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【日本一周】出発前のお話

※2005年から2006年の出来事を思い出しながら書いています。

「日本一周しよう」に至るまで


社会人2年目の夏、私は八重山諸島の黒島で「一人旅デビュー」をした。

その後私は、仕事を辞めて一人で日本一周の旅をすることに決めた。
その理由は以下の3点。

1.離島ならではの近すぎる人間関係に触れてひどく落ち込んだ結果、「多くの人と関わることで自分をもっと成長させる必要がある」という結論に至った。

2.離島の民宿に感化され、将来の夢を”宿のオーナー”に変更。「旅人を受け入れる立場になるのなら、まずは自分が旅人にならなければ」と考えた。(ちなみにこれを書いている約20年後の時点で、宿はやっていない)

3.都内で接客の仕事をしていたが、お客さんと出身地の話になってもその土地の特色が思い浮かばず、会話を盛り上げられずにいた。勉強のために「行ったことのない県をなくしたい」という思いがあった。

これらを効率よく実行するには、【日本一周の旅】が最適だと考えたのだ。


出発までの10ヶ月間でやったこと

1.日本一周ブロガーの日記を読み、自分のブログを開設する。

当時(2005年)は「ブログ」全盛期。ブログ検索&ランキングサイトから日本一周ブログを見つけては読んでいた。中でも車で日本一周する女性がリアルタイムで更新していたブログはとても興味深く、読みながらどんどん気持ちが高まっていった。
「私の旅日記も誰かの役に立つかもしれない」「読んでいる人に一緒に旅を楽しんでほしい」という思いから自分でも旅ブログを開設し、出発の5日前から毎日更新を行った。

2.WWOOFに登録し、旅程を組む。

観光名所を見に行くだけではなく、その土地の生活を知りたい。そんな思いを漠然と持ちながら情報収集していると、WWOOF(ウーフ)という仕組みに出会った。

WWOOF [ウーフ] とは、お金のやりとりのない、人と人との交流です。
「食事・宿泊場所」と「力」そして「知識・経験」を交換します。
「食事・宿泊場所」を提供する側をホストといい、「力」を提供する側をウーファーといいます。単なる交換ではなく、WWOOFではホストとウーファーとの温かなコミュニケーションを大切にしています。

WWOOFジャパン

日本各地にいるWWOOFのホストのリストを見ると、無農薬、無化学肥料で作物を栽培する農家が中心で、「自分たちのやりたいことをやるんだ」という芯がある人が多い印象を受けた。何日滞在してもほとんどお金がかからないし、何より面白そうだったので利用することにした。
会員登録後、まずは全てのホストに目を通し、行ってみたいホストをリストアップ。その辺りに到着する日の目星がついたら問い合わせをして、滞在日程が決まったら逆算して歩みを進める…という流れで旅の計画を立てていった。

3.みんなとお別れする。

学生時代からお世話になった社長に「日本一周したいので仕事を辞めたい」と伝えた時、「意味がわかんない」と言われたことだけははっきりと覚えている。(そんな社長が「農作業で使えるものを」とプレゼントしてくれた手ぬぐいは、旅の間これでもかと使い倒したし、20年後の今でもたまに使っている)

何よりも有り難かったのは、常連のお客さんに退職することを伝えると、最後の数日間にみんなが花束を持って会いに来てくれたこと。仕事は人生経験の無さをカバーするためにがむしゃらにやっていたので、年上のお客さんたちが別れを惜しんでくれる姿に「ちゃんと見ていてくれたんだ」と心の底から嬉しくなった。お客さんにも旅ブログのアドレスを伝えたことで、旅の間にブログを続けるモチベーションにつながったと思う。

4.荷造りをする。

出発の3日前まで仕事をし、2日前と前日は友人が壮行会的なことをしてくれたので、荷造りを始めたのは出発の7時間前。5ヶ月間は家に帰らないつもりなのに、近所に散歩に行く感覚で荷物をまとめた。
しかしまだ旅慣れていないため、あれこれ詰め込んだバッグパックはとんでもない重さになっていた。


そうして私は、バカンスではなく、社会勉強の手段としての日本一周をスタートさせた。
「今までの自分」や「人から見た自分」を捨てた、真っ白な心で。




疲れた人にお茶を振る舞います。