憶している。 間違っているかもしれないが、僕自身の中ではそうある。 今、自分自身 病を抱えているわけではない。 だから、物理的にはやりたいことができる環境にあるとは思う。 だが現実的に時間がない。 「寝た

    • 競馬は人生に大切なことを教えてくれる「セリフォス 2022年/マイルチャンピオンシップ」~こだわり続けるオタクは強い~

      昨年、6番人気だったセリフォスが大外から、自身の前にいた10頭以上をまとめて差し切った去年のマイルCS。かっこいい勝ち方だった。 セリフォスー。 最近では珍しい生粋のマイラー、というかガチのマイル専門家だ。「当店のメニューはつけ麺のみ!」といった店舗のようなこだわり。デビュー以来、今なお出走しているレースはすべて1600mだ。 川田騎手とのコンビで新馬・新潟2歳Sと連勝したのもマイル戦。 C.デムーロ騎手を背に初めて挑んだGⅠもマイル戦「朝日杯FS」。 前に行った馬はみんな

      • 競馬は人生に大切なことを教えてくれる「テイエムプリキュア 2009年/エリザベス女王杯」~舐められてる。。それはラッキーにしないと損!~

        予想をする際、当然「穴を開けるなら」はいつも考える。 エリザベス女王杯はここ10年、5番人気以内が8勝2着4回3着7回と比較的固いレースだ。 それでもやっぱり「穴を開けるなら‥どの馬?」は考える。その中で、やっぱり思い出すのは2009年のテイエムプリキュアだ。 テイエムプリキュアー。 名前の由来はもちろん人気アニメのプリキュアだが、40代後半の僕にしてみればハートをキャッチされた「プリキュア」といえばやっぱりこちらのパラダイスクリーク産駒の牝馬だ。 最初のテイエムプリキ

        • 競馬は人生に大切なことを教えてくれる「アグネスデジタル 2001年/天皇賞(秋)」~空気なんか読まなくていい~

          アグネスデジタル。間違いなく強い馬だった。 破壊的に強い馬だった。 戦績を見ると32戦で12勝。そのうち重賞はダートで6つ。芝で4つ。芝で勝利した重賞はすべてGⅠ。勝った距離も1200m、1600m、1800m、1900m、2000mとバラバラ。さらに勝利した競馬場も「東京・中山・阪神・京都、川崎。名古屋・船橋・盛岡、香港」と様々。そこに競馬場があれば行く、そして勝つというスタイルは「競馬界のオールラウンダー」といった印象だった。   でも、GⅠで完勝したかと思えばGⅢで3着

        仕事の合間に独り言つ

        • 競馬は人生に大切なことを教えてくれる「セリフォス 2022年/マイルチャンピオンシップ」~こだわり続けるオタクは強い~

        • 競馬は人生に大切なことを教えてくれる「テイエムプリキュア 2009年/エリザベス女王杯」~舐められてる。。それはラッキーにしないと損!~

        • 競馬は人生に大切なことを教えてくれる「アグネスデジタル 2001年/天皇賞(秋)」~空気なんか読まなくていい~

          競馬は人生に大切なことを教えてくれる「ナリタトップロード 1999年/菊花賞」~何かを変えたら「なんか!」ある~

          今日は三冠の締めくくり「菊花賞」だ。 皐月賞馬、ダービー馬が揃って出走するのは23年ぶりらしい。2000年のエアシャカール(武豊)、アグネスフライト(河内洋)以来だ。 「両雄並び立たず」という言葉があるが「皐月賞馬・ダービー馬が菊花賞で1着・2着」という結果は、長い競馬史の中でも・・ 1973年 1着 タケホープ(ダービー1着) 2着 ハイセイコー(皐月賞1着) 1998年 1着 セイウンスカイ(皐月賞1着) 2着:スペシャルウィーク(ダービー1着) この2回だけ。

