【スペイン旅行記・前編】スモデナランハに溺れたい
※2004年の出来事を思い出しながら書いています。
Aちゃんに会いに、いざスペインへ。
大学3年か4年のある日のこと、バイト先に新人のAちゃんが入ってきた。
彼女は純粋な日本人だけれど帰国子女で、話すのは英語と関西弁。明るくて堂々としていて人懐こい、とても魅力的な女性だった。
Aちゃんはもう一人のバイトのBちゃんともすぐに仲良くなり、私たちは3人で遊ぶようになった。でもお別れの時はすぐにやってきた。Aちゃんがスペインに留学することになったのだ。
私とBちゃんはスペインに行く理由ができたことを喜び、すぐに旅の計画を立てた。そして大学が春休みに入った2月、私たちは一緒にバイトを休ませてもらい、スペインへと旅立った。
1日目 東京→マドリード
日本からからスペインへの直行便はなく、海外の都市を経由する必要がある。ダントツでチケットが安かったのはアエロフロート(モスクワ乗り継ぎ)だったが、口コミでトラブルが目立っていたため、次に安いスイスエアラインズ(チューリッヒ乗り継ぎ)を利用することにした。
合計約16時間のフライトを経て、夜遅くにマドリードのホステルに到着。寝て起きたらすぐにマドリードを脱出するため、荷物も広げず眠りに就いた。
2日目 マドリード→コルドバ
朝8時にホステルを出ると、外はまだ暗かった。とりあえず近くのバルに入り、スペインで初めての食事を取る。
このスモ・デ・ナランハが美味しすぎた。間違いなく22年間の人生の中で1番美味しいオレンジジュースだった。オレンジの生搾りマシーン、日本のカフェにもぜひ置いて欲しい。
スペインのバルではゴミを床に落とすのが当たり前らしく、郷に入っては郷に従えと私たちもゴミを落とした。内心かなりドキドキした。
店を出た私たちは、脇目も振らず早足で駅まで歩いた。絶対にスリに遭いたくない。早くマドリードを出たい。その一心だった。
アトーチャ駅からAVEに乗って南へ移動。目指すはコルドバ。
コルドバ駅からはバスで歴史地区へ。路線バスに乗るのは日本でも緊張するが、ここでは周囲の人たちの温かさに助けられた。
ここへ来てようやく緊張の糸がほどけて記念撮影。さあ観光だ。
荷物を置いて、まち歩きスタート。まずはメスキータへ向かった。
メスキータの中庭に入ると、オレンジの香りが充満していた。なんと、地面が完熟オレンジだらけ。集め方を見る限り、食べることはしないのだろう。
メスキータを見た後は、ユダヤ人街へ。
歩いていると、メスキータの外でフラメンコを踊る若い女性たちに遭遇。スペインすぎる。
ぶらぶらしていると、一人旅の日本人男性に声をかけられた。たまには日本語で誰かと話したくなるのだろう。一緒に晩ご飯を食べることになった。
海外かぶれの若者と、根が真面目な私とBちゃん。会話は全く盛り上がらなかった。
3日目 コルドバ→セビリア
ホステルで朝食を食べ、朝の散歩へ。
グアダルキビール川周辺は濃い霧がかかっていて、とても幻想的だった。
この美しい景色を見ている時に、私は「結婚したら夫婦でまたここに来るのもいいな。」と考えていた。観光客に老夫婦の姿が目立っていたからかもしれないが、私が「また来たい」と思うのはとても稀なことだ。
コルドバを離れ、列車で西へ約1時間のセビリアへ。
この街に来た理由は、他でもないAちゃんに再会するためだ。