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こころのおく
『考えすぎ』
そう言われてしまえば、それまでで
確かに自分でも生きづらいなと、感じてしまう事も多くて
相手の裏の裏を読もうとしてしまう癖は、いつからついたんだろう
空気という物に、昔から良くも悪くも、敏感に反応する人間だった
きっと誰もが持ってる感覚だと思う、会話の中でも少し上の空だなとか、今この人嘘ついてるとか
そういう些細な感覚の話
子供の頃初めて出来たグループ、私の中では仲良しだと思っていたけど中心的な女の子に、直接「嫌いだ」と言われて外されてしまった
勿論、傷ついたけど理由が知りたかった
嫌われてしまうということは、原因があるはずだ
自分の嫌なことは相手にしてはいけない、そう厳しく親に教えて貰った私は必死で考えた
傷つけてしまったのなら謝らないと、何度もその女の子に問い詰めた
でも気味悪がられるだけで、逃げられて笑われる
そしてやっと理解した
単純に私の事が好きでは無かったんだな
それから私は、良く周りの人間を見るようになった
教室でも外を歩いてるただの他人も
自分には関係のない感情まで読み取ろうとするようになった
あの時代よりは酷くないけど、電車の中はまだ辛い
例えば、目の前に座ってるお兄さん
貧乏ゆすりをしている
イライラしているのか癖なのか
でもきっと隣のお姉さんは眉間に皺を寄せてるから、その貧乏ゆすりでお姉さんもイライラしている
見なければいい話、でも見てしまう
勿論、気分は良くない
突き放す言い方をすれば私には関係ない、申し訳ないと思うのもおかしい
でも気持ちが倍に降ってくる感覚で、席を離れたくなる
電車は空気的にも重いから、実はどの場所よりも苦手だ
こんな風に、嫌な事例ばかり書いているけど良いこともちゃんとある
自分にとって大切な人が帰り道、一人だけ早足で先に進もうとしていた
普段から歩くのは速いんだけど何だろう
歩幅の感じと背中から出る雰囲気が、いつもと違う気がして
追いかけて、肩を叩いても真っ直ぐ前を見続けるから
「どうした?」と何となく聞いてみたら
急に涙を流してしまった
気付いて良かったと本気で思った、直ぐに反応出来て、私の力では些細な物かもしれないけど
こういう時に直感で相手の近くに動けたこと、この瞬間だけは本当に良かったと思えた
苦しいと思う事が大半だし、読みすぎて自分から壊してしまったり
私は使いこなせてない気がするけど、自分にとって大切だなと思える人達に
何か返せる感覚でもあるから、一緒に成長していきたい
そう言えば、お母さんがよく
「直感を大切にして生きていきなさい」
と言っていた気がする
その通りかもしれない