【日本一周】2日目 愛知県 名古屋
〜ガラケー時代に公共交通機関で旅をした24歳の記録〜
2006年4月19日(水)
新居町(静岡県)→名古屋(愛知県)→高山(岐阜県)
ユースホステルは前払い制。誰もいないカウンターを通ってチェックアウトし、2km先の最寄り駅を目指した。
昨日も歩いた道だけれど、昨日は暗くて見えなかった景色。足元の花に挨拶しながら歩く。
私の前に、腰の曲がったおばあさんが歩いていた。おばあさんは出会う人や出会う犬に「おはようございます」とはっきりとした声で挨拶していて、聞いているだけで清々しい気持ちになった。
おばあさんがいなくなると、体育着姿の中学生たちが前から歩いてきた。無言ですれ違ってから「あ、忘れた」と言う声が後ろから聞こえてきて、(先生に挨拶しなさいって指導されてるんだなー)なんて思ったけれど、私が先に言うべきだったなと反省。
人間に挨拶できない自分が恥ずかしい。
駅に到着し、切符を買おうとポケットに手を入れた瞬間、私は大変なことに気づいた。
ユースホステルの部屋の鍵がポケットに入っている──
返しに行くしかない。普通に歩けば往復1時間。時間のロスを少しでも減らすために走って戻りたい。しかし私には重すぎる荷物がある。
駅員さんに荷物を預かってもらえないか試しに聞いてみたが、それはできないと言われた。崩れ落ちる午前中の予定。泣く泣くバックパックを背負い、再び駅とユースホステルを汗だくになりながら往復した。しんどかった。
新居町駅から向かったのは(本当は常滑市も観光したかったけれど)名古屋駅。降り立つとそこは大都会で、池袋を思い出して懐かしくなった。
ここでの目的地は名古屋城。道路の看板を見て歩き出したが、途中で道がわからなくなってしまった。強い日差しに汗が吹き出す。
1時間後に名古屋城に到着。時刻は14時を過ぎていて、お腹がペコペコだったので茶屋に入った。
すると、これぞ名古屋!という定食を発見。
全て美味しかったので、もう名古屋に満足してしまった。
でも一応城の中に入る。
展示物は多く、学校の授業で歴史が一番苦手だった私でもそれなりに楽しむことができた。意外と若いカップルも来ており、名古屋城はデートスポットになっていることもわかった。
名城公園を呑気に散歩していたら、乗りたい電車の時間が迫っていた。
パンパンのバックパックを背負った女が都会の駅を走る姿は、人々の目にどのように映っただろうか。
電車は乗ることさえできれば後は楽ちん。車窓を楽しみながら、携帯でちまちまと今日のブログを書いて過ごす。
そうして4時間ほど電車に揺られ、岐阜県の高山駅で下車した。
時刻は夜8時。商店街の店はほとんど閉まっている。
けれど観光地なだけあって、道路が真っ暗ということはなかった。
桜はまだつぼみ。名古屋との気温差を感じながら20分ほど歩いて到着したのは、今宵の宿、ひだ高山 天照寺ユースホステル。お寺のユースホステルだ。
さてお寺に泊まるというのは、どんなものなのだろうか。
疲れた人にお茶を振る舞います。