          競馬は人生に大切なことを教えてくれる「ナリタトップロード 1999年/菊花賞」~何かを変えたら「なんか!」ある~

          競馬は人生に大切なことを教えてくれる「チェリーメドゥーサ 2012年/秋華賞」~何かやれば何か残る~

          3冠のかかった年の秋華賞や菊花賞は、その歴史的瞬間を見ることができるかどうか?というワクワクは確かにある。だが、本当に個人的な見解だが逆に何となく寂しさを感じてしまうのも正直な気持ち。 馬券的な妙味が少ないということもあるが、競馬場の空気も、実況も各メディアも番組もどうしても視点がその3冠に王手した馬にだけ集まるから「他の全頭だって主役だぞ。なんだかなあ」と感じてしまうのである。 「じゃあ3冠達成ならず!と波乱が起きてほしいか?」と問われると、その瞬間も見たいわけで‥感情

          競馬は人生に大切なことを教えてくれる「チェリーメドゥーサ 2012年/秋華賞」~何かやれば何か残る~

          競馬は人生に大切なことを教えてくれる「ビコーアルファー 1997年/スプリンターズステークス」~得意なことでなくてもやれることをやりきる~ 

          「一門」の看板がビコーペガサスなら、 ビコーアルファーは太刀持ちといったイメージだった。 ふり返ってみると、重賞は24回挑んで未勝利。 でも獲得賞金「3億円超え」というのは立派。そうそういない。 黒い馬体にうっすらと汗が光るのがかっこ良い1頭だった。 雰囲気があった。引退後、騎馬隊に行けたのも納得。 最初に、強い印象を受けたのはフジキセキの弥生賞を見に行った時だ。 彼はまだ1500万下で走っていた。 95年の3月、行きの電車。競馬新聞でちょうど 10R「ファイナルC」のペ

          競馬は人生に大切なことを教えてくれる「ビコーアルファー 1997年/スプリンターズステークス」~得意なことでなくてもやれることをやりきる~ 

          備忘録「ウインユニファイド」

          2023年8月28日、ウインユニファイドが生涯を全うした。 僕はただのファンだ。 ウインユニファイドのファン。 ファンになったのも、早い方じゃなかった。 5歳~6歳、準オープンにいた時だ。 ずっと走っているなあというのが最初の印象。 関西馬だったということもあり、 大抵見るのは馬柱での名前、そしてビジョンに映る姿。 会えそうで中々会えない有名人みたいな感じだったのかも。 全身のバネを使って飛ぶように走るといった感じでもなく、 でも前へ前へ、届かなくても最後までしっかり走

          備忘録「ウインユニファイド」

          福永祐一騎手 

          福永騎手、来年2月の引退が報じられた。 96年、中京競馬場でデビュー戦を勝利したかと思いきや、 あの時、つづく2戦目も1着した。いきなりの2連勝だった。 まだ、関東では8レースまでの関西のレースは 競馬場のビジョンでも見ることができなかった時代。 それでも府中の大型ビジョンで、その日のうちに 「新人の福永騎手がデビュー戦初勝利、 そして続く2戦目も勝利しました」と 報じられたのを見ていた記憶がある。仲間の騎手達のおちゃらけた祝福に、 花束を手に爆笑していた新人・福永騎手が印

          青春のエリザベス女王杯

          この週末は「エリザベス女王杯」だ。 実質、牝馬の世代を超えたナンバー1を決めるレース 「桜花賞・オークス・エリザベス女王杯」が 3歳(昔は4歳)の牝馬3冠だった時代を経て 4歳以上のオープンとなったのが96年。 その初代優勝馬はダンスパートナーだ。 サンデーサイレンスの初年度産駒。 良血で騒がれたイブキニュースターや 笠松所属で注目を集めたライデンリーダー、 オグリ産駒として注目を集めたアラマサキャップと同期。 小さな馬だった。小倉でデビューして新馬勝ち。 そして春から、

