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心の整理がついてきた(3)

先がまったく見えなくなってしまった。

人と心の交流が持てない自分だとわかったのはいいのだけれども、そうなってみるとこの先どうなるのかが、まったくわからなくなった。

カウンセリングによって虐待経験を乗り越えたなら人と心の交流が持てる自分になれると予想をしていたのだが、その予想が外れてしまった今、自分がどうなっていくのかがまったくわからない。

生きるってことは人と関係を持ち続けるってことだ。仕事をするってことも同じだ、だったら人との関係を築けない僕はどうやってお金を稼げばいいのか。ひいてはどうやって生き延びればいいのか。

何をどう考えたらいいのかがわからない。だから本当にまったく何もわからない。理由もなく苛々するし、もういよいよ駄目だな、結局なんにも変わらないんじゃないかと思うときもある。

ただ不思議なことに焦りはない。考え方がわからないくらい混沌としてるってことは心の深いところでは大きな変化が起こっているのだろう。他人をきちんと無視できる時間が増えてきたので何かしらの良い変化が起きているのはわかる。

「直感に従っていけば良いと思いますよ」
直近のカウンセリングでカウンセラーはそう言った。なるほど。混沌とした心では落ち着いて思考できない。だったら好きか嫌いか、やりたいかやりたくないかという感情に頼って選択してみるのもありだ。

母と心の交流が持てず反抗期も思春期もなかった僕が今になって反抗期と思春期を迎えたと思えばいいのだ。

やっと青春がやってきた。

ー 終わり ー

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