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遊びと喧嘩と本当の勉強 #①【息子への手紙】

この夏休みはウーンと遊び、一つぐらいは勉強もしたかな?

中学三年の君を見ていると、この夏も二、三回は我が家に五、六人のクラスメイトを呼んでは朝まで話をしていたが、隣のマー君以外には学年の違う友達は来ないね。
今の日本の子供達に一番欠けるものは遊ぶ時間の足りなさだと思う。どうしてこんなになってしまったのだろうか。
「仲間と遊ぶことこそが、自ら学び、そして知る、生きた知恵の宝庫」なのに。

「良い会社に勤めたい、その為には良い大学に行きたい、その為にはできるだけ良い高校、良い中学に行きたい、親は自分の子供にそうさせたい」と? だから子供は小学校の後半から塾通いが始まる。塾の授業は受験勉強だから学年単位になり、結果として時間の合う同学年の子としか遊べなくなる。・・・・・そうやって子供達は個々バラバラになってしまったのだろうか。

私の子供時代は、学校から帰ると先ず「コイッちゃん遊ぼう!」と呼ばれて、それから「何して遊ぼうか?」と毎日たっぷりある晩飯までの時間をつぶす為の相談から始まったもんだ。
今のようにテレビもゲーム機もレンタルビデオもないし、お金もないので、何して遊ぶか自分達で遊びを作り出さなくっちゃならなかった。クラブ活動も中学からしかなかった。

もちろん中学生のお兄さんから小学生まで男も女もみんな一緒で、缶けりや縄跳び、ラムネの玉(メンコ)遊びやパッチ取り、金釘取り、陣地取り合戦、独楽廻し、ターザンごっこで木から木にツタを使って飛び移ったり、チャンバラごっこをしたり、川をせき止めて魚を捕ったり、罠でウサギや鳥を捕まえたり、メジロをメジロで呼び寄せて鳥もちで捕まえたり、竹で弓矢を作って飛ばしっこしたり、相撲をしたり、喧嘩をしたり、橋の欄干を歩いたり、橋の上から川に飛び込んだり、よその畑のスイカを食べに行ったり・・・・・・。

思い出せば自分達で作り出した遊びは面白かった。そこには遊びの先輩達が居て、それを取り仕切る「ガキ大将」が居た。

遊びと喧嘩と本当の勉強 #②へつづく


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