          青春のエリザベス女王杯

          放送作家のエッセイ

          「放送作家が『お金』をテーマに綴るリレーエッセイ」と言う企画。 大変光栄にもご依頼を頂き書かせて頂いた。 お声がけ頂き本当に嬉しかった。感謝。

          放送作家のエッセイ

          2005年5月29日「日本ダービー 4枠7番 インティライミ」

           八王子方面に下る甲州街道、車の流れがいつもよりスローな気がした。由幸は第6レースの発走時刻をチェックした後に、料金メーターの横で、赤いラインを映し出しているカーナビに目をやりながら運転手に聞いた。  「運転手さん、この先もずっと混んでます?」 「どうでしょう。車の流れはそうでもないんですけど今日はダービーでしょう?だから競馬場近くの横断歩道を渡る歩行者が多くて、そのぶん1回の青信号でこっちから行ったら左折ですか?曲がれる車が少なくなっちゃうぶん、どうしても混んじゃうんです

          2005年5月29日「日本ダービー 4枠7番 インティライミ」

          普通の言葉が素敵な言葉⑥     「ごめん」

          「『アリオ』が定年てよ。  現役の子らが主催で慰労会やるんて。結希、来る?」  同期の紫帆は仕事が早い。高校時代の体育教師でバレー部の顧問も務めた有田先生の定年祝いパーティの連絡を8カ月前には知らせてくれた。 地元に暮らしている人間としては、断る理由を見つける方が難しいくらいの速さの連絡だ。もちろん紫帆とも久々に会いたかったから良かったけど‥ 結果、参加したおかげで孝にも再会してしまった。 元彼「孝」に会ったの24年以上ぶりだった。 孝は高校卒業後、地元を離れてそのままの

          普通の言葉が素敵な言葉⑥     「ごめん」

          普通の言葉が素敵な言葉⑤     「とりあえず」

          「とりあえず生。みゆきは?」   庄平は、ネクタイを緩めながら通された座席に腰を下ろした。 みゆきも「私、レモン杯お願いします。濃いめとかできますか?」 とメニューを見ずに続いた。 付けて来たピアスを失くさないようにいようにケースに仕舞いながら、 向かいの丸椅子に座る。   「久々に酔っぱらった~。てかまだ5時って早くね?」 「結婚式始まったの昼だったからそりゃそうでしょ。」 「そか」 「てか駿と優。高校ん時から付き合って‥ってホント尊敬する」 「まぁね。とりあえず乾杯」  

          普通の言葉が素敵な言葉⑤     「とりあえず」

          普通の言葉が素敵な言葉④     「どうでもいい」

          『好きです‥。俺と付き合って下さい』   出た‥。倫太郎は聞こえてない振りをしながら、内心でだけ頭を抱えた。 だが、その不安はやはり即的中した。   「いいわぁ。アオハル感じる!」   美里が、アニメの告白シーンから目を離さないまま圧を込めて話し出した。   「私達の間にこれ、この一言なかったもんね。いいわぁ。」   美里は、グラスに満ち満ちに入ったビールに口もつけず続ける。   「『好きです!付き合って下さい!』欲しかったわぁ」   もう何度目か分からないこの会話の流れ、倫

          普通の言葉が素敵な言葉④     「どうでもいい」

          普通の言葉が素敵な言葉③     「それな」「それちゃ」

          「それな」「それちゃ」 「勇人、昨日の『方言ボーイズ』見た?」 「あ。忘れてた」 「もったいな。昨日、お前んところの方言の回だったよ?」 「そうなんや。帰って見る」 「なんだよ。せっかく話振ったのに・・」 「ごめん、やっぱオンタイムで見ないと話し遅れるね」 「それな」 そう言うと、大学入って知り合った同級生は俺の先を歩いた。 「それな」 こっちに来て初めて触れた言葉。 最初「~じゃん」とか「~でしょ」よりも違和感を覚えた。 俺も言うようになるんかな。 って思ったりして

          普通の言葉が素敵な言葉③     「それな」「それちゃ」