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【全国小中高休校について考えてみました −もしかしたら「コロナいじめ」の拡大を防いだかもしれません−】

2日から、多くの市町村で小中高の全校休校が始まったと思います。突然の要請と行政の判断に、初めはなんと無茶な注文をと批判的でしたが、視点を変えてみて、もしかしたら良かったかもしれないと思うことがありました。少しまとめてみます。

台湾では、「学校で、感染者が1人でたら当該クラスの学級閉鎖、感染者が2人になったら全校閉鎖」という策をとっているとニュースで目にしました。そして、日本もその策を習うべきだという意見も目にしました。おそらく感染症の専門家の目から見たら、それが最良の策なのかもしれません。

でも、私がそれを目にして感じたのは、もし我が子がその「1人目」もしくは「2人目」になってしまったら、という恐怖感です。

インフルエンザも同じような対策をとるではないかという意見もあるでしょう。でも学級閉鎖、学校閉鎖に至るまでの感染者数が違うのです。たった一人で学級閉鎖、たった二人で学校閉鎖。もし、自分の子が非感染者で、学級・学校閉鎖で非常に困難な経験をしたら、どうしても、その「一人」や「二人」のことを思い出さずにはいられなくなる。感染者が悪いことをしたわけではないことを頭ではわかっていても、気持ちは追いつかないかもしれない。人間の性だと思います。そんな大人の心を見透かすように、子どもたちは「コロナいじめ」を始めてしまうかもしれません。

また、隣近所の付き合いが深い地方では、後の関係に影響する可能性もあるでしょう。先祖代々からその土地に住んでいるといった背景があれば簡単に引っ越すことも出来ず、心苦しい思いをずっと抱えなければならないかもしれません。想像するだけで心が痛みます。

全国休校要請は、休校の責任を首相が負った。私たちは怒りの原因を、方策を打ち出した首相自身に直接求めることが出来るようになった。怒りの矛先を責任のない個人に向けなくて済んだ、その点で、私たち救われたと言えます。そしてそれは巡り巡って、自分の選挙投票に帰着します。この考えに至ってようやく、この策に意味があったと思えるようになりました。

そして、範囲が全国ということも意味があった。もし特定の地域だけだったら、これだけ民間企業からの提供があったでしょうか。全国一律に要請だからこそ、全員が当事者意識を持つことができ、その中で民間企業が本腰を入れてそれぞれが出来ることを提供してくれるようになった、と思うのです。

感染症の専門家は、「全国休校」をやってはいけないとは言っていません。とすると、全国休校要請に意味がないわけではない。感染拡大が時間の問題と言われる中で、多くの人がこの問題を当事者として受け止めるきっかけとなり、少数の弱い者いじめに終わらない策として前向きに捉えられたらと思います。

そして、怒りを首相に向けるだけに終わらせず、次は自分たちで政治家を選ぶ、その気持ちを忘れずに持ち続けたいと思います。